バイトとらぶる
A子 「ねぇねぇ。バイト中に困ったトラブルに巻き込まれたとして、ちゃんと対応出来る自信ある?」
B男 「困ったトラブルって、例えばなんだよ?」
A子 「コンビニでバイトしてる時に、店内で時限爆弾が見つかる」
B男 「物凄いトラブルだな!? 対応の仕様がないじゃん!?」
A子 「とりあえず、警察に電話したら『そっちで何とかしといて』って言われ」
B男 「おい、警察! 何とか出来る状況かどうか考えろ!」
A子 「仕方ないなってことで爆弾を解体して」
B男 「しちゃったの!?」
A子 「そしたら、地方のケーブルテレビとかが『お手柄、コンビニ店員』とかいう取材に来ちゃって」
B男 「地元密着のテレビ局ならそういうのは取り扱うだろうな」
A子 「『テレビとか、困っちゃう~』みたいな時、ちゃんと対応出来る?」
B男 「テレビの前の物凄い困った状況サラッと解決したのに、そんなとこで戸惑うの!?」
A子 「だってほら、テレビって少し太って見えるっていうじゃない?」
B男 「どうでもいいわ、そんなこと!」
A子 「そのケーブルテレビの情報番組には、私の大好きなナイアガラ吉谷が出てるの!」
B男 「誰だよ!?」
A子 「いつも額から大量の汗を吹き出した爽やかコメンテーターよ」
B男 「大量の汗と爽やかが結びつかないんだが!?」
A子 「さながら、ナイアガラの滝のように!」
B男 「大丈夫か、その人!? 体のどっか壊れちゃってんじゃないの、その発汗量!?」
A子 「うまく話せるか自信ない」
B男 「爆弾を解体した時の度胸はどうした!?」
A子 「爆弾の解体なんか、マネキュア塗りながらでも出来るわ!」
B男 「マネキュア塗ってる時って指ピーンとしてんじゃないの!?」
A子 「脚も塗ってるから移動は膝立ちで!」
B男 「ほとんど身動き取れない状況じゃん!?」
A子 「そんな状態でも余裕で出来るよ」
B男 「出来るか!」
A子 「出来るんだって。コンビニでバイトすると全員教えられるから」
B男 「全員出来るの、コンビニ店員!?」
A子 「もちろん。爆弾の解体が出来るようになったら、商品の発注を教えてもらえるの」
B男 「発注より先なの!?」
A子 「当たり前でしょ!? 商品の発注はその店の売り上げを左右する重要な仕事なの! 時間帯責任者でなきゃ出来ない専門的な仕事なの!」
B男 「爆弾の解体はもっと専門的な人しかやっちゃいけないはずなんだけどな!?」
A子 「朝方、コンビニ行って、トレーの中の商品見ながら機械をピコピコいじってる人は、まぁだいたい出来るよね、解体」
B男 「マジでか!? コンビニ店員の見方が変わりそうだ」
A子 「そんなことよりナイアガラよ!」
B男 「そういやいたね、そんな人!?」
A子 「どうしよう!? スタジオから声とかかけられたりしたら!?」
B男 「普通に受け答えすればいいんじゃねぇの!?」
A子 「それが出来たら警察いらないわ!」
B男 「いるよね!? ナイアガラ吉谷と会話が出来ようが出来まいが、警察は物凄い必要だよね!」
A子 「ちょっと練習したいから、ナイアガラ吉谷のモノマネやって」
B男 「出来るか! 見たこともねぇわ、そいつ!」
A子 「うわ、そっくり!」
B男 「マジでか!? ちょっと複雑な気持ちだわ!」
A子 「あれ、もしかして……ナイアガラさん?」
B男 「違うよ! よく見て! 全然汗かいてないから!」
A子 「とりあえず、何かインタビューしてみて」
B男 「えっと、じゃあ……爆弾を解体する時って、緊張しましたか?」
A子 「は? なに言ってんのお前?」
B男 「ちゃんと受け答えて! 質問の意味分かるよね!?」
A子 「あぁ、まぁ。実家でゴロゴロしてる時のような緊張感はありました」
B男 「完全にリラックスモードじゃねぇか!」
A子 「日常茶飯事なもので」
B男 「じゃあ、どんな時に緊張するんだよ?」
A子 「商品の発注をやってみろって言われた時かな」
B男 「だから順序おかしいだろって! もういいよ」




