インザゲーム
A子 「ねぇねぇ。ゲームの中に入りたいって思ったことない?」
B男 「子供の頃は考えたなぁ。ゲームの中に入ってやってみたいこといっぱいあったよ」
A子 「壁にぶつかって『でぃうでぃう』って言わせたり?」
B男 「そんなもんはどうでもいい!」
A子 「町の外に出ただけなのに『カッカッカッ』『え、階段!?』みたいな?」
B男 「古い時代のゲームだな、それは!」
A子 「モンスターを倒して、薬草を手に入れる……絶対使いたくない」
B男 「普通に考えたらね! モンスターが持ってた物を信用して服用とか怖過ぎるけどね!」
A子 「ゲームの世界って不思議なことだらけだよね」
B男 「ファンタジーだからな」
A子 「全員同じ背格好」
B男 「それはグラフィックの問題だろう!?」
A子 「いやいや。同じ鎧を使い回せるし」
B男 「確かに、ゲームの世界にはサイズって概念はないけども!」
A子 「最初の頃は、パーティー全員ペアルック」
B男 「防具の種類もそんなにないしね!」
A子 「仲良しか!?」
B男 「仲良しでもいいだろう、一緒に冒険してんだから!」
A子 「女の子がいっぱいいるパーティーあるじゃない?」
B男 「可愛らしいキャラが多いんだよな」
A子 「ギスギスしてんだろうね」
B男 「してないよ!? みんな仲良し! みんないい子!」
A子 「アイドルに幻想を抱いてる人か?!」
B男 「抱いててもいいだろう、別に!」
A子 「ちょっと席を外した途端、他の仲間が『あの子ってさぁ』」
B男 「ありそうだけども! ゲームの世界ではそういうのないんだ! みんな信頼し合ってるの!」
A子 「絶対満室にならない宿屋」
B男 「オールシーズン、予約いらないからね!」
A子 「潰れるよ?」
B男 「大丈夫なの!」
A子 「ちょっと手強いダンジョンを攻略して、命からがら町にたどり着いて、宿屋が満室」
B男 「死んじゃう! ゲームとして、それはなし!」
A子 「『一ヶ月前くらいに予約してもらわないと』」
B男 「ゲームで一ヶ月も前に予約出来るか!」
A子 「行楽シーズンは1年前には埋まっちゃいますし」
B男 「主人公たち最優先なの! 世界の平和を守ってるんだから!」
A子 「あと、全世界共通のお金っていうのもあり得ないよね」
B男 「現実ならな。でもゲームで換金とか面倒くさいだろ?」
A子 「円高とか円安とか、超影響出るの」
B男 「そんなもん気にせずに冒険続けさせろよ!」
A子 「あぁ、でも、雨降らないのはいいよね」
B男 「何か必要がない限りは、基本晴れてるからな」
A子 「基本水不足」
B男 「そこは妖精とか精霊の加護とかで綺麗な川的なものがあるんだよ!」
A子 「ご都合主義か!?」
B男 「えぇ、ゲームですからねぇ!」
A子 「主人公たちは、食事に一切お金を使わないよね」
B男 「空腹になるゲームっていうのもそんなにないんだろうな」
A子 「いいよねぇ。エンゲル係数低そうで」
B男 「エンゲル係数とかいう発想ないんだ、ゲームの世界!」
A子 「突っ込みどころ満載だけど、ゲームの世界は楽しそうだよね」
B男 「魔法とか使えるしな」
A子 「覚えてもらったカードをズバリ当てたり」
B男 「それマジックだ!」
A子 「下敷きを使って、静電気で髪の毛逆立てたり」
B男 「それはもうマジックですらねぇよ!」
A子 「魔法とかに憧れるの?」
B男 「そりゃ、風を起こしたり炎を操ったりしたいじゃん」
A子 「はい、扇風機とガスコンロ」
B男 「そういうことじゃないんだ! ゲームの世界でしか出来ないような楽しいことが色々あるんだよ!」
A子 「壁にぶつかって『でぃうでぃう』って言わせたり?」
B男 「だからそんなもんはどうでもいいんだってのに! もういいよ」




