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笑いは世界を救う  作者: たくえりすきぃむ


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オーディションを開催

A子 「ねぇねぇ。オーディションを開催するから受けに来てよ」

B男 「何のオーディションだよ?」

A子 「大女優」

B男 「じゃあオレ無理じゃん!? カテゴリーエラーもいいとこだよ!」

A子 「やる前から無理とか言うな!」

B男 「いや、無理だから!」

A子 「それでも女優か!?」

B男 「違うって!」

A子 「じゃあ、大女優か!?」

B男 「女じゃないから女優にはなれないの!」

A子 「女じゃない女優なんて五万といるよ?」

B男 「いねぇよ、一人も!」

A子 「女優になれない人生なんて、酢豚の入ってないパイナップルよ!」

B男 「本来入ってねぇだろ!? 酢豚にパイナップルが入ってるの!」

A子 「え~、おかずにパイナップルゥ?」

B男 「パイナップルに酢豚入ってる方が引くわい! 包丁で切ったら酢豚が出てくるのか!?」

A子 「缶詰開けたら酢豚がギッシリ」

B男 「じゃあそれ酢豚の缶詰じゃん!?」

A子 「そんな存在よ、あなたなんか!」

B男 「えらい言われようだな!? しかしなぜか全然悔しくもない!」

A子 「ところで酢豚ぁ」

B男 「誰が酢豚か!?」

A子 「酢豚インゼリー」

B男 「何入れてんだよ!?」

A子 「女優になれない人がお芝居したかったら何になればいいの?」

B男 「俳優だろ?」

A子 「じゃあ俳優のオーディションでいいや。受けてみて」

B男 「オレお芝居なんか出来ないぞ」

A子 「出来なくても平気だよ。みんなで指差して笑うだけだから」

B男 「全然平気じゃない!」

A子 「あいつ大根だねぇ~」

B男 「やかましいわ! 大根で悪いか!?」

A子 「ううん。今晩はぶり大根にしようとしてたから調度いい」

B男 「食うなよ!」

A子 「パイナップルも入れるから」

B男 「入れるなよ! 台無しだ!」

A子 「じゃあ、酢豚を入れる」

B男 「それはぶり大根なのか酢豚なのかどっちだ!?」

A子 「じゃあ大根役者なりに精一杯頑張ってね」

B男 「分かったよ。一応受けてやるよ」

A子 「じゃあ、パイナップルを切ったら中から酢豚が出てきたシーン演じてみて」

B男 「想像出来ないんだ、それ! まったくもってリアリティがない!」

A子 「ぶり大根でもいいけど?」

B男 「最近はパイナップルの中におかずを入れるのが流行ってるのか!?」

A子 「え、マジで!?」

B男 「知らねぇよ!」

A子 「なんだよ、嘘かよ!」

B男 「こっちが質問してんだよ!」

A子 「あぁうん、流行ってる流行ってる」

B男 「絶対嘘じゃねぇか!」

A子 「嘘を吐くのが役者の仕事でしょ!」

B男 「まぁ、確かに設定通りに演じて見てる人を信じ込ませるって意味ではそうかもな」

A子 「私17歳」

B男 「くだらねぇ嘘は吐くな!」

A子 「本当は19歳」

B男 「往生際が悪いわ!」

A子 「じゃあ次のシーンね。あなたには生き別れになった父親がいます」

B男 「おぉ、重い設定だな」

A子 「毎週行ってるスイミングの帰り」

B男 「俺、いくつの設定!?」

A子 「42」

B男 「行くなよ、スイミング!」

A子 「家の中がパイナップルだらけになってる時の演技してみて」

B男 「生き別れの父親出てこないのかよ!?」

A子 「実はそのパイナップルが父親!」

B男 「想像出来るか、そんな突飛な設定!」

A子 「そんなことじゃ大女優になれないぞ!」

B男 「だから最初っからなれないつってんだろう! もいいよ」


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