むかぁ~しむかしばなし
A子 「ねぇねぇ。今から昔話をするから、全米を涙させてきて」
B男 「無茶言うな!」
A子 「全米が、関係ないところで、涙した!」
B男 「関係ないところじゃダメだよね!? その昔話で涙しないと!」
A子 「全米が、主に肉体的ダメージを受けて、涙した!」
B男 「実力行使に出るな!」
A子 「そういう、凄い昔話なんだけど、聞く?」
B男 「その凄さが捏造丸出しなんだけどな!」
A子 「とりあえず聞いてみて」
B男 「おう、話してみ」
A子 「『昔々(一昨日)』」
B男 「昔話じゃねぇじゃん!?」
A子 「過ぎた時間はすべて過去だよ」
B男 「過去でも、昔ってほどじゃないだろう!?」
A子 「私はこの二日間で40歳歳を取ったの!」
B男 「何があったんだよ、お前の身に!?」
A子 「どれくらい昔ならいいかな?」
B男 「それはもう、ずっと昔だよ」
A子 「『昔々(ジュラ紀)』」
B男 「昔過ぎたな!?」
A子 「『お爺さんとお婆さんがいました』」
B男 「いないよね、その時代!?」
A子 「『お爺さんは山でスノボを、お婆さんは海でウェイクボードを楽しんでいました』」
B男 「お洒落なスポーツしてんじゃねぇよ!」
A子 「スノボは、ジュラ紀からあったんだね」
B男 「ないよ!? 確実になかったから!」
A子 「もっとジュラ紀っぽい昔話にしてみようかな」
B男 「ジュラ紀っぽい昔話なんか成立するのか?」
A子 「『アンギャー!』『バキバキー』『ギャースギャース』」
B男 「成立しなかったね、やっぱり!」
A子 「もうちょっと現代でもいいかな?」
B男 「いいんじゃないかな、でないと成立しないし!」
A子 「『昔々(2025年)』」
B男 「未来じゃねぇかよ!? せめて過去にしといてくれ!」
A子 「『昔々(一昨日)』」
B男 「戻った! それ最初にやった! 江戸時代くらいがいいかな!?」
A子 「『昔々、あるところに、スノボ爺さんとスマホ婆さんがいました』」
B男 「江戸時代にはいないよ! あと、ウェイクボード飽きちゃったのかな、お婆さん!?」
A子 「普通の登場人物で構わない?」
B男 「こっちは一向に構わないよ! むしろそっちの方がいい感じ!」
A子 「じゃあ、『昔々、あるところ(シカゴ)にお爺せ~んとお婆せ~んがいました』」
B男 「なんでシカゴだ!? あとちょっと英語っぽい言い方になってるし!」
A子 「全米を泣かせようかと思って」
B男 「いいんだよ、そんなとこに配慮しなくても! ちゃんとした昔話して!」
A子 「お前は、眠れない子供か!?」
B男 「お前がやるって言い出したんだよ! ちゃんとやれ!」
A子 「『昔々、桃太郎が鬼を退治しちゃって間もない頃、お爺さんとお婆さんがいました』」
B男 「その後どうやって物語展開するの!? クライマックス終わっちゃってたけども!?」
A子 「分かった。お爺さんとお婆さんが悪い」
B男 「人のせいにすんな!」
A子 「もっとこう、物語が動き出しそうな登場人物の方がよくないかな?」
B男 「例えばどんな感じだ?」
A子 「恐竜?」
B男 「人じゃねぇ!? 登場人物って言ってるにもかかわらず!」
A子 「『アンギャー!』『バキバキー』『ギャースギャース』」
B男 「それさっき見た! 同じ過ち繰り返しまくりだな!?」
A子 「もうちょっと親近感の湧く人の方がいいよね」
B男 「まぁ、そうだな」
A子 「『昔々あるところに、私がいました』」
B男 「お前がいたのかよ!?」
A子 「『私は、全米を泣かせました。主に物理的ダメージを与えて』」
B男 「だから力づくで泣かせんなってのに! もういいよ」




