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笑いは世界を救う  作者: たくえりすきぃむ


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雪だるまを見かけた

A子 「ねぇねぇ。この前近所で雪だるまを見かけたんだけど」

B男 「子供達が作ったのかねぇ」

A子 「『久しぶり~何してんの~?』みたいな感じで盛り上がっちゃって」

B男 「喋ったのか、雪だるま!?」

A子 「若干訛りが気になるけどね」

B男 「いや、訛りなんかこの際どうでもいいよ!」

A子 「『高校卒業して以来だねぇ~』」

B男 「高校行ってたのか!?」

A子 「学生時代は水泳部に所属」

B男 「ムチャすんなよ!」

A子 「大丈夫。スタイルはいい方だったから」

B男 「そんな心配はしてねぇよ!」

A子 「それが、今ではおなかぽっこりでさぁ」

B男 「俺の知ってる雪だるまは昔っからおなかぽっこりだったけどな」

A子 「当時は学園のアイドルだったんだから」

B男 「季節限定のな!」

A子 「そうね。夏はまさに彼女の季節だった」

B男 「冬だろう!?」

A子 「泳ぐ姿はまさに人魚!」

B男 「想像出来ん!」

A子 「か、雪だるま」

B男 「泳いでなくても雪だるまなんだよね!?」

A子 「プールサイドは彼女のファンでいっぱいだったよ」

B男 「っていうか、水に入ったら溶けるだろ?」

A子 「彼女に合わせてプールの温度低くしてあったから」

B男 「他の生徒に迷惑だろ!?」

A子 「マイナス10度」

B男 「凍ってないか、プール!?」

A子 「彼女のためならなんでもするっていうのが生徒会の方針」

B男 「一人に肩入れするなよ!」

A子 「彼女美人だったから」

B男 「そんなことで生徒会が動いていいのか?」

A子 「超美白」

B男 「そりゃ真っ白だもんな!」

A子 「でもそのせいで他の女子達からやっかまれて」

B男 「雪だるま相手にムキになるなよ、他の女子!」

A子 「『冷たい女だ』とか言われて」

B男 「その通りじゃねぇか!」

A子 「謂れのない誹謗中傷」

B男 「見たまんまの事実だよ!」

A子 「彼女はとても心優しい雪だるまなんだよ!?」

B男 「心優しくても表面温度が低いの!」

A子 「給食で出た熱々餡かけチャーハンも、彼女だけ食べさせてもらえなかったし……」

B男 「それは親切心なんじゃないか!?」

A子 「他にも、熱々小龍包とか熱々石焼ビビンパとか熱々湯豆腐も食べさせてもらえなかったし!」

B男 「お前んとこの給食は熱いのが好きなのか!?」

A子 「熱々カップルも食べさせてもらえなかったし!」

B男 「カップルを食べ始めたら本格的にモンスターとして退治を検討しなきゃな!」

A子 「彼女、短大でも給食食べさせてもらえなかったらしいよ」

B男 「なんでそいつの行く学校はどこまで行っても給食制度が残ってるんだ!? 中学校で終わりだろう!?」

A子 「生徒会が彼女のために!」

B男 「どこまで彼女にご執心なんだ、生徒会!?」

A子 「超美白だし」

B男 「美白は分かったから!」

A子 「つぶらな瞳だし」

B男 「それは作者のサジ加減ひとつだけどな」

A子 「身も凍る冷たい吐息」

B男 「それはポイント高いのか!?」

A子 「外にいるだけで見る見る溶けていく体」

B男 「ダメじゃん!」

A子 「彼女を卒業させるために学校内すべてマイナス20度に設定」

B男 「冷凍庫か!?」

A子 「さらにキツクなる他の女子からのやっかみ」

B男 「そりゃモンクも言いたくなるだろう!?」

A子 「彼女が美人だから」

B男 「まともに勉強出来る環境じゃなくなったからだ!」

A子 「そんな彼女なんだけど、今ハワイに移住しようかどうか悩んでるんだって」

B男 「だからムチャすんなって! もういいよ」


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