男嫌い
男嫌い
綺麗な服が着られない
怖くなって着られない
道で私の手を引いた
見知らぬ男を思い出す
どんな目だったか
どんな言葉だったか
逆光が眩しくて
感知できなかったけど
それがすごく憎らしくて
目をぐちゃぐちゃに潰したくて
なんでお前なんかが
私に話しかけるんだ
そう叫びたかったよ
背伸びするのが息苦しい
演じるのも もう出来ない
道行く人は奇異の目で
私のことを嘲笑うけど
どんな日だったか
どんな記憶だったか
何故か思い出せないまま
消えないんだけど
それがすごく悲しくて
奪われた何か 恋しくて
なんでお前なんかが
楽しそうに笑うんだよって
叫んだよ
知ったふうに言うな
見たふうに語るな
大嫌いだ大嫌いだ
「笑え」という男が大嫌いだ
いつまで笑えない罪悪感に
苦しめばいいんだ
私は
私じゃないのか
私を箱に入れて
管理する
男なんか大嫌いだ