有名なお話
A子 「ねぇねぇ。桃太郎ってお話を聞いたんだけど!」
B男 「今さら!? え、初耳!?」
A子 「あれ、メモ太郎だったっけな?」
B男 「桃太郎だと思うよ! 忘れないようにメモを取るような子の話じゃないから!」
A子 「あのね、ちょっと忘れちゃったんだけど、なんかの果物に入ってるの!」
B男 「タイトル思い出して!」
A子 「桃太郎」
B男 「そうそれだよ!」
A子 「あ、マンゴーか!」
B男 「なんで南国に行っちゃったの!?」
A子 「そうそう、スモモに入っててさ」
B男 「桃ね! コンパクトな方じゃないから!」
A子 「それが確か、時速700キロで川を下っていって」
B男 「大事故起きちゃう!」
A子 「で、その後お婆さんがのんびりやってくる」
B男 「お婆さん来る前に桃流れていっちゃったの!?」
A子 「で、洗濯して、帰ってご飯食べて、今日も1日平和でしたねぇ~って」
B男 「桃太郎と絡んであげて! 主役だから!」
A子 「どこに絡む余地がある? 生きるのに必死な時代なのに」
B男 「そんなリアルな情報はいいんだよ! お爺さんとお婆さんが桃太郎と出会う話なの!」
A子 「ちょっと最初に戻ってみようか?」
B男 「そうだな。順を追っていけばおのずと出会うだろう」
A子 「曲がり角でドーン! その後『あ、その方はあの時の!?』」
B男 「誰がお爺さんとお婆さんの出会いから始めろと言ったか!? で、ベタな出会い方したんだな、お爺さんお婆さん!?」
A子 「で、長く一緒にいるうちに、なんとなくギスギスしちゃって」
B男 「しないで!」
A子 「昔々。あるところに、ギスギスしたお爺さんとお婆さんがいました」
B男 「仲のいいお爺さんお婆さんだから!」
A子 「二人仲良くギスギスしてるよ?」
B男 「二人揃ってそんな状況じゃあ、修復不可能じゃん!」
A子 「で、言葉を交わすことなくお爺さんは芝刈りへ」
B男 「行ってきますくらい言えよ!」
A子 「お婆さん、小さくガッツポーズ」
B男 「仲良くして!」
A子 「で、お婆さんが川に行くと、穏やかな川の下の方でなにやら騒ぎが」
B男 「桃かな!? 桃が川下で事故っちゃったのかな!?」
A子 「その時、桃の第2波が!」
B男 「第2波ってなんだ!? 攻撃か!?」
A子 「お婆さんに向かって一直線に!」
B男 「危ない! お婆さんにぶつかる!」
A子 「……残像だ」
B男 「スゲェな、お婆さん!?」
A子 「で、その後ビュンビュン飛んでくる桃をかわしつつ洗濯をする」
B男 「その川閉鎖した方がいいかもな! なんか桃関連の何かに狙われてるみたいだし!」
A子 「そんな中、どの桃からかは分からないけど、桃太郎が」
B男 「知らない間に!?」
A子 「地面に落ちてた」
B男 「扱いが雑だな!?」
A子 「仕方ないので連れて帰って、お爺さんに報告」
B男 「お婆さんの仕方なし感がなんだかヒシヒシ伝わってくるんだけど!?」
A子 「するとお爺さんは大層喜びました」
B男 「子供が好きなんだな」
A子 「いや、育児関連で税金が免除されるから」
B男 「そんなことで喜ぶなよ! ちゃんと大切に育ててあげてね!」
A子 「お爺さんお婆さんの愛情を一身に受けて大きくなった桃太郎」
B男 「ちゃんと育ったみたいでよかったよ」
A子 「お爺さんお婆さんにそっくりな、ギスギスした大人に」
B男 「教育方針間違えちゃったね!」
A子 「でも、親孝行ないい息子に育ったんだよ? 鬼退治にこそ行かないものの」
B男 「行かないのかよ、鬼退治!?」
A子 「その代わり言われたことは全部メモに取る几帳面な大人になりましたとさ」
B男 「それ完全にメモ太郎じゃん!? もういいよ」




