けーわい
A子 「ねぇねぇ。KY~?」
B男 「誰がKYだ!?」
A子 「『KY』って何の略か知ってる?」
B男 「そりゃ知ってるけど」
A子 「『木村 良夫』」
B男 「違うね!?」
A子 「違うの!?」
B男 「じゃあ何か? お前は俺を木村良夫だと思って声かけたのか!?」
A子 「だって、木村顔な上に、すごく良夫ってるんだもん!」
B男 「木村顔も良夫ってるもよく分かんねぇよ!」
A子 「じゃあ、もしかして、『佐々木 竹男』?」
B男 「KYじゃなくなってんじゃん!? KとYで始まる言葉を略してあるんだよ!」
A子 「『関西人』『やで』」
B男 「違うわ!」
A子 「『わて、ホンマ、KY、やねん』」
B男 「『関西人やでやねん』になってんじゃねぇか、それじゃ!」
A子 「Kでしょ? Kってことは、『か行』か『な行』だよね?」
B男 「な行はNだよ!」
A子 「Nは『ん行』でしょ!?」
B男 「ねぇよ、そんな行! 『ん』以外に何があるんだよ!?」
A子 「基本、全部『ん』」
B男 「『んんんんん』になんじゃねぇかよ!」
A子 「個性があっていいと思います」
B男 「言葉に個性はいらないから!」
A子 「関西人批判か!?」
B男 「確かに凄く個性的だよね、関西弁は!」
A子 「分かった! KYのKは『個性的』だね!」
B男 「違うけども!」
A子 「『個性的』…………『やで』」
B男 「他に思いつかなかった、Y!?」
A子 「『やねん』」
B男 「関西弁から離れようか!?」
A子 「私から関西弁を取ったら、何が残るというの!?」
B男 「そもそも、お前の中に関西弁要素皆無じゃねぇか! 関東生まれなんだし!」
A子 「けど、タコ焼き好きだよ?」
B男 「だからなんだ!? 東北にも九州にもタコ焼き好きくらいいるわ!」
A子 「こう見えても、実は私には豊臣秀吉の血が……もとい、返り血が流れてる」
B男 「切りかかったの!? 滴り落ちるほど浴びたの!?」
A子 「後ろから肩トントンって叩いて、人差し指でほっぺたぷにってやるつもりが、思った以上に突き刺さって、それで血が……」
B男 「怖い怖い! 物凄い刺さっちゃってんじゃん!?」
A子 「『もぉ~、鳴くまで待つぞ、このやろ~』」
B男 「何その怒り方!? え、秀吉!?」
A子 「あ、分かった! 『肩をトントンってして人差し指でぷにってやるつもりが、思った以上に……』」
B男 「違うよ! たぶん、KYのKのこと言ってるんだろうけど、そんな長くない!」
A子 「もしかして、『きゃ』?」
B男 「KとYは別! くっつけないで!」
A子 「じゃあなんなの、KYのK!」
B男 「空気だよ!」
A子 「『空気ケーキ』?」
B男 「それ奈良で有名なスウィーツじゃん!? 空気!」
A子 「『空気』『やで』?」
B男 「なんでYは頑なに関西弁なんだよ!?」
A子 「他に何かある、Yで始まる方言」
B男 「方言じゃないんだ、まず!」
A子 「まさか、人名!?」
B男 「そこに吉田とか山田とか入れたら、『空気山田』でなんか可哀想だろ!? 山田が存在感ないみたいで!」
A子 「じゃあ何?」
B男 「『読めない』! だからKYで、『空気読めない』になるの!」
A子 「なるほど! 納得出来ない!」
B男 「じゃあなんで『なるほど』って言った!? でもこれで、もう覚えたなKY?」
A子 「うん。『木村 良夫』だね」
B男 「全然覚えてねぇじゃん!? もういいよ」