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ココロ奪われしセカイ  作者: 鹿煎餅
第一章 新たな出会い
7/15

第六話 本部

ちゃんと2日連続での更新です!

やったね!!(殴)


まぁ、時間があったのでちゃんとパソコンいじってただけなんですけどね。


とりあえず、第6話ですどうぞ!

「……?」


 セカイが目を開けると目の前は白い天井があった。


「ここは……?」


 するとベッドの(そば)のカーテンが開かれる。


「あら、気付いた? 気分はどう?」

 

 カーテンを開けたのは氷空だった。


「氷空……。そうだ! 敵は!?」


 セカイが慌てて起き上がろうとするのを氷空は手で制止する。


「まだ、寝てた方が良いわ。セカイは敵の攻撃の際に頭を打ったのよ。目立った外傷は無いけど強く打ったようだからもう少し休んで早く回復してね」


 氷空がセカイを心配しているという意思を示すとセカイはそれに気付き、


「そっか……。心配かけてごめん。氷空の言う通りにして早く治すね」


 そう言うとセカイはまた眠りにつく。


(さっきまでのセカイと本当に別人ね……)


 氷空はセカイが眠ったのを確認すると医務室から出る。

 そこには麗奈の姿があった。


「これで良いの?」

「おお、ありがとうな。自分の理想の敵となる奴の看護を任せちまって」


 麗奈が笑いながら言うと氷空は睨み返し、答える。


「あれはセカイの意思では無いのが分かったなら私が彼を恨む事はないわ。その代わり、麗奈。私はあなたをセカイの苦しみの分恨むわ」


 麗奈はそれを聞いても笑顔のまま表情を崩さない。


「おっと? たった一日で惚れちまったか?」

「バカ言わないで!」


 氷空は壁を思い切り叩く。

 だが、麗奈には脅しにすらなっていなかった。


「おいおい、静かにしないと患者さんが起きちまうぞ?」

「……ハァ。あなたと話をしていても疲れるだけだわ」


 そう言うと氷空は逆方向を向き歩き出す。


「おいおい、また起きた時誰が面倒見るんだよ」


 麗奈の問いに対し氷空は振り返る事無く答える。


「その時にはもう先生も戻って来てるでしょう」


 それだけ言うと氷空はまた歩き出す。

 麗奈は氷空がいなくなっ他のを確認し医務室へと入る。


「ふん。こんな気持ちよさそうに寝てる奴が私の子供で、更には私より力が上ってか。信じられない話だぜ」


 そう言って麗奈はセカイの頭をそっと撫でる。


「……かあ……さ、ん」


 このセカイの寝言に対し麗奈は一瞬驚きの表情を浮かべる。


「クハッ! 寝言とは言え母さんと呼ばれるとはな。ま、でもお前はもうただの人間じゃないんだ。これからは兵器として生きるんだからな」


 そう言ってもう一度セカイの頭をそっと撫でると麗奈は医務室を後にした。




 セカイ達を乗せた艦が氷空達、『人民解放戦線』。通称PLFの本部に到着したと同時にセカイは目を覚ました。


「あら、やっとお目覚め? ゆっくり休めとは言ったけどこんなに寝るとは思わなかったわ」


 セカイの側の椅子に座り話しかけていたのは氷空だった。

 セカイは体を起こすと氷空の方へと体を向ける。


「僕はどれくらい寝てたの?」

「そうね。最初に目を覚ますまでに三時間、その後寝てから今起きるまでに十五時間くらかしら」

「うわ、めっちゃ寝ちゃってごめん」


 そう言って頭を下げるセカイ。

 それに対し氷空は笑いながら言う。


「い、良いのよ。そもそも、私がセカイに寝てろって言った訳だしね。それより、どこか体に違和感とかはない?」


 氷空の問いに対しセカイは笑いながら、


「特には無いけど、強いて言えば寝すぎて頭がボーっとするくらいかな」

「なら大丈夫ね。さ、これに着替えて」


 そう言ってハンガーから服を外し持ってくる氷空。


「これは?」


 セカイが受け取ったのは白をベースに所々に青の線が入った服であった。


「これは私たちPLFの制服よ。セカイは今日から私たちの仲間になるからこれを着て。色は気に入らなかったら他にもあるから後で見てちょうだい。それじゃあ、私は部屋の外にいるから着替えが終わったら出てきてね」


 そう言うと氷空は医務室から出て行く。


「そっか、僕は昨日仲間になるって言ったのか。でも、本当に僕が役に立てるのか?」


 昨日、自分で敵の半分を倒したことを知らないセカイは自分に戦闘が務まるのかが不安であった。

 だが、ここまで来たからには後には引けないと決心し、急いで着替える。


「……少し大きいかな」


 着替えが終わり、鏡の前に立つと少し裾が長く引きずる形になっていた。

 セカイが鏡の前でどうしようかと悩んでいると部屋にノック音が響く。


「セカイ? 入ってもいい?」


 氷空の声が聞こえるとセカイは救いを求めるように許可を出す。

 するとガトーも一緒であった。


「お、復活したみたいだなって……」

「……それでもこの船にあった中で一番小さかったのよ?」


 一言目にそれを言われセカイは少しショックを受けていた。

 だが、氷空の軽いフォローが入る。


「まぁ、でもガトーを見れば分かると思うけどこんなに大きいサイズがあるんだもん。本部に行けばきっとセカイにあったサイズも見つかるわよ」

「でも、そんなんじゃ歩きづらいだろうな。前の服は今は洗濯してるし、(まく)ってれば大丈夫だろう」

「そうだね。小さくてごめんなさい」


 セカイが謝ると氷空とガトーは大笑いする。


「身長が低くて制服が無い人も初めて見たけど、それで謝る人も初めて見たわ」

「面白いな、お前! まあ、これから伸びるかもしれないから今後に期待だな!」


 セカイは少し恥ずかしくなり俯く。

 それからセカイの裾捲りを終え、艦を降りる。




「うわ、でかっ」


 目の前にはとても大きな建物があった。

 セカイは上を眺めつつ言う。


「これ、どれくらい高さあるの?」

「これは一六三階建てで約六三六メートルあるんだよ」


 セカイは今の声に聞き覚えが無く、正面を向く。

 そこには三十代くらいの男の姿があり、氷空とガトーは敬礼をしていた。


「そ、総司令官! な、なぜこのような場所に!?」


 氷空が慌てて尋ねる。

 それに対し、総司令は笑いながら、


「いやぁ、赤ん坊の時に回収されていないレアケースの子を見ておきたくてね。それよりも、そんなに固くならないでくれ。俺はその様な固い挨拶は嫌いなんだ」

「し、しかし……」


 氷空が躊躇うと総司令は鋭い眼差しで言う。


「俺の頼み事が聞けない、とでも?」


 すると氷空とガトーはすぐに敬礼を止める。


(へぇ、「感情」持った人にはこんな人もいるんだ。それに、この人は逆らってはいけない気がする)


 氷空とガトーが怖がってる間セカイだけは平然としていた。

 その様子を見て、総司令は面白そうに言う。


「君は固くなさそうで良いね。気に入ったよ。ぜひ、敬語は使わないでくれ。僕はそういうのが大嫌いだからね」


 一瞬敬語を使おうとするセカイだったが、先程の氷空達との会話を見ていたので崩した話し方をする事を決める。


「分かったよ。よろしく、えっと……」

「カタストロフだ。よろしく、セカイ君」


 そう言うとカタストロフは握手を求めてきたので、セカイはそれに応える。

 その様子を氷空とガトーはドキドキしながら見ていた。


「ん? 氷空、ガトー。どうしたの? カタストロフが止めて欲しいって言ってるのに、そんなに緊張してたらむしろ失礼じゃない?」

「そうだよ、二人はもうちょっと緩くなっても良いと思うのにな」


 氷空とガトーが悩んでいると二人は後ろからの蹴りで倒れる。


「そうだぜ、コイツになんか敬語を使う必要なんかねえよ」


 二人を蹴った人物は麗奈であった。


「れ、麗奈! 何するのよ!」


 麗奈を睨みつける氷空。

 だが、麗奈は気にしていない様子だった。


「何って邪魔だったからだよ。で、一体カタストロフ。あんたがここまで下りて来るなんて珍しいじゃねえの。どうしたんだよ」

「氷空達にも言ったんだけどね、俺は麗奈の不注意で回収されてなかったセカイ君を見ておきたいと思ってね」


 それを聞いてセカイは少し不自然に思う。


(今までに俺の後に生まれてきた「感情」持ちがいたのに俺だけ何で回収されてなかったんだろう?

 まぁ、今そんなこと考えてもしょうがないか)


 すぐに考えるのを止める。

 すると、カタストロフは後ろを向き付いて来るよう言うのでその後を付いて行く。

特別大きな進展は無く、PLF本部へと到着しました。


前話での総司令官がいきなりの登場です。

本部についてからのセカイはどうなるのでしょうか


次話をお楽しみに!!

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