第八話 出陣
えー
今回はちょっと短めです。
何でかというと次話と分けないとちょっとどころ以上に長くなりそうだったので(いつも長いとか言うな!!)
とりあえず、どうぞ!
『ただいま潜入部隊から応援要請がありました。戦闘員はただちに救援に向かってください』
その警報を聞き、セカイは監視ルームの方を見て、
「敵、ですか……。キラさん、場所は?」
『へ? え、えっとっすね。北海道の函館っす! で、でもどうするんすか?』
セカイはその問いに対し笑顔で答える。
「こうするんですよ。飛べ」
すると、身に着けていたアーマーが形状を変化し、翼の様なものが生成される。
『――なっ!? セカイ君! それは無茶っす! まだそれはそこまでの変化に耐えられな――』
だが、そんなキラの忠告は無視し、セカイはそのまま飛翔し、壁を壊す。
「では、僕は救援に行ってきます。……氷空は絶対に来ないでね。きっと耐えられないから」
そして、セカイは壊した壁の穴から出ていく。
「総司令! アレはどういうことですか!」
ガトーがカタストロフを思い切り掴み上げる。
「おい、ガトー。この手は何だ?」
カタストロフがガトーを睨みつけるがガトーは動じない。
「はぁ……。どうしてお前はいつもそうやって感情だけで動くんだ。少しは大人になろうとは思わないのか?」
カタストロフがそう言いつつガトーの腕を握り始める。
すると先程までカタストロフを持ち上げていたガトーの顔が一気に苦痛の表情へと変わる。
「――ッ!?」
「ほら、俺を咎めたいのだろう? さあ、来るがいいさ」
カタストロフはガトーに対して両手を広げて挑発する。
ガトーはその挑発に乗りかけたが氷空によって止められる。
「氷空、止めるな」
「ガトー……。あなたはいつからそんなバカになったの? 総司令に勝てる訳じゃない」
氷空がそう言うとカタストロフは笑顔で、
「その通り。君ごときの力じゃあ俺を倒す事なんて出来ないさ。それよりも、良いのか?」
「何がですか?」
氷空が尋ねるとカタストロフは気味の悪い笑顔で言う。
「セカイ君が一人で出ていった事に対してだよ。君達にとってアレはとても大事な仲間なんだろう? 良いのか? あの力をまた使わせても」
それを聞いて氷空は険しい表情となり、
「セカイ! その力を使ってはダメ!!」
そう言って武器庫へと走り去る。
「ほら、ガトーも行かなくていいのか?」
「……ちっ」
ガトーはカタストロフを横目で威嚇するように見ると氷空を追いかけて武器庫へと向かう。
二人がいなくなるのを確認して麗奈が口を開く。
「クハッ! 意地悪だな、カタストロフ。今のアイツなら何も心配する事なんて無いんだろう?」
「はて? 何のことやら?」
麗奈の質問に対しカタストロフは何も知らないという風な態度を取る。
「私は知ってるぜ。一回目の暴走と二回目以降の暴走では安定度に大きな差が出る。
故に感情的に動く事もない。正直負担は前回の十分の一くらいだろ?」
麗奈がそう言うとカタストロフは麗奈のことを横目で睨むが、すぐに正面を向く。
「そうだよ。まぁ、これからどんどん強くなる学習型兵器って言ったところかな」
その言葉に対し麗奈は自然と表情が堅くなる。
「お前はそれで満足か? カタストロフ」
「ああ。満足さ。これで奴らから僕たち人類の世界が取り戻せる!」
カタストロフが高笑いしているのを無視し、麗奈はただ黙って目の前のモニターを見ていた。
はい、こんな感じでセカイ君出陣です。
これくらいに短くしとかないと多分読む側は大変なんだろうなぁと
同時投稿するので、ぜひ続けて読んでください