将来のドリーム
A子 「ねぇねぇ。将来の夢っていう作文が出てきたんだけど」
B男 「小学生のころに書いたヤツか?」
A子 「これは、去年のだね」
B男 「なんで大人になってから将来の夢を作文にしたためてんだよ!?」
A子 「未来の希望のために」
B男 「ちなみに、なんて書いてあるんだ」
A子 「えっとねぇ、『現状維持』だって」
B男 「夢も希望もねぇな!?」
A子 「現状維持は大変なんだよ?」
B男 「それは分かるけど! 将来の夢ならステップアップしていけよ!」
A子 「月給プラス200円」
B男 「だから地味!」
A子 「今は、昇給するだけでもありがたいんだよ?」
B男 「不景気って嫌になっちゃうよね! でもね、将来の夢だから、もっと希望にあふれててもいいんじゃないかな!?」
A子 「じゃあ、プラス250円でも?」
B男 「小さいよ、望みが! それで行くなら、ドーンと月収1千万とか言っとけよ!」
A子 「何夢見てんの?」
B男 「将来の夢だろう!?」
A子 「この歳になるとね、実現可能かどうかくらい分かるんだよ」
B男 「悟っちゃうなよ!」
A子 「いって、月収999万が限度」
B男 「もうひと押しじゃん!? もうちょい頑張れば届くとこまでは行けるんだね!?」
A子 「その上で、なんとかプラス200円!」
B男 「なんか、誤差に見えてきたな、200円!?」
A子 「それが、私の去年の夢」
B男 「ちなみに、今の夢は?」
A子 「月収、1千億兆万円」
B男 「現実見失っちゃった!? お金の単位がアホの子みたいになってるけども!?」
A子 「夢は大きく持たないと」
B男 「だとしても、単位! せめて億とか兆とかにしといて!」
A子 「月収100兆円」
B男 「う~わ、アホ丸出しだなぁ!?」
A子 「あなたはないの、将来のしょうもない夢」
B男 「しょうもない言うな!」
A子 「あるなら語ってもいいよ」
B男 「そうだなぁ。老後に困らないくらいの貯えが出来ればいいかな」
A子 「あはは、むりむり~」
B男 「なんでだよ!?」
A子 「私が、あなたから、むしり取るから」
B男 「取るなよ!」
A子 「大丈夫! 浪費は得意!」
B男 「得意にすんな、そんなもん!」
A子 「じゃあ堅実に、食い潰すね」
B男 「食い潰しといて堅実もなにもねぇだろ!」
A子 「人のお金で食べるご飯が、うまいうまい」
B男 「最低だな!?」
A子 「大丈夫。ハートは強いから!」
B男 「そこの自信、別のことに使ってほしいな!?」
A子 「ちなみに、老後の蓄えって、どれくらいあれば行けると思う?」
B男 「どうだろうなぁ。とりあえず一千万とか?」
A子 「甘いな!」
B男 「あ、足りない感じか?」
A子 「そんなんじゃ、牛丼も食べられないよ!?」
B男 「食えるだろう!? 牛丼が一千万以上って、どんなハイパーインフレだ!? 紙幣価値崩壊してんじゃん!?」
A子 「私はよく食べる方なの!」
B男 「一千万円は食えねぇよ、牛丼! 絶対無理だから!」
A子 「タマゴとか付けるよ?」
B男 「それでも無理!」
A子 「でも、老後は何があるかわからないから、もう少し蓄えておいた方がいいよ?」
B男 「どれくらいあればいいかな?」
A子 「とりあえず、1千億兆万円」
B男 「だから単位がアホの子みたいだって! もういいよ」