本屋の悩み
A子 「ねぇねぇ。本屋さんになって立ち読みのお客に悩みたい」
B男 「悩みたいのか!?」
A子 「どーすればいいーんだろー?」
B男 「紐で縛っちゃえばいいんじゃないのか?」
A子 「お客さんを!?」
B男 「本をだよ!」
A子 「ビックリした、何を言い出すのかと思ったよ」
B男 「こっちのセリフだ!」
A子 「じゃあ、なるべく頑丈なヒモを用意しとくね」
B男 「そんな頑丈じゃなくていいんだけどね」
A子 「メッチャ怪力の人がやってきてヒモを片っ端から引き千切っていったらどうするのよ!?」
B男 「そしたら買い取ってもらうか営業妨害で警察に突き出せばいいんだよ!」
A子 「ラッキーなことに、綱引き協会の人が快く協力してくれたよ」
B男 「デカイ紐選んできたな!? 縄じゃん!」
A子 「綱!」
B男 「更に太いよな!? 縄よりも!」
A子 「コレで引き千切れない」
B男 「まぁね!」
A子 「でも、嵩張って何冊も本が置けない!」
B男 「意味ないよね!?」
A子 「しかもバーコードが読めない!」
B男 「かなり太いもんね!」
A子 「袋に入らない!」
B男 「本屋は紙袋だったりするからなぁ、尚更大変だろう!?」
A子 「ま、いっか」
B男 「よくないよね!? 何もかもがおかしいよね、本屋として!」
A子 「じゃあ違う対策を立てるか」
B男 「綱をやめればそれで済む話なんだけどね」
A子 「綱をやめるくらいなら本屋をやめる!」
B男 「そこまで綱にこだわるか!?」
A子 「いっそ人間やめる!」
B男 「やめるな! じゃあいいよ、他の対策考えよう!」
A子 「一応私なりに考えた対策案があるんだけど」
B男 「どんなのだ?」
A子 「ソファを置く」
B男 「みんな寛いじゃうよね!?」
A子 「でも立ち読みは激減!」
B男 「立ってなきゃいいのか!?」
A子 「そういうもんでしょ!?」
B男 「そういうもんではねぇよ!」
A子 「分かった。床をグラグラにしておこう!」
B男 「じゃあ本棚も立ってらんないよね!?」
A子 「そこに立つと電気が流れるとか?」
B男 「もはやお客を迎える姿勢すらなくなったな!?」
A子 「分かった、本を置かない!」
B男 「じゃあ何屋だ、ここは!?」
A子 「寝転ばないと入れないくらいの天井の低さ」
B男 「多分みんな気付かずに通り過ぎるな」
A子 「入り口でウィルスを吹きつけて、とても立っていられない状態に」
B男 「やめんか! なんの細菌兵器だ!?」
A子 「どうやっても立ち読みはなくならないのか!?」
B男 「もっと普通に考えろよ」
A子 「ソファを置く?」
B男 「そこに戻っちゃうのか、それが普通に考えた結果か!?」
A子 「だって、この近所には手強いお客がいるんだもん」
B男 「なんだ、手強い客って?」
A子 「立ち読みのプロ」
B男 「そんなプロがいるのか!? もっとまともに生きればいいのにそいつも!」
A子 「人呼んで、あぐらの吉田!」
B男 「立ってないよね!?」
A子 「店員の目の前でも平気で立ち読みをするというつわもの!」
B男 「ならもう出入り禁止にしちゃえばいいのに」
A子 「お客様は神様です!」
B男 「細菌兵器まで持ち出そうとしたヤツがよく言うな!?」
A子 「どうすれば立ち読みってなくなるのかなぁ?」
B男 「だから、紐で縛っちゃえば読めなくなるって」
A子 「それなら調度いい綱があまってるな」
B男 「だから綱では縛るなって! もういいよ」




