表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

くすぐり花火

作者: 麦ノ峠

「今日は寝てたい」と祭りの誘いを断り、ベットで目を開けたまま横になっていた。


ふと、祭りの誘いを断った罪悪感のせいか、みんなのことを考えてみる。

かき氷たこ焼き焼きそばりんご飴、どれかを片手にみんなでワイワイ祭りを楽しんでいるのだろう。


そこに僕がいたとする。みんなを笑わせようとして話をするが、大して面白い話などなくみんなを退屈にさせてしまった。みんなと話が合わない。やがて後ろの方で一人みんなの後をついて行くことになった。

申し訳なさと恥ずかしさで全身から汗をかいた。ここは蒸し風呂なのか?


暑さのせいかよろめいてしまい友達にぶつかる。友達の持っていた焼きそばが宙を舞い地面に落ちる。

僕は謝った。友達は許してくれた。

「代わりの焼きそばを買ってくるよ」と言ったがその場の空気がおかしい。

違うのだ。買ってくるどうこうの話ではなく僕がいなくなればいいのだ。始めから僕はいらなかったのだ。


僕は友達に500円を渡し無言でその場を立ち去った。少し歩いて振り返るとみんなは消えていて、落とした焼きそばも地面を這って人混みの中へ消えていった。


帰りにぽっぽ焼きを土産で買ったが、気が動転して草むらに投げた。


我に帰ると全身から汗をかいていた。危ない。やはり断っといて正解だった。


窓を開けると部屋に花火の音が入ってきた。びくびくしていると花火に脇をくすぐられた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ