学校の秘密
A子 「ねぇねぇ。この前母校に顔出してきたんだけど、覆面被って」
B男 「顔出せよ!」
A子 「そしたら、廊下に非常ベルがあって、そこのボタンに『強く押す』って書いてあったから、強く押してみたの」
B男 「押すなよ!」
A子 「そしたら、うちの学校宇宙へ飛び立っていったよ」
B男 「宇宙戦艦か!?」
A子 「家庭科室の隣にあった操縦室って、このために存在してたのね」
B男 「どこに作ってんだよ操縦室!?」
A子 「うちの学校、何かあった際の避難所に指定されてるから」
B男 「されてるからなんだよ!?」
A子 「どうしようにもなくなったら、地域の人を乗せて宇宙へ」
B男 「何があったらそこまで思い切ったことが出来るんだ!?」
A子 「エイリアンが攻めてきたとか、日本が沈没しちゃったとか、先月借りた3千円を返すのが嫌になった時とか」
B男 「そんなことで宇宙へ飛び出すな!」
A子 「『2500円しか持ってないから、発射!』」
B男 「貸してやるよ、じゃあ!」
A子 「ふぅ、これで宇宙へ行かなくて済むね」
B男 「思い留まってくれてホントによかったよ!」
A子 「最近の学校は設備が充実してるよね」
B男 「宇宙船の機能を備えつけてる学校、他にはないから!」
A子 「私立宇宙戦艦アズサ第四高等学校」
B男 「学校名に宇宙戦艦って入ってるのか!? しかも、第四!?」
A子 「うちの学校チェーン展開してたから」
B男 「チェーン展開なのか!? 全国区か!?」
A子 「『安い、早い、うまい』が売り!」
B男 「牛丼屋か!?」
A子 「本当は『安い、早い、そうでもない』」
B男 「否定しちゃった!?」
A子 「店員さん的にも心苦しいところが出てきたんだよ」
B男 「だからって言わなくていいことは言わなくていいの!」
A子 「そんな学校」
B男 「何ひとつ学業をする気がないよな!?」
A子 「牛丼2つにポテトサラダ8つで1360円!」
B男 「そんな計算ばっかりか!? で、牛丼に対してサラダが多い!」
A子 「それに生タマゴを追加したら8620円!」
B男 「高ぇよ、生タマゴ!?」
A子 「半熟タマゴはプライスレス」
B男 「いや、値段つくだろう!?」
A子 「ゆで卵は90円」
B男 「急に適正価格!?」
A子 「そんな学校」
B男 「どんな学校だ!?」
A子 「そういえば、家庭科室の横にあった食堂、おいしかったなぁ」
B男 「家庭科室の両隣おかしいだろ!? 反対側操縦室だし!」
A子 「いやいや、食堂と操縦室は別の建物だよ」
B男 「じゃあ何個あるんだ家庭科室!?」
A子 「各教室の間に家庭科室」
B男 「多過ぎだろう!?」
A子 「ほら、いざという時のために」
B男 「どういう時のためにだよ!?」
A子 「エイリアンが攻めてきたりとか」
B男 「お前の学校、ちょいちょいエイリアンの襲撃に備えてるけど、ないからね、そんなこと!?」
A子 「分かんないでしょ!? 攻めてくるかもしれないじゃない、火星人とか土星人とか新成人が!」
B男 「新成人は二十歳を迎えた若者達だよ!」
A子 「『火星人がユニークな踊りを踊りながら攻めてきたぞー!』」
B男 「友好的な連中なんじゃないのか!?」
A子 「『エイリアンが攻めてきたぞー!』」
B男 「こういう時は、まず落ち着くことが大事だよな」
A子 「『あぁ、お茶がおいしい』」
B男 「言っても、もうちょっと焦ろうか!?」
A子 「『エイリアンが攻めてきたので、家庭科室でゆで卵を作ります』」
B男 「作ってる場合か!?」
A子 「おいしいよ?」
B男 「今それどころじゃないだろ!?」
A子 「『エイリアンがゆで卵をおいしそうに頬張りながら帰っていくぞー!』」
B男 「役に立ったね家庭科室!?」
A子 「『エイリアンに続いて、三千円借りてた友達が取り立てにやってきたぞー!』」
B男 「そんなモンで騒ぐな! っていうか、サッサと返せ!」
A子 「『2500円しか持ってないから、発射!』」
B男 「だから宇宙へ飛び立つなって! もういいよ」




