2話 兄弟は勇者
どこだ?ここ?暗いな。
「おぎゃぁぁぁおぎゃぁぁぁ」
「%`'<}$<~)`<¥+*.;"&¥'¥@:」
うっるさっ。なんだこの赤子のような泣き声と訳のわからない声は?喜んでるのか?とりあえず声をかけっ.....くっ...動けない...。声もでない?...これは不味いぞ。あれ?手は動く。ってええぇぇぇぇぇ手が.手が...小さい?ちょっと待てよこの状況、どっかでよく見る光景だ。
異世界転移 しちゃった...?
何も出来ずに約1時間が経ったと思われる。だがわかったことは大きく分けて5つある。
1 俺が赤子になっていると言うこと。これは乳母?と思われる人がやって来たのでほぼ確定だろう。
2 ギルドカード、ステータス共に開けると言うこと。ギルドカードのお金と装備品の欄は0と無しになっていたがそれよりも名前だ。なんと名前が、「ハント アルタイル」に変わってしまっていた。ステータスはほとんど変わっていなかった。
3 言語を理解できないこと。いろんな人が顔を見に来て何か言っているが何を言っているのかがまったくわからなかった。かなりまずい状況と言えるだろう。
4 俺に姉か妹がいること。乳母が来たときに俺の後にピンクの布を纏った赤子も抱いていた。たぶんさっき転移した直後に泣いていた子供なので双子なのだろう。
5 時間の流れがおかしいこと。俺の寝ている直ぐそばに窓があるのだが、雲が止まったり動いたりを繰り返していた。普通に考えてヤバくないか?まぁいいや。
〔はぁ...暇だなぁ...寝るしかないか。〕
意識を覚醒させる。改めて見回す広い部屋。そこには乳母がいた。乳母がこちらに気付いたようで、近くへ寄ってくる。
「あら、ハント様 お目覚めですか?」
〔えっええぇぇぇぇぇ!言葉が...わかる...?まさかっ〕
ステータスを確認する。
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Lv 1
体力 30/30
精神力 100/100
攻撃力 15+0<15>
防御力 10+0<10>
魔力 25+0<25>
脚力 30-0<30>
固有スキル 思考 Lv1
スキル 鑑定 言語理解 赤魔法 青魔法
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〔おお~言語理解追加されてる。条件はなんだ?鑑定でわかるかな?〕
[鑑定] 言語理解
スターランドの言語を理解する。
獲得条件 異世界へ転移されてから1日立つ
〔それだけか。って言うかこの国?この星?どっちかわからないけど、スターランドって言うのか。だから家名が恒星の名前なのか。確かアルタイルはわし座辺りか。まぁいいや。〕
そこから、色々な物を鑑定しまくった。まず双子の彼女。
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ギルドカード
name:ユイン アルタイル
slaves:無し
gender:female
age:0
jobs:勇者
subjobs:無し
rank:G
money:0
equipment:無し
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ステータス
Lv 1
体力 30/30
精神力 25/25
攻撃力 20+0<20>
防御力 15+0<15>
魔力 10+0<10>
脚力 10-0<10>
固有スキル 光剣
スキル 鑑定 言語理解 白魔法 治癒魔法
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〔へぇーユインって言うのか。って、はぁ?ジョブが勇者...まさか俺巻き込まれ、た?でもステータス低くね?こんなもんなのかな?あぁ。途中の伸びがいいのかな?〕
次に乳母の方
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ギルドカード
name:ランチ
slaves:無し
gender:female
Age:38
jobs:治癒術士
subjobs:村人
rank:B
mymoney:50700
equipment:治癒の杖 魔法の法衣 短縮のブレスレット 防火の靴
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ステータス
Lv 32
体力 10/10
精神力 15/15
力 5+1<6>
防御力 8+4<12>
魔力 10+7<17>
脚力 10-1<9>
スキル 治癒魔法
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〔あれ?ステータス低すぎだろ?でもギルドランクBだ。しかもレベル32。もしかしてこれが普通??幸いにもユイン以外は鑑定スキル持ってないみたいだしな。これはステータス隠すべきなんだろうなぁ...。たぶん勇者召喚されたからにはスターランドヤバい状況だろうしな。戦いたくないし近くの村へ送って貰う方向性で行こう。〕
次にこの城の名前がわかった。
「シリウス城」
これが城の名前。そしてここの王の名前が
「13代目人間種国王 ライン キング シリウス」
だそうだ。王様が1度顔を見に来た。王様が自ら来るなんて、かなり期待されていると見て良いだろう。余計に逃げ出したい気持ちが高まってしまった。