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恐怖克服者

龍也の足元に刀を投げる山賊の親分。


「殺し合いに何の意味があるんだ?」


「意味なんてねぇよ!昔も今もこれからも、強い奴が生きて、弱い奴が死ぬ!この世は殺し合いだ!」


「まぁ、間違ってはないかもな・・・」


「さあ!始めようぜ!」


龍也は子供を下ろし、刀を拾う。


「さっきのような、醜態は晒すなよ!」


山賊の親分が斬りかかってきた、それをなんとか剣で受け続ける龍也。


「良いねぇ!良い反応だ!」


「くッ!?」なんてヤローだ!?プレッシャーがハンパねー!?


「おい!どうした!受けるばかりじゃおれは殺せねぇぞ!」


山賊の親分の腕は確かで、龍也をどんどん追い詰めていく。

「おら!どうした!お前はこの程度なのか?」


龍也は怖くて怖くて震えていた。

逃げ出したかったが、逃げる事も怖くてただ震えていた。

龍也は刀をはじき落とされ、山賊の親分に切っ先を向けられる。

「どうやらお前はここで終わりらしいな、安心しろ、一瞬で殺してやるよ!」


そのとき子供が山賊の親分の足にしがみついた。

「邪魔な奴だ!」

山賊の親分はしがみつく子供を振り払う。

「やっぱりこの赤子から殺すか!」


「やめろー!?」

龍也は刀を取り、山賊の親分に立ち向かう。

勝負は一瞬だった。

山賊の親分は一の太刀を龍也に振るがそれを交わし龍也は山賊の親分の首筋を斬りつけた。

首筋から血が吹き出す、その首筋を抑えながら、「なんだよ、やればできるじゃねぇか!」と言って倒れる山賊の親分。


龍也は刀を捨てて、子供を抱いた。


「ありがとう・・・」


龍也は子供にお礼を言った。


「帰ろう!」


龍也は歩きだす。

この子供を必ず帰して、そして自分も必ず帰ろうと、龍也に迷いはもうなかった。



そして山を抜け、民家を見つけて、民家の人に手紙を見せ、この子供の家の帰り道を聞いて進み、しばらく歩いて龍也は子供の家にたどり着く。


家の前には、4歳か5歳くらいの女の子がいて、龍也を見つけると慌てて近寄ってきた。


「その子供は私の弟です」


子供は笑いながら、女の子に手を振った。


龍也は女の子に子供を渡して、事情を説明した。


女の子は泣きながら龍也にお礼を言った。


「ひとつだけ教えて、その子供の、君の弟の名前を教えて欲しいんだ」


龍也は女の子に聞いた。

女の子は言った。


「坂本龍馬」


「そっかぁ、ありがとう・・・バイバイ・・・」


龍也は歩きだす、今度は自分の家に帰るために。


ポジティブに。

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