プロポーズ入門
A子 「ねぇねぇ。娘さんをください!」
B男 「俺娘いねぇし、お前娘いらねぇだろ!?」
A子 「プロポーズでさ、お決まりのパターンってあるよね」
B男 「実際は言わないかもしれないけど、お決まりの言葉ってあるよな」
A子 「『毎朝味噌汁を作ってくれないか?』」
B男 「ありがちなプロポーズの言葉だな」
A子 「『本当は朝はパンがいい派なんだけどもね』」
B男 「余計な一言入れんじゃねぇよ! 言わなくていいよ、そこは!」
A子 「朝からご飯食べるとおなか重くなって調子出ないの!」
B男 「じゃあ洋食に合うものでも作ってもらえば!?」
A子 「『ミソスープ』」
B男 「横文字にしただけじゃん!?」
A子 「そこは譲れない!」
B男 「じゃあ、多少合わなくてもガマンしてパンと味噌汁一緒に食えよ!」
A子 「しょうがないなぁ。まったく、なんでこんなことに……」
B男 「何もかもがお前のせいだからね!」
A子 「プロポーズもだけどさ、父親への挨拶もパターン化してるよね」
B男 「まぁ、無難なこと言っとけば問題ないだろうしな」
A子 「『父さんチョリ~ッス!』」
B男 「まずいな! 絶対言っちゃいけないパターンだよなそれは!」
A子 「あ、『パパさんチョリ~ッス!』」
B男 「呼び方じゃない! あとパパさんの方が尚悪い!」
A子 「『お母さん、チョリ~ッス!』」
B男 「お父さん諦めるのやめようか!? ちゃんとお父さんに挨拶して!」
A子 「『初めまして。天高く馬肥ゆる秋と書いて山田太郎です』」
B男 「漢字と読みが偉い違うな!? それでいいのかお前の名前!?」
A子 「『娘さんを僕にください!』」
B男 「おいおい、いきなり本題かよ!?」
A子 「『か、もしくは貸してください!』」
B男 「返す気かよ!?」
A子 「『もしかしたら』」
B男 「返す予定なしでいてくれる!? 添い遂げる覚悟でさ!」
A子 「『結婚を前提に結婚させてください!』」
B男 「前提の立場は!? 結婚してなんで更に結婚目指してんだよ!? お前のゴールはどこだ!?」
A子 「大体こんな感じでOKだよね?」
B男 「娘を持つお父さんは将来のこととか心配するから、自分の職業とか説明しといた方がいいんだぞ」
A子 「『仕事はしてません!』」
B男 「しようか!」
A子 「『やる気が起きません!』」
B男 「それでも何かするの!」
A子 「『朝、新聞を持ってくる係りです!』」
B男 「小学生か!? 「係り」ってなんだ!? ちゃんとした仕事してるの!」
A子 「『都内にあるIT関連の会社で八百屋をやらせてもらってます』」
B男 「邪魔だろう、社内で商売とかしちゃ!? 自分の家でやれよ!」
A子 「『いや、ウチ1Kなんで』」
B男 「本当に家の中でやれとは言ってねぇよ! 自分で店を買うなり借りるなりするんだよ!」
A子 「『お父さん、お店を僕にください!』」
B男 「それお父さんに言ってもどうしようにもない! そこは自分で頑張って!」
A子 「『お父さんはどんなプロポーズされたんですか?』」
B男 「あ、そういう質問して仲良くなるのはいいかもな」
A子 「『毎日味噌汁を作ってくれないか』」
B男 「おぉ、古風だねぇ」
A子 「で、『これは本物の味噌汁じゃない!』」
B男 「美食家か!?」
A子 「『そしてお前は本当の娘じゃない!』」
B男 「そんなカミングアウト、こんな簡単な感じでやっちゃっていいのかな!?」
A子 「『なんなら娘ですらない!』」
B男 「え、男!?」
A子 「『ちなみに私はお父さんではない!』」
B男 「じゃあ誰なんだお前は、さっきから偉そうに!?」
A子 「っていうのがさ、お決まりのパターンだよね」
B男 「だから全然違うから! もういいよ」




