おそろ
A子 「ねぇねぇ。アベックでお揃いの物とか持ったことある?」
B男 「ごめん、その前にアベックになった記憶がない!」
A子 「あぁ……そうかぁ……気の毒なことを言ってしまったなぁ」
B男 「違うよ!? 彼女がずっといなかったわけじゃなくて! アベックって表現はどうかなってこと!」
A子 「アベック以外になんていうの?」
B男 「カップルとか恋人とか」
A子 「アップルがごんぶと? なんじゃそりゃ」
B男 「お前が、なんじゃそりゃだよ! カップルとか恋人!」
A子 「じゃあカップルでお揃いの物とか持ったことある?」
B男 「俺は特にないなぁ」
A子 「まぁ、どんなに似たものを用意しても、向こうは二次元だからねぇ」
B男 「俺の恋人、二次元限定か!?」
A子 「恋人同士に大切なのは思い合ってる心だよ!」
B男 「正論っぽいけど、次元の違いは結構重要だと思うぞ!」
A子 「男の人的に、彼女はスリムな方がいいんでしょ?」
B男 「スリムと薄っぺらいのは別物だからね、念のため!」
A子 「メッチャ軽いよ」
B男 「重さが存在するのかどうかも疑問だけどな!」
A子 「16キロバイトくらい」
B男 「軽いね! 単位が思ってたのと違ったけども!」
A子 「これが6テラくらいあると、重い女だなぁとか思われるんでしょ?」
B男 「確かに重いけどね!? どこにそんな容量食ってんだとは思うかな!?」
A子 「大変だね、二次元の彼女を持つと」
B男 「持ってないから!」
A子 「二次元ですらも!?」
B男 「ちゃんと三次元の恋人の話してくれるかな!?」
A子 「フィギュア、とかいわれてるやつ?」
B男 「違う! 人で!」
A子 「ヒトデかぁ」
B男 「ヒトデじゃない! 人! ホモサピエンス!」
A子 「アウストラロピテクス?」
B男 「アフリカで生まれた初期の人類じゃん!?」
A子 「で、何をお揃いで持ってたの? 石器?」
B男 「石器すらない時代の人類だよ、アウストラロピテクス!」
A子 「どこで知り合ったの?」
B男 「知り合ってないし、付き合ってない!」
A子 「アウストラロピテクスにすらも!?」
B男 「振られてもない!」
A子 「あなたにはちょっと理解しがたい話かもしれないけれど、人間同士でカップルになる人がいるのね」
B男 「理解出来るわ! むしろそれ以外が理解出来ないかな!?」
A子 「で、お揃いの物とかを持つんだって」
B男 「指輪とかケータイとか、お揃いにする人はいるみたいだな」
A子 「いやいや、指輪やケータイは二人でひとつでしょう」
B男 「使いにくいわ!」
A子 「『ちょっと! 指痛いからもっと詰めて!』」
B男 「なんで指輪を一緒に嵌めようとしてんだよ! 無理だよ! お揃いくらいにとどめといて!」
A子 「お揃いの服を着ているカップルもいるよね」
B男 「ペアルックってヤツだな」
A子 「『がおー!』」
B男 「ベアじゃねぇよ! ペア! 見たことある、二人でクマの格好してそこら辺の人に襲いかかってるカップル!?」
A子 「原宿でなら」
B男 「いねぇよ! ペアルック! お揃いの服を着るの!」
A子 「キャミソールにミニスカート」
B男 「男の方がつらい!」
A子 「むしろノリノリだったけど?」
B男 「とりあえず通報しとこうかな!?」
A子 「そうやって二人の仲を引き裂こうとして……これだからモテない男のヒガミは……」
B男 「ひがんでるか!」
A子 「二次元のアウストラロピテクスに振られたからって……」
B男 「相当低いハードルにつまずいちゃってるね、俺!? ちゃんとお付き合いした人とかいるから!」
A子 「アベックになったことがあると?」
B男 「だからアベックにはなったつもりはねぇってのに! もういいよ」




