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笑いは世界を救う  作者: たくえりすきぃむ


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八百屋さんが熱い

A子 「ねぇねぇ。八百屋さんが今熱いらしいよ!」

B男 「聞いたことねぇな、そんな情報」

A子 「小学生の『将来なりたい職業ランキング』堂々の1位!」

B男 「野球選手、サッカー選手を抜いて!?」

A子 「第2位はアザラシ!」

B男 「どこで聞いてきた!?」

A子 「3位は女子アナ」

B男 「急にリアル!」

A子 「4位は証券マン」

B男 「渋っ!」

A子 「そして5位がもう一回アザラシ」

B男 「なんで分けた!? じゃあトータルでアザラシが1位じゃねぇか!」

A子 「そこは、八百屋の権力で……」

B男 「そんなに力あったっけ、八百屋って!?」

A子 「子供たちの憧れ、八百屋さん」

B男 「憧れるような職業かな?」

A子 「カッコイイじゃない。『奥さん美人だからオマケしちゃうよ』とか」

B男 「アレがいいんだ!?」

A子 「『奥さん偉人だからオマケしちゃうよ』」

B男 「誰だ!? どんな偉い人がやって来たんだ!?」

A子 「『奥さんイソジンだからオマケしちゃうよ』」

B男 「うがい薬!?」

A子 「八百屋さんにはいろんな人がやってくるのね」

B男 「人じゃないのも混ざってるけど!?」

A子 「八百屋さんってさ、スーパーと違って融通が利くじゃない」

B男 「たしかに、半分にしてくれたり、新鮮なヤツ教えてくれたりするよな」

A子 「美人な奥さんにはオマケしたり、そうでもない奥さんからはぼったくったり」

B男 「ヤメロ! せめて定価で売れ!」

A子 「夕飯の相談に乗ってくれたりするんだよ」

B男 「あ、『今の季節は大根がうまいから煮物にしたらどうだ』とかね」

A子 「子供の進路の相談にも乗ってくれるし」

B男 「乗ってくれないだろう! そこまで責任負えねぇよ!」

A子 「『今の季節は大根がうまいから、将来は公務員になったらどうだ』とかね」

B男 「大根関係ねぇ!」

A子 「何か問題が起これば、みんな八百屋さんに駆け込むし」

B男 「どんだけ頼りにされてんだよ!?」

A子 「毎日毎日長蛇の列」

B男 「そんな八百屋見たことないけどな」

A子 「『最近おなかの調子がよくなくて……』『そんなときは大根を食べな』」

B男 「あ、そういう質問ならね。体にいいヤツ教えてくれるのはありがたいな」

A子 「『受験勉強がはかどらなくて……』『そんなときはブリを食べな』」

B男 「野菜勧めろよ!」

A子 「いや、DHAが豊富だからさ、ブリ」

B男 「そりゃそうだけど! 八百屋だったら野菜で何とかしてくれ」

A子 「『ウチの子供が野菜嫌いで全然食べないんです』」

B男 「子供は好き嫌い多いからね」

A子 「『そんな子供はこの町から追い出してしまえ!』」

B男 「仕打ちが酷い! そこまでする必要ないだろう!?」

A子 「野菜を食べない子供は、税金3倍にするよ!」

B男 「どんな権力持ってんだよ、八百屋は!?」

A子 「野菜が食べられないと、将来立派な八百屋さんにはなれないのよ!」

B男 「野菜嫌いの子は八百屋にならないんじゃないか?」

A子 「八百屋は義務教育!」

B男 「違ぇよ! なんでみんな一回八百屋を経由して巣立っていくんだよ!?」

A子 「八百屋を笑う者は八百屋に泣くのよ!」

B男 「八百屋に泣くってどういう状況だよ!? どこまで八百屋を必要としてんだ!?」

A子 「そこまで八百屋を否定するということは、さてはアザラシの回し者ね!?」

B男 「違うわい! アザラシとはなんの面識もねぇよ!」

A子 「将来なりたい職業ランキング1位の座は渡さない!」

B男 「八百屋とアザラシのトップ争いなんか聞いたことねぇっての! 将来の夢っていや、だいたい野球選手かサッカー選手だろう!?」

A子 「まぁ、そこらへんは八百屋の権力で」

B男 「だから何者なんだって!? もういいよ」


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