アニメの声優
A子 「ねぇねぇ。声優さんになりたい」
B男 「どうした、急に?」
A子 「最近、またアニメを見るようになってきたんだけど」
B男 「最近、面白いアニメが多いからな」
A子 「この前気付いたんだけど、アニメのキャラクターって、声優さんっていう人たちが声を当ててるんだよ!」
B男 「この前気付いたのか!? 今更!?」
A子 「えっ、知ってたの!?」
B男 「とっくの昔にな!」
A子 「私はてっきり、目の大きくて髪型の奇抜な人を集めてきてるのかと……」
B男 「三次元にはいねぇよ、あんな人々!」
A子 「どうりで、声の似てる人が多いなぁと思った」
B男 「人気のある人はいろんな作品に出てるからな」
A子 「じゃあ、もしかして、私もアニメに出られる可能性ある?」
B男 「まぁ、凄い頑張れば、もしくは」
A子 「そっかぁ」
B男 「アニメに出たいのか?」
A子 「うん。そう思って、掌から不思議なエネルギーの塊とか出せるように修行してたの」
B男 「実写じゃないからね!」
A子 「実写だと思ってたからさ、魔法とか覚えまくったよぉ」
B男 「そしてサラッと習得してんじゃねぇよ! どんだけ凄いんだお前のアニメへの執念!?」
A子 「アニメとか、出てみたくない?」
B男 「そりゃあな。子供のころは毎日のように見てたわけで、憧れもあったしな」
A子 「お前は子供か!?」
B男 「子供のころの話をしてんだよ!」
A子 「どんなアニメ見てた? 不倫?」
B男 「そんなアニメねぇだろ!? ターゲットが違いすぎる! もっと子供向けのアニメだよ」
A子 「歯の磨き方」
B男 「子供向け過ぎるな!? なにかの教材にありそうだ!」
A子 「消防訓練のビデオとか、交通安全のビデオとか、アニメだったよね」
B男 「小学生に見せるヤツはアニメで作ってたりしたよな」
A子 「を、毎日のように?」
B男 「俺はどんだけ防災意識が高いんだ!? 普通にテレビでやってるようなアニメだよ!」
A子 「放送禁止用語の嵐!」
B男 「テレビで出来ないよね!? もっと普通の! 格闘マンガとか、スポーツ漫画とか!」
A子 「つまり、野球の乱闘シーンばっかりのアニメ?」
B男 「混ぜるな! 格闘は格闘、スポーツはスポーツ!」
A子 「カエルの子はカエル!」
B男 「いいよ、合わせなくて! なんとなく言ってみたくとかならないで!」
A子 「最近のアニメと昔のアニメだと、ちょっと傾向が違うよね」
B男 「昔のはやたら必殺技とか叫んでたしな」
A子 「『必殺、確定申告!』」
B男 「堅っ苦しい、堅っ苦しい! 子供、絶対見ないから!」
A子 「あと、ロボットものが多かった気がする」
B男 「そうだな。変形合体ロボは絶対あったよな」
A子 「『司法、行政、立法! 三体合体、三権分立ロボ!』」
B男 「だから堅い! そして折角分立した物を合体させるな!」
A子 「最近の傾向でいえば、タイトルが長いよね」
B男 「流行りなんだろうな」
A子 「『俺の年末調整が青色申告に圧倒されている!』」
B男 「だから堅いんだって! なんだ、法律とかに興味出てきたのか!?」
A子 「税理士を目指して勉強してたら、ふと声優になりたくなっちゃって」
B男 「何があったんだろうな、勉強中に!?」
A子 「どうやったら声優になれるかな?」
B男 「やっぱ、事務所のオーディション受けたりじゃないか?」
A子 「あぁ、神社にあるやつか」
B男 「それ、社務所だな!?」
A子 「社務所のオーディションに受かったら巫女さんになっちゃったんだけど?」
B男 「物凄い違うところにたどり着いちゃったな!?」
A子 「でもまぁ、巫女さんも人気あるから、頑張ればアニメに出られるかも!」
B男 「関係ないし、絶対出られないよ、巫女さんで頑張っても!?」
A子 「でも私、巫女さんな上に、手から不思議なエネルギーの塊出せるよ?」
B男 「だから実写じゃないから、アニメ! もういいよ」