夏を食う!
A子 「ねぇねぇ。夏を思い出す食べ物ってあるよね」
B男 「かき氷とか、いかにも夏っぽいよな」
A子 「日本人の主食だね」
B男 「嘘を吐くな!」
A子 「サバの味噌煮と、かき氷」
B男 「合わねぇよ!」
A子 「氷サバの味噌煮」
B男 「ねぇよ! そんなかき氷のフレーバー!」
A子 「私は食事の話をしているの!」
B男 「じゃあ、素麺とかどうだ?」
A子 「氷素麺」
B男 「なんでかき氷にかけた!?」
A子 「余ってたから!」
B男 「かき氷はもういいから隅に置いとけ!」
A子 「氷イカスミ」
B男 「隅って、そこじゃねぇよ! 誰がイカスミの中に入れろと言ったか!?」
A子 「アイスイカスミみたいになってるね」
B男 「飲まないよ!? アイスコーヒーみたいな感じにはならないから!」
A子 「イカスミ素麺とか美味しいかな?」
B男 「いや、素麺は普通に食おうぜ」
A子 「普通と言うと、味噌煮?」
B男 「素麺の味噌煮なんて見たことねぇよ! 普通に麺つゆで食うの!」
A子 「私は自分の口で食べたい」
B男 「違うよ!? もちろん食べるのは口だよ!? 麺つゆをつけて、口に運ぶの!」
A子 「引越し屋さんに手伝ってもらって」
B男 「自分一人で! 運ぶのそんなに大変じゃないから!」
A子 「素麺が夏っぽいっていう感じがしないんだよねぇ」
B男 「素麺なんか、思いっきり夏の食いものだろう!?」
A子 「流しそうめんってあるじゃない?」
B男 「風流だな」
A子 「我が家で盛大にやろうと、凄く大きな装置を作ったの」
B男 「自宅でか? 贅沢なことだな」
A子 「流したそうめんが、竹の上を流れていって、手元に届いたのは年の暮れ」
B男 「長過ぎるな!? どんだけ時間かかってんだよ!?」
A子 「それ以降、我が家で素麺と言えば、年の瀬の食べ物に」
B男 「お前ん家だけだから、それ!」
A子 「他の物を所望します」
B男 「じゃあ、夏野菜とかどうだ?」
A子 「夏カボチャに夏シイタケだね」
B男 「夏つけても夏野菜にはならないから!」
A子 「夏マグロ!」
B男 「それは野菜ですらねぇよ! トマトとかキュウリだよ!」
A子 「あぁ、ナスいいねぇ」
B男 「なんで言ってないヤツを選んだ!? まぁ、ナスも夏野菜だけども!」
A子 「流し夏野菜ってあるじゃない?」
B男 「ないよ!?」
A子 「我が家で盛大にやろうと、凄く大きな装置を作ったの」
B男 「嫌な予感しかしない展開だな!?」
A子 「手元に届いたのは年の暮れ」
B男 「やっぱりか!?」
A子 「使えなかった流しそうめん装置をなんとか再利用しようとした結果」
B男 「まず装置を小さくしろよ!」
A子 「超スリム化! でも長さそのまま!」
B男 「長さが問題なんだよ!」
A子 「部屋は広くなったのに!?」
B男 「もっとコンパクトに出来るよね!? すればいいのに!」
A子 「夏野菜も年の瀬の食べ物だなぁ」
B男 「『夏』野菜なのにか!?」
A子 「なんかもっとないの、思いっきり『夏っ!』っていう食べ物」
B男 「じゃあ、冷やし中華とかどうだ?」
A子 「あぁ、氷冷やし中華ね」
B男 「だからかき氷にかけんなってのに! もういいよ」




