第五話 回収
えーと
やっとこさ5話目ですね。はい。
まだ全然読まれてないから良いけどさ?
何かこの作品期間開いてない??
って思った方いたら気にしないでください。
はい。
では、5話どうぞ(逃)
セカイが倒れ、崩壊した入り口より人影が現れる。
「いやあ、うちのセカイがすみませんね。氷空隊長」
「れ、麗奈!? あなた、どうしてここに!?」
「いや、どうしてって言われてもここが私の監視区なんでいて当然じゃあない?」
「それはそうだけど……」
「それより、麗奈。お前さっき気になる事を言ってたな?」
「ん? 何の事だい?」
ガトーの話を反らすように図書館の中を見渡す麗奈。
それに対しガトーは少しキレ気味の口調で言う。
「お前、さっきの「うちのセカイ」って言ってたよなって事とアイツが持ってたM9にお前の物と同じドクロマークが入っていたって事だよ! どういう事だ!」
ガトーに胸元を掴まれ両手を上げる麗奈。
だが、その表情に焦りは一切ない。
「やだなあ、ガトー。いきなり女の子の胸元を掴むなんて」
「良いから答えろ!」
ガトーの威圧感を受け、麗奈は降参した。
「はいはい。ガトーのその熱さには負けるよ。離してくれ」
麗奈がそう言うとガトーは言われた通り手を放す。
麗奈は服を掃うと腕を組み話し出す。
「セカイはそうだな……。私の子どもと言った方が一番しっくり来るのかな~」
すると氷空とガトーは驚きの表情を浮かべる。
「それって……」
「ああ、でも私自体が生んだ訳では無いよ? 何て言うんだっけな?体外受精?ってので私の子を作ったのさ。父親は知らないけどね。それで、生まれたと言うより造られたのがセカイだ。クハッ! 本当、良い感じに育ってくれて良かった良かった」
麗奈の言葉に氷空とガトーはその場に立ち尽くすことしか出来なかった。
麗奈はセカイを|造った(傍点)と言った。
これは遺伝子操作したという意味だ。
これはもちろん違法である。
「……そんな。麗奈、あなたって」
「おっと、確かに私のやった事は違法だが、書類上は実験失敗でケリがついてるんだ。裁判所も鑑定も無い今の世の中じゃ誰にも証明できねーよ。なんなら、アレか? 私を本部で裁くか? でも、本部が私を捨てるかな~?」
そう言って氷空を見下ろす麗奈。
氷空は何も言い返すことが出来ずにただ歯を食いしばっていた。
「さ、目標物の回収は出来た事だし、帰ろうとしようぜ」
そう言ってセカイを担いで出口へと向かう麗奈。
それを引き止める氷空。
「ちょっ! 麗奈! 回収物ってどれよ!」
「どれって、ガトーのポーチに入ってる本だよ。機密レベルの本がここにあってはダメ、だろ?」
それに対しガトーは麗奈を睨みながら反論する。
「それなら、お前一人で帰ってくれば良かったじゃないか」
だが、彼女はガトーの視線など気にせずに歩きながら答える。
「いやいや、私の操縦の下手さは知ってるだろ? あんなんで援護無しじゃ私が先に死んじまうよ」
「「……」」
二人は心の中で確かにと頷く。
それほどに麗奈の操縦技術は低かった。
「ま、そういう事だ。ほら、隊長にガトー。置いてっちまうぞ」
そう言い残すと麗奈は大穴の開いた入り口から出ていく。
すると、それと入れ替わるように味方の救援部隊が入って来る。
「大丈夫ですか! 救援遅れて申し訳ございません!」
「え、ええ。それよりも、他の隊員をたの――ッ!」
後ろを見るとそこには足や腕など一部が無い隊員。更に向こうには肉片となった敵がいた。
その光景は部隊を預かっているとは言え、まだ小さな少女が見るには残酷すぎた。
しかもこの状況を作ったのは今日初めて会ったたった一人の少年だったのだ。
その少年がたった今仲間となり、またこの様な状況が起こると思うと彼女はどうしたら良いのか分からなくなっていた。
「……どうして、こんな」
そして、氷空はその場に泣き崩れ落ちた。
『今回はご苦労であった。麗奈副部隊長』
船のモニターの向こうで椅子に寄りかかりながら話しかける人物。
見た目は三十代くらいであろう。
それに答えるのは麗奈である。
「いえ、これも総司令がこれまで協力してくれたおかげです。ありがとうございます」
そう言って腰を折る麗奈。
しばらくの沈黙の後、総司令は笑う。
『お前とこんな風に話すのは気持ちが悪い。いつも通りで良いよ』
すると、麗奈は顔を上げ笑みを浮かべる。
「クハッ! 私も改まった話し方は苦手だったからな。で、本当にセカイは回収して良いんだよな?」
『何を今更な事を言ってるんだい? もうそこにいるじゃないか。それともアレか? 今から放り捨てるか? ん?』
麗奈を試すように笑いつつ言う総司令。
だが、麗奈は気にする事無く答える。
「いや、別にそんなんじゃあねえよ。ただ、まだ早いんじゃないかって事だよ」
『ん? だが、当初の予定ではもう第三プランに入っても良いはずだ。何が問題なのだ』
麗奈は少し考え頭を掻きながら答える。
「ん~……。いや、確かにそうなんだが、通常時での殺意レベルが全く無いんだよ。コイツ」
その麗奈の言葉に対し、総司令は険しい表情を浮かべる。
『それは本当か? 十六年も待ち、ここで計画が失敗に終わるなど許さないからな』
机を叩き怒りを表す総司令。
だが、麗奈はまだ話を聞けと言う。
「確かに通常時の殺意レベルは低いとは言った。だが、戦闘時の話をまだしてないだろ?正直戦闘時は下手をすれば私の何倍も上だ」
それは総司令を驚かすのではなくむしろ喜びに変える言葉であった。
『ほう。そうか、結果的には予想以上の力を付けていたんだな。だが、それはどうして分かったんだい?』
その質問に対し麗奈は後ろで眠っているセカイに指を指し満面の笑みで答える。
「コイツが持ってたのは氷空の愛用しているただの未改造M9だった。だが、どういう事か私の洗脳後は私が愛用しているはずのドクロマークが浮かんでいた。それでも、M9自体には性能的に何の変化もなかった」
『つまり?』
「つまりはだ。コイツは未改造M9で敵の軍艦一隻を落としたんだよ。そんなの私でも無理だ。私だって専用にカスタマイズされた武器だからこそここまでの性能を引き出せるんだ。という事は――」
麗奈の言葉に続き総司令は嬉しそうに話す。
『セカイ君専用にカスタマイズされた武器があれば最強の兵士が出来上がる、か。良いぞ!これでやっと我々の世界が取り返せるのだ!』
それに対し麗奈はただ笑うだけであった。
正直彼女にとって総司令の夢などはどうでも良かったのであった。
すると艦の入り口付近から声が聞こえ始める。
「人が戻ってきたからもう切るぞ」
『おっと、流石に僕の部下は仕事が速いな。では、次の戦果期待しているよ。麗奈』
そう言って通信を切る総司令。
画面には無音のノイズが走る。
麗奈はそれをただ見つめ、次の戦闘を楽しみだという表情を浮かべていた。
とりあえず、セカイが倒れてしまった後のお話ですね。
まぁ、軽くコイツめっちゃ悪そうなつじゃん!!
的なキャラも出てきましたが、この後どうなるかはちゃんと構成練ってるので
お楽しみに
ち、ちゃんと続けて更新出来るようにゲームと読書と飲みに行くの控えるから許して
では、また次話で