ウサギの後を追いかける
A子 「ねぇねぇ。この前、ウサギを追いかけていたら不思議な国へ迷いこんじゃって」
B男 「お前はアリスか!?」
A子 「『ふははは! よくぞ見破った!』」
B男 「アリスはそんなキャラじゃない!」
A子 「『しかし私はアリス四天王の中でも最弱の存在!』」
B男 「いないからね、アリスに四天王とか!」
A子 「で、まぁ、折角不思議な国に来たんだし楽しまなきゃと思って」
B男 「まぁ、そうだな」
A子 「お菓子の家に行ってきた」
B男 「それは違うお話だな!?」
A子 「で、最終的に大きい方のつづらをもらって帰ってきたよ」
B男 「舌きりスズメになってんじゃん!? しかも、なんで大き方もらってきちゃったの!?」
A子 「大きい方は家電の福袋だって言うから」
B男 「福袋かよ!?」
A子 「小さい方はアクセサリー系だったんだけど、アクセサリーは好きなのつけたいし」
B男 「なんか、消費者のニーズに随分寄せてきたなぁ!?」
A子 「あ、見て。冷蔵庫とドラム式洗濯機が入ってたよ」
B男 「お前、よく持って帰ってこられたな!?」
A子 「私、小指の筋肉にはちょっと自信あるんだ」
B男 「小指で持って帰ってきたのかよ!?」
A子 「だって、他の指全部突き指してるんだもん!?」
B男 「何があった!? どうしたらそんな悲惨な状況になるんだ!?」
A子 「ボウリングをキャッチする練習してたら、こんなことに」
B男 「キャッチしなくていいもんだからね、ボウリング!?」
A子 「無事だったのは右手小指のみ」
B男 「強靭な小指だな!?」
A子 「まぁ、小指の筋肉にだけは自信がありますから」
B男 「何きっかけで自信を持つようになったのかは知らないけど、『スゲェ!』ってなりにくい自慢だよな!?」
A子 「小指があれば大抵のことはこなせるしね」
B男 「なんにも出来ないだろう、小指一本じゃ?」
A子 「色々出来るよ。ギターも弾けるし」
B男 「あれは両手使えなきゃ無理だろう!?」
A子 「それから、ブレーキが利かなくなった車も止められる」
B男 「それ全部の指が使えても無理!」
A子 「あと、飛んでるジャンボジェットも落とせる」
B男 「どうやってだ!?」
A子 「小指を曲げて、一気に伸ばすとそこから衝撃波が」
B男 「お前は化け物か!?」
A子 「小学生の頃やらなかった? 授業中、前の席の子に衝撃波バシバシぶつけるの」
B男 「やんなかったし、やめてやれ!」
A子 「『センセー! 中村君が衝撃波ぶつけてきまーす!』」
B男 「ほら、先生にチクられた!」
A子 「『それから、田中君と梅沢さんと吉永君もぶつけてきまーす!』」
B男 「衝撃波使いこなせるヤツ多いな!?」
A子 「で、怒った先生が遊んでた子供に衝撃波をぶつけて、授業再開」
B男 「先生も使えるのか!?」
A子 「先生は全ての小指で一斉に衝撃波を撃てるんだよ」
B男 「足でもか!?」
A子 「その気になったら、耳でも!」
B男 「耳は動かすだけでも大変なのに!?」
A子 「そんな、ありふれた小学校」
B男 「ありふれてないから! 物凄く異常だから!」
A子 「そんな環境で育つと、小指の5つや6つ、鍛えられちゃうもんなのよ」
B男 「5つも6つもないけどね、小指!」
A子 「頑張れば増える」
B男 「増えねぇよ、絶対!」
A子 「ネガティブか!?」
B男 「どっちかって言うとポジティブかな!? そんなことあり得ないと確信を持って言えるし!」
A子 「まぁ、そんな平凡な毎日を生きてきた私ですが」
B男 「非凡の中で育つとそれを平凡だと思い込むのか。恐ろしいことだな」
A子 「この前、ウサギを追いかけていたら不思議な国へ迷いこんじゃいました」
B男 「お前の学校の方が十分不思議だわ! もういいよ」




