協定関係
大男に連れてこられた場所は地下深いところであった。変な入り口から入りエレベーターで降りてきてそこから指紋やらなんやらを認証して初めて中に入れた。
「ようこそ我が基地へ」
「ど、どうも」
「色々聞きたいことはあるだろうがまずはくつろぎたまえ」
入った部屋は応接間みたいなところで、真ん中にテーブルを挟みソファーが2個置いてある。
なんとなくそのソファーに腰をかける。
「ブラックでいいかな?」
「あっはい」
薄紅色をした髪にがたいのせいもあるだろうが相当大きく見える体。全くもって非現実的なことばっかで頭が追いつかない。
彼はコーヒーカップをおれのところにそっと置くと俺の向かい側に大男は座った。
「まずなにから話そうか」
コーヒーカップを口に一度持って行くと落ち着いたように話し出す。
「まずは星河戦争についてだ、星河戦争というものは願いを叶えるための戦争だ。
強い願いを抱いた時に魔力は生まれる。君も何か強い願いがあるのではないかい?」
「えぇ、確かにそうです」
「そして次にその魔力と共に神器と言われる武器が決まっている、これは役職で大体決められているんだ、魔力の性質によって役職が決められる」
「役職?」
「まずは物理攻撃に特化しているウォーリアー、ハンマーや剣などの武器が主な神器になる
目がよく見え的の動きを捉えることに長けているハンター、弓や銃が主な神器だ。
魔法攻撃が得意なウィッチ、杖が主な神器だ。
素早さが特徴のシーフ、短剣が主な神器だ。
守りのパラディン、盾を持っている。
とこんな感じだ」
「思ったより少ないんだな」
「あぁ、だが神器が無限とある。それ故に戦い方も無限にある」
「なるほど、ウォーリアーで剣を持っているのと鎌を持っているのでは確かに大違いだな」
「それだけではない、ウィッチでも錬金型ウィッチや白魔導型ウィッチなど色々な魔力を持ったやつもいる」
「なるほどな、その型は全て覚えないとダメそうだな」
「妙に冷静だな」
「わかんない、ただ頭が追いついてないだけかもしれない」
「他にも伝えなければなんないことがある」
「なんだ?」
「この戦争で死んだものは現実世界でも死を意味する」
「なっ!!いや確かにそんくらいのリスクがあって当然なのかもしれない」
「助かる方法は二つある」
「なんだ?」
「辞退するか、最後まで生き残るかだ」
「辞退?」
「これを運営している協会に辞退を申し出たら記憶を消され戦争から離脱する。
お前はどうする?」
「やるさ、おれには叶えたい願いがあるんだ」
「乗ってくると思った、これからお前を全面にバックアップしていく、江藤和夫だ、よろしく」
「今井健二だ、よろしく、一つ聞いていいか?」
「なんだ?」
「おれをバックアップしてなんのメリットがあるんだ?」
江藤が一瞬ニヤリと笑う。
「そこを聞いてくるとはなかなか鋭いな。実は運営している協会があると言ったがゲームを面白くしたらそれなりの報酬を貰えてな、それ目当てだ。」
「それでわざわざおれを選んだのか?」
「魔力は意志だ、お前にはそれが見えたそれだけさ」
確かにおれは彼女にまた会いたいと本気で思っている。この戦争になにがなんでも勝ち抜いてやる。
「改めてよろしく、健二」
「よろしく江藤」
とても信じられないような日々がここから始まるのであった。