ぷろろ~ぐ
「頑張れ!!ひさまさ~。」
浅井久政に転生、最低評価の「ご隠居さん大名」
ひさまさは「長政?はつらいよっ!!」を(ナニが起こるのかと)密かに応援しております。
浅井久政
数多いる戦国大名の中でも、ぶっちぎりで最低評価なお方です。
今川氏真、北条氏政に並ぶ、お家を潰した張本人!愚か者というのが、一般の評価です。
他(今川、北条)は、ばか息子なのに…、浅井だけダメ親父!ふふふ……。
物語のその前に。
ひさまさじゃ、
この物語について、一切の歴史考証はしておらん!これは「えんため」ぞ心せよ。
誕生
”ふぎゃ~ふぎゃぁ~”
なにやらかすかに、赤子の声が聞こえる……。
かなりの人物が、住まう屋敷だというのに、なにやら妙に陰気である。
権力を示そうと、精一杯見栄をはって建てられたお屋敷。
その一角こそが問題の場所である。
「やれやれ、大殿様も困ったものだ。」
「ここに来て和子、それも男子を授かるとは……」
「姫のご亭主が・・・」
「いや、蔵屋さまのほうがおそろしいわ」
「お家騒動などごめんじゃわい」
「このまま、あの和子は育たない方がいいのかのう~」
「気の毒じゃが、そうかも知れねの~」
”ふおぎゃあ~ぁ”
あまりにも非人情な、家人達の心も知らず……、お腹をすかせた赤子は、ただ泣くしかなかった……。
”ふぎゃっ、おぎゃあぁあ”
ある屋敷での出来事である。
「これ、猿夜叉が泣いておるでは無いか?いかがいたした?」
下っ端:「あ、鶴千代さま!!何でかようなとこに…、いえ乳母がまだ帰ってきておらず」
「なぬ、それであかごを放置かえ?主ら、おしゃべりをして、随分と、ヒマそうじゃが?」
「いえ……。」
「尼子の方は、どうしたのじゃ?」
「……その~産後の肥立ちが悪く、乳の出も・・・」
「乳の出る奴など、誰ぞ、おるであろうが、もしや?お主ら、妾腹とは云え、主家の和子を殺す気か?」
「いえ、滅相もございません。」
(もしや、母上に要らぬ気を使って……。)
「は~ぁ」
確かにお父様には、思うところはある。
しかし、わたしもいずれ母になる身だ、乳を欲しがる赤子を見殺しになぞ出来ぬわ。
十以上も年の離れた弟をやさしく抱き上げ。
慌てふためく家人をよそに、そのまま屋敷へ連れて行った。
自らの乳母に頼みこみお乳を与えてもらった。
「おお~よしよしよい子じゃ、たんと呑んで早く大きくなるのじゃぞ、猿夜叉よ~。」
明政殿は、なんとお想いであろうか?
いや、母上のお怒りの方が恐ろしいか?
長男が早くに死んだ為、本家の血筋を引くわたし(鶴千代)と、浅井庶家の田屋明政殿とが娶せられた。
明政殿が養子として浅井本家を継ぐはずなのに…。
父上は、浅井を割るお積もりか?
いや、あの父上のことだ……何も考えてはおるまい。
小谷から逃げ落ちて、逃げ延びている間に和子をもうけるとは父上らしい。
でも、母のことを思うと、さすがの私も頭が痛いわ。
お腹がいっぱいになったのか?赤子は、実に満足そうな笑顔だ。
ほんに、愛らしい。
「猿夜叉よ~、おまえ、私の子ならば良かったのにね ~ 。」
鶴千代は、赤子のぷにぷにと柔らかな、瑞々しいほっぺをつつきながら話しかける。
あどけない無垢な赤子が、いつしか語りかけるように、鶴千代の目をじっと見つめている。
(まるで助けを求めているよう、そうね、このままじゃ死んじゃうかも。やっぱり放ってはおけないわ。)
「そうね、お父様に頼んで私がもらい受けましょう。」
その頃、亮政は頭を抱えていた。
よりによって、生まれ出でたこどもが……男の子とは……。
確かに、自分の血をひく男子だ、長男を早くに亡くしたため娘に養子を取っていたが…。
本来であれば、手を叩いて喜ぶべき事なのだが、いかんせん妾腹ではな…。
む~、仕方が無い、寺に預けることにするか。
親を知らずに育つとは、可哀想ではあるが…、儂も養子の身、余計な波風は勘弁じゃ。
長政では、無茶振りチートが出来ません。
お気楽な小説を書いていきたいです。
何処かで見た表現は、久政が重度の「長政?はつらいよっ!」のファンだからと言う設定です。
初っぱなの説明以外は、史実を無視して突っ走るかも。