『久政の初体験!!の、話じゃ!』
こうして、久政の魂は長い時をかけ、安らかに成仏した。(おしまい)
こちらの(ファンタジーな)お話しは、この辺でお開きといたしましょう。
もちろん、久政無双の話は続きますが……、
気を取り直して、物語歴史パートはじめます。
毎度まいど、どこもかしこもが色々と慌ただしいです。
心豊かに暮らしたい者ですが、そうもいっていられません
そろそろ、国外に逃げるような年でもなくなりましたし、責任もあります。
ゆえに、真面目に対策を講じます。
虎御前の屋敷を『城館規模』まで、強化する事にします。
もちろん裏の雑木林の中に、祠も建てました。
山の外周には、たて縞の畝状竪堀を装飾代わりに、外から良く見えるように配します。
(トラ姫様!見えますか~? 雪解けの頃が、いちばんの見頃ですよ~!)
土塁、板塀を立てて食い違い虎口を造り、堀を穿ちました。
もちろん家臣のための施設を建てます。
道場、宿舎、兵舎と、それに櫓なんかも立てます。
もちろん『イロイロ』と仕掛けも施しますよん。
小谷の出城として、とっても友好に活用するつもりです。
虎御前山は小谷城に近く、しかも比高がそれなりにありまして、『防衛拠点』としてとても有効であるのです。
外から来た人達が『攻めたくて、たまらな~い』 ような造りにしておこう。
ふふふ!
天文10年(1541年) 早いモノで15歳になります。
今年も新年のご挨拶に、献金30貫と折々に必要な物、米、塩、お酒、お茶、塩乾物、果物、木工品を献上した。
ゲーム感覚も、ここまで来れば立派だと思うけれど、どうよ!
この延々とした献金作業、遊び半分でなきゃやってられませんよ。
だいたい皆もっと、陛下を敬えよ!
ずいぶんと酷い状態で放置だよ。
最近は向こうの方が、気を遣ってくれるような気がする。
(いえいえ、所詮私めは地下人ですからお気遣いなく。)
― そんな中 ―
京極高延は、亮政の勢力伸張を警戒し、『浅井』に対して挙兵した。
(馬鹿です!)
京極高延は、「京極高吉攻め」と称し、居城の上平寺城より兵を発しました。
途中で国人領主の兵を次々と加えていき、米原に集結したのです。
ところが、急に方向を変え他の砦を捨て置き、急進。
いきなり小谷城を奇襲した。
「敵は!小谷に在りってか?」 バレバレなんですが?アホですか?
別働隊までも編成し、ほぼ総数の兵で小谷に押し寄せてきたのですね。
美濃の動乱につけ込んでの暴挙らしい。
「「こしゃくな」」
うちの血の気の多い皆が、カンカンです。
「打って出ないでくださいね~、キチンと籠城いたしましょう!」
祖父、父、が小谷城に詰めます、小谷の防衛は専門職にお任せです。
初陣を飾ります。
俺は虎御前山で迎撃する事にしました。
引き籠もりますが、何か?
海北綱親、赤尾清綱、雨森弥兵衛清貞が、郎党を引き連れ加勢してくれます。
雨森彦左衛門、磯野員昌、海津の田屋勢を従え、館で京極を迎え撃ちます。
小姓組、阿閉貞征、宮部継潤、遠藤喜助、長尾虎千代他は、お留守番?です。
防御を高めるために、『食い違い虎口』を設け、『枡形』を作ってありますが。
なにぶん、まだ建設途中であるため未完成?な箇所がいくつかあります。
敵は、砦の弱い部分を見極めたのか、そこに兵力が集中します。
「いけ~っ」
「「「「おお~っ」」」」
門が、塀が容赦なく破られ、枡形に京極勢が威勢をあげて侵入してきます。
「我こそは~(以下略)…だぁ~」
さすが、京極さん!戦い方が古いです、折角の奇襲が興ざめですよ。
とはいえ、『京極さん』達のせいで、建設中の建物が壊され次々と侵入を許します。
(精魂を込めて作った物が壊されるのは悲しいものです……。)
ふふふ、敵は餌に食いついた。
その枡形は、『屠殺場』だよ~ん。
連絡用の埋門は数カ所設けてありますが、単なる3方を囲まれた大きめの広場です。
「ご苦労様!!では逝っちゃってくださ~い」
鉄砲はまだありませんが、火薬はすでにあります。
事前に工兵隊に、仕掛けを作らせたありますよ~。
いくつかの『落とし穴兼用型の堀』にしてありま~す。
それなりに頑丈な板を渡し、火薬と火縄を仕掛けて、落とし穴の完成!
任意に落とせる仕組みです。
そいつを… 「「「「ずどっっん」」」」
「「「「が、ぐわああぁあぁあ」」」」
とまあ、こんな風に後続の騎馬部隊が来たところで爆発させます。
威力はたいしたことないですが、落下の衝撃と土のつぶてと大きな音で馬がおびえ逃げ惑います。(実験済み)
まあこんな風に、普通に大混乱するわけです。
そこをすかさず弓矢で攻撃し、反撃開始です。
「皆の者! 放てぇ~い!!」「「「「お~っ」」」」
「「「「「ずばびしゅびすっ」」」」」
「「「「「ぼそっ、ずさっ、ぴゅん」」」」」
弓矢といえど、侮るなかれ!高所からの打ち下ろしなので、とても威力があります。
ついでに、投石もかけます。
「どごっ」
舞台は整いました。
舞台上に立ち、敵の攻撃の届かない高所から『口上』を述べます。
「「「「『京極の阿呆ども!我が弓矢の餌食になるが良いわ!!』」」」」
密かに作らせ配備してある弩弓を使います。
「さ~てっ、お留守番の小姓隊の出番です。」
俺は、『威嚇用の特大の弓』を、それにあわせ用い、さも自分が放った様に演技いたします。
(口上も、声のイイ若者にハモらせております。)
”ドヒュ~ウン”唸りを上げて矢が飛び出します。
”ズバサッ” ”ズドッ” ”バタン”
小姓の指示で、屈強な大人3人がかりで引かれた巨大な矢は……、
『鎮西八郎為朝』バリに3人串刺しいたします。
阿鼻叫喚の地獄に巨大な矢が唸りをあげて突き刺さります。
”ズドむっ”
味方は大興奮!!、敵は恐慌状態です。
「流石は、若君じゃ!」
「まるで、八郎為朝公ではないか」
「ひえええ~」
「おたすけ~」
足軽兵は、戦意喪失でしょう。
京極方の国人衆を狙い撃ちいたします。
指揮官を狙うのは基本中の基本です。
敵が完全に怯んだところで、すかさず『かくし扉』から追撃させます。
まあ、あとは大人連中にお任せいたします。
こうなってしまっては、戦いというよりもイジメに近いですね。
でもまあ、見事勝利しました。
4000あまりの兵力で、いきなり攻められましたが…、
こちらの館は500人で見事迎撃いたしました。
相手の死傷者は、300人を越えました、大勝利です。
まあ、追撃の大半は小谷から大人達が出ていますから、この成果があるのでしょう。
せっかくの大勝利ですから、最大限友好に利用しましょう!
小谷近郊の『京極方の砦』に対し降伏を、呼びかけて廻ります。
俺の武勇を聞いて怖れたのか? いくつかの城が開城しました。
まあ俺もすでに6尺(180cm)近くありますから、『今為朝』として風格は充分です。
特製の弓もそれなりに威力はあります、リーチが長いですからね。
さすがに3人串刺しは、ないですけれど。
『為朝?』アレはフィクションでしょう?
戦後は、城下の町並みの復興に手を貸します。
今後を見据え少し区画整理をしました。
いずれ雲雀山や虎御前館の界隈に町を作る予定です。
京極高吉は六角氏を頼って亮政打倒の動きを見せましたが、俺が積極的に臣従しているので、六角定頼は信義上、高吉(弟なのに相続を主張するのは笑止ですね)を相手にしません。
敵は、あくまでも京極高延なのです。
六角と京極では家格が近いですから、迂闊に京極氏に勢力をあたえれば、南近江まで呑まれますからね。
トピックス
天文10年(1541年)、利政による土岐頼満(頼芸の弟)の毒殺が契機となって、頼芸と利政との対立抗争が開始した。
一時は利政が窮地に立たされたりしたらしいが、状況は流動的だ。
将軍足利義晴、坂本へ逃げ出す。翌年、あっさりと帰還。
(相変わらず、ふらふらしていますね~。)
戦闘中、主人公がヤケにテンションが高いですが……。
恐怖を紛らせるための虚勢でありますので、お許しください!!
まともな人間には、戦場はツライと思います。
でも逃げだすことだけは、決して許されないのです。




