捨てられて~
A子 「ねぇねぇ。捨て猫を拾ったんだけど」
B男 「捨て猫か。酷い飼い主もいたもんだな」
A子 「とりあえず、拾った子猫で走り出してみるね」
B男 「それは盗んだバイクでやってくれるかな!? いや、盗んだバイクで走り出すのもダメだけどね!」
A子 「どこか具合が悪そうなんだよね」
B男 「何か異変でもあるのか?」
A子 「ずっと『みゃーみゃー』言ってる」
B男 「子猫ってそんなもん!」
A子 「たまに『うみゃーうみゃー』言うけど」
B男 「あれ、名古屋出身!?」
A子 「もっと稀に『エビフリャー』って」
B男 「言わないよね!? 今話盛ったよね!?」
A子 「『シャチホコンジャー』」
B男 「なんか、ご当地戦隊ものみたいになってるよ!」
A子 「よし、あなたの名前は『しゃちほこ』よ」
B男 「子猫にそんな名前付けるのか? なにひとつしゃちほこと関連性ないのに」
A子 「いやいや。『あなたの』名前がしゃちほこ」
B男 「俺かよ!?」
A子 「ところでしゃちほこ~」
B男 「違うから! 俺の名前しゃちほこじゃないから!」
A子 「じゃあ、何ほこ?」
B男 「『ほこ』付かねぇよ!」
A子 「『ほこ』の付いてる人なんていっぱいいるよ?」
B男 「いないよね!?」
A子 「『よしほこ』」
B男 「よしひこじゃないかな、その人!?」
A子 「『かずほこ』」
B男 「だから、かずひこだろ!?」
A子 「『ただしほこ』」
B男 「『ほこ』付いてるのおかしいよね、その名前!?」
A子 「じゃあ、子猫の名前は『ただしほこ』にしよう」
B男 「やめてやれ! まず言いにくい!」
A子 「捨て猫を拾ったら、まずどうするべきかな?」
B男 「本当は、すぐにでも獣医に見てもらって、病気や怪我をしてないか判断してもらうのがいいんだけどな」
A子 「よかった、獣医の免許持っといて」
B男 「持ってんの!?」
A子 「中学の選択科目で取得した」
B男 「お前の中学すげぇな!? そんな専門的なこと教えてるのか!?」
A子 「選択科目は美術だったんだけどね」
B男 「それでなんで獣医の免許が取得出来るんだよ!」
A子 「なんやかんやあったのよ」
B男 「物凄い気になるわ、そのなんやかんや!?」
A子 「とりあえず、診察してみたけど、問題なさそうね」
B男 「それはよかったな」
A子 「痛いところないか聞いても『みゃー』しか言わないし、たぶんないんだろうと判断した」
B男 「猫に問診して、『ちょっとお腹が……』とか言うわけないだろう!?」
A子 「これだから脊椎動物は……」
B男 「人間もだよー! 人間もメッチャ脊椎動物の仲間!」
A子 「なんか、おなかすいてるみたい」
B男 「よく分かるな」
A子 「『あ~、小腹すいたなぁ』って言ってたから」
B男 「言ってたの!? 猫だよね!? 言わないよね、普通!?」
A子 「しつけた」
B男 「もうしつけ始まってんのか!? で、凄いな、お前のしつけ!?」
A子 「何を食べさせればいいかな?」
B男 「牛乳でいいんじゃないか?」
A子 「残念。乳牛しか用意出来ない」
B男 「むしろ何で乳牛が用意出来るんだ!?」
A子 「選択科目で……」
B男 「絶対関係ないよね!?」
A子 「お腹が膨れたら、毛の艶がよくなってきたよ」
B男 「そんなすぐに!?」
A子 「これで、いつでも拾った子猫で走り出せるね!」
B男 「だから走り出すなってのに! もういいよ」




