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笑いは世界を救う  作者: たくえりすきぃむ
3/365

ネット小説

A子 「ねぇねぇ。今、ネット小説っていうのが流行ってるんだよ」

B男 「確かに、色んなところで耳にするようになったな」

A子 「主人公は、網」

B男 「ん、俺の思ってたのとはちょっと違うかな!?」

A子 「ヒロインは、地引網」

B男 「完全にネット違いだね、どうやら!?」

A子 「『お前みたいな虫取り網が、魚やタコを獲れると思っているのか!?』」

B男 「ヒロインのお父さんかな!? で、主人公を認めない的なシーンなのかな、それは!?」

A子 「『確かにボクは虫取り網です』」

B男 「主人公、やっぱり虫取り網なんだね!? 聞き間違えとか勘違いじゃなく、完全に虫取り網でいいんだね!?」

A子 「『けれど、年収が5億あります』」

B男 「何してるの、その虫取り網!? 一般人よりも稼いでるじゃん!?」

A子 「『よし、娘をやろう』」

B男 「お父さん、ゆらいじゃダメ! そこは頑なに拒否して!」

A子 「『父さん、新しい船が欲しくてな』」

B男 「早速ねだるな! あと、娘の彼氏に自分から父さんアピールしてんじゃねぇよ!」

A子 「『実は私も、若いころは虫取り網に憧れてねぇ』」

B男 「いいよ、話合わせなくて! 『お前みたいなヤツに娘はやらん』って突っぱねろよ!」

A子 「『代わりに父さんをやろう!』」

B男 「いらんわ!」

A子 「『貰ってくれ!』」

B男 「いらんってば!」

A子 「『船が欲しいです!』」

B男 「恥も外聞もまるでなしか!? 『お前に魚が獲れるのか』くらい言ってやれよ!」

A子 「『お前にマグロが獲れるのか!?』」

B男 「マグロは地引網でも無理だろう!?」

A子 「マグロのいそうな遠いところまでをカバーする地引網です」

B男 「引きあげるの凄い大変そうだね!?」

A子 「ちょいちょい乙姫様がかかっちゃう」

B男 「竜宮城の上通るのかな!?」

A子 「『お前に乙姫が獲れるのか!?』」

B男 「獲れなくていいだろ、それは!?  むしろ獲るなよ!」

A子 「『獲れないんじゃなくて、獲らないんですけど?』」

B男 「いいよ、やれば出来るみたいなアピール! なにより虫取り網で魚獲らないしね!」

A子 「それは、虫取り網をうまく使えてないからだよ」

B男 「じゃあ、どうやったら虫取り網で魚が獲れるんだよ?」

A子 「まず、『今日は久しぶりに虫取りでもしようかなぁ』と考えている釣り好きの友人を見つけて、網と竿を交換します」

B男 「早速虫取り網いなくなっちゃったね!?」

A子 「釣ります。釣れます。『めでたしめでたし』」

B男 「虫取り網、一切出てきてねぇじゃん!?」

A子 「ファンと行くバスツアーだって、目当ての有名人は最初と最後くらいしか出てこないじゃない!」

B男 「何と一緒にしてくれてんだ!?」

A子 「『じゃあ、魚が獲れれば認めてもらえるんですね!?』」

B男 「主人公が一念発起して、これまでやったことのなかったことにチャレンジする話か。挫折したり苦悩したりしながら、厳しい条件をクリアするんだよな」

A子 「『いや、別に魚が獲れるとかどうでもよくて』」

B男 「厳しい条件出せよ、父親!」

A子 「『月にいくらぐらいお父さんにお小遣いくれるかが重要』」

B男 「小遣いをせびるな!」

A子 「乙姫を引きあげちゃう度に、結構な額の賠償金払わされてるの!」

B男 「だから近場でやれよ! 遠くまで行き過ぎなんだよ!」

A子 「その手があったか!?」

B男 「お前大丈夫か!?」

A子 「そこで目が覚めたお父さんは主人公に感謝して、無事主人公とヒロインは結ばれる、というお話」

B男 「まるで意味がわかんない話だね!?」

A子 「っていうのがネット小説で間違いない?」

B男 「大間違いだよ! もういいよ」


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