愛は平等に本当にあるものなのか?
___ボクの友達は?
お金持ちのお嬢様と付き合っていたが、貧乏だったボクの
友達は、お嬢様からすれば? ただのボーイフレンド。
___お嬢様の結婚相手は、親が決めた許婚。
結婚相手が決まっているからこそ!
その間は、お嬢様の好き勝手に親もさせている。
一定の“彼を持たず”ただのボーイフレンドだから。
他に好きな男性が出来れば、次の男性に乗り換える。
お嬢様からしたら、別に本気で好きでもない男性だから。
簡単に捨てる事も出来るらしい。
・・・だけど?
ボクの友達は、そんなクズのお嬢様を本気で愛していたらしい。
彼は、お嬢様からゴミのように捨てられて。
そして、14階の何処かのビルから飛び降り自殺をしてしまった。
救急車に、運ばれた時には? 内臓破裂で即死だった。
___ボクはね?
このお嬢様の事を、彼からよく聞いていたんだ!
『___なあ! 今日も聞いてくれるか?』
『またかよ! お嬢様がどうしたんだ?』
『俺のこと、好きだってよ! いいだろう~!』
『なんだよ! ただの、のろけ話かよ!』
『まあな! 俺は、どんな事があっても! 彼女を守るって決めたんだ!』
『ふーん? そんなに好きなんだ! “そのお嬢様の事?”』
『___うん! まあな!』
『・・・・・・』
___ボクの友達は?
本当に、いいやつでさ! 優しいし! ボクみたいな奴にも
いろいろしてくれて、お節介というか? めんどくさいところもあるけど?
ボクにとっては、“大事な友達”なんだ!
___そんな【彼】が一人の女性を愛してしまった。
僕自身も、凄くビックリしているんだ!
彼は、もっと自分自身にびっくりしていたらしい...。
___それもそのはず。
彼とは? 幼稚園からの仲なのだけど、、、。
女の子の事を好きと彼の口から聞いたのは、初めての事だった。
___彼にいい寄る女の子は、多かったが...。
彼と両想いや付き合った女の子の事を、僕は知らない。
・・・ボクは、てっきり彼は“女嫌いかそっち”なのかと思っていたが。
ただ単に、彼が本気で好きになれる女性がいなかったんだと。
今頃になって、分かったことなんだ!
___なにしろ!
彼は、性格がいいし! お酒も煙草もギャンブルもしない。
ステキな男なんだよ!
___もし?
ボクが、女なら? 間違いなく彼と付き合いたいと思うほど。
【理想の彼】なんだろうな。
・・・それなのに。
そんな彼が、飛び降り自殺をしてしまうなんて!?
まさか!? 好きな女の為に死ぬなんて! ボクは想像も
していなかった事だった。
___彼は? 女性にうぶで。
不器用で、男に手慣れた女を好きになったがために、、、!
そんな素敵な彼が死ななくてはいけなかったのかと...。
ボクは本気で、腹が煮えくり返るぐらいに腹が立っている!!!
___ボクは、今すぐ!
彼をここまで追い込んだ! アノ、お嬢様を見つけて殺したいぐらい!
この女を憎んでいるんだ!
___もし?
彼が、このお嬢様と出会わなければ、、、?
彼が、お嬢様を本気で愛さなければ、、、?
もしもしもしもし......。
___後悔しても、彼は戻ってはこない!
やり直しもきかない! そんなのは、分かっているが、、、。
ボクは彼が、今でも愛おしいと思う時があるんだ。
何でも話し合えた、彼との思い出。
___あんなにステキな親友は、何処にもいない!
そして、ボクは決めたんだ!
彼を殺した、あのお嬢様を彼と同じ目に遭わすと、、、!
あの女をボクは、絶対に許さない!!!
『___あの? すみません! 鹿野山 聖花さんですか?』
『・・・貴方は、どなたですか?』
『ボク、亡くなった加能君の友達の小山と言います。』
『___あら? 加能君のお友達なの?』
『少しでいいんですが、お時間ありますか? 加能君の事を少し
聞かせてほしいんです! 彼は、ボクの親友だったので...。』
『___加能君は、とってもいい人でしたよ。』
『___はい! ボクもそう思います。彼とは、こっちに引っ越して
来て以来、かれこれ10年は会ってなかったんです。ただ、お互いに
連絡は取り合っていたので、貴女の事は加能君から聞いていました。』
『___そうなの? 私ね、今から用事があって直ぐに行かないといけ
ないの! だから貴方に名刺を渡しておくから、連絡してきてくれる?
その時、ゆっくり加能君のお話をしましょう!』
『・・・あぁ、はい!』
___どうやら?
第一関門は、通過できたようだ!
お嬢様は、気に入った男性には直ぐに名刺を渡すらしい。
それに? 【用事と言っていたが、】どうせ! 男と会うのだろう。
でも? ボクをお嬢様が気に入っているのならば、、、?
その男も直ぐに、お嬢様に捨てられるに違いない!
【___天国で見ててくれ! ボクが必ず! あの女に復讐をするところを!
あの女にも、お前が苦しんだ分だけ同じ思いをさせてやるからな!】
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