お決まりとフラグ
A子 「ねぇねぇ。お決まりってあるよね」
B男 「たとえば?」
A子 「真っ先に真犯人に気付いた人は次の犠牲者になる」
B男 「フラグとも言うな、そういうのは」
A子 「ジラフ?」
B男 「それキリン!」
A子 「死亡ジラフ?」
B男 「キリンが可哀想だからやめてあげて!」
A子 「お決まりの行動をするとフラグが立つんだよね」
B男 「『大会が終わったら』とか言うと、大会が終わる前に事故に遭うんだよな」
A子 「『この大会が終わったら、次の大会の準備を始めるんだ』」
B男 「実行委員かな!? お仕事ご苦労様です!」
A子 「おかしい、フラグが立たない」
B男 「そうじゃなくて、『大会が終わったら結婚するんだ』とか」
A子 「『結婚したら、嫁につらくあたるんだ』とか」
B男 「その旦那さん最低!」
A子 「『そうしたら、嫁が実家に帰っちゃったんだ』」
B男 「自業自得だね!」
A子 「フラグが立たないね」
B男 「違うんだよ、方向性が!」
A子 「よく分からないから、明日、もう一度教えてくれるかな? 絶対、会いに来るから」
B男 「それ! それフラグ! お前、帰り道事故とかに気を付けろよ!」
A子 「もっとも、あなたの命が明日まで残っていればの話ですけどね!」
B男 「危険にさらされてたの俺の方だった!」
A子 「あなたと別れた後、夜空を見上げると一筋の流れ星が」
B男 「どうやら俺の命が燃え尽きてしまったようだね!?」
A子 「誰かが亡くなると流れ星が流れるんだよね」
B男 「それもお決まりの演出だな」
A子 「バルサミコ酢が欲しい、バルサミコ酢が欲しい、バルサミコ酢が欲しい!」
B男 「流れ星に願いを言うな! で、物凄いどうでもいい願いだな!」
A子 「これで私に、バルサミコ酢フラグが」
B男 「立ったところで嬉しいのか、それ!?」
A子 「これできっと願いが叶うに違いない」
B男 「その願いを叶えてくれる流れ星は、とある犠牲の上に成り立っているものだけどな!」
A子 「大丈夫大丈夫。命が燃え尽きたって、きっとそのうちいいことあるよ」
B男 「そのうちが来ないんだ、命が燃え尽きちゃうと!」
A子 「流れ星が流れたからって、別にそうと決まったわけじゃないし」
B男 「まぁ、そりゃそうだな。ただのよくある演出だしな」
A子 「もっとも、私の放った刺客はヘマをするようなヤツではないけどね」
B男 「なに、プロっぽい人を放ってくれてんだ!?」
A子 「とか余裕ぶって相手を見下していると、その見下した相手が目の前に現れる」
B男 「それもお決まりだな」
A子 「貴様、どうして……まさか、その手に持ってるのは湯呑……そうか、茶柱が立っていたんだな!?」
B男 「茶柱が立つと縁起いいとか言うけど! それで一命をとりとめたの!?」
A子 「よく見ると、私の下駄の鼻緒が切れている」
B男 「そっちは縁起悪いんだね! でもその前に、下駄履いてたのか!?」
A子 「二人の間を黒猫が横切っていく」
B男 「どっちも縁起悪いね!」
A子 「めっちゃ癒された」
B男 「猫好き!?」
A子 「ここまでがお決まりのパターン」
B男 「いろいろ混ざり過ぎてたけどな! 大半はお決まりというかジンクスだったし!」
A子 「しかし、あなたの幸運もここまでよ」
B男 「いいのか? そういうお決まりのセリフを吐くと、負けフラグが立っちゃうぞ」
A子 「えっ、キリンが!?」
B男 「だからジラフじゃねぇっつってんだろ! もういいよ」




