電気屋さんにないもの
A子 「ねぇねぇ。ちょっと困ってるんだけどさぁ」
B男 「どうしたの?」
A子 「色んな電気屋を探し回ってるのに見つからないのよねぇ」
B男 「何が?」
A子 「電気うなぎ」
B男 「見つかるか! 電気屋に電気うなぎが売ってるわけないだろう!」
A子 「なんでよ!? 電気うなぎよ!?」
B男 「電気がつきゃなんでも電気屋か!?」
A子 「そうよ! カーペットは家具屋さん、電気カーペットは電気屋さん。うなぎは魚屋さん、電気うなぎは電気屋さん!」
B男 「ないから!」
A子 「じゃあ電気うなぎが魚屋さんに売ってるとでも言うの!?」
B男 「いや、魚屋でも見たことないけどさ!」
A子 「じゃあ、どこに行けば電気うなぎに会えるのよ!?」
B男 「アマゾンにでも行ってくれば!?」
A子 「なんでそこまでしなきゃいけないのよ、電化製品のために!?」
B男 「まず電化製品じゃないからね!」
A子 「電気『う・な・ぎ』よ!?」
B男 「強調するとこおかしいだろ!? どうせなら『電気』を前面に押し出せよ!」
A子 「電気毛布は電気屋さんでしょ?」
B男 「いや、電気毛布は布団屋じゃないか?」
A子 「電気冷蔵庫は電気屋さんでしょう!?」
B男 「冷蔵庫はみんな電気だよ!」
A子 「電気電気は電気屋さん!」
B男 「なんだ電気電気って!?」
A子 「電気よ! 部屋の明かり!」
B男 「電灯ね」
A子 「電気って言うでしょうが! 『電気消して』『電気つけて』って!じゃあなに? 『電気つけて』って言われたら部屋中の電化製品をオンにするの!?」
B男 「しねぇよ!」
A子 「ほら、電気じゃない。だから電気電気は電気屋さんへ!」
B男 「電気じゃない電気なんかあってたまるか!」
A子 「あるじゃない。ろうそくとか、提灯とか」
B男 「ランタンとかか?」
A子 「ラッタッタ?」
B男 「何だその楽しげな照明器具は!?」
A子 「明るい感じになるじゃない。電気ラッタッタ!」
B男 「ねぇよ、そんな電化製品は!」
A子 「3階、電気ラッタッタ売り場です」
B男 「だからないってのに!」
A子 「4階、豆電球売り場です」
B男 「ワンフロア!?」
A子 「5階、電車売り場です」
B男 「売ってるか!」
A子 「新幹線がお勧めです!」
B男 「誰が買うんだ!?」
A子 「本日はお持ち帰りですか?」
B男 「無茶を言うな!」
A子 「では、コチラでお召し上がりですか?」
B男 「どちらでも召し上がらねぇよ!」
A子 「6階に試食コーナーがありますが?」
B男 「電気屋で何を食えというんだ!?」
A子 「電気うなぎ!」
B男 「お帰り電気うなぎ!」
A子 「で、電気うなぎ売り場は何階?」
B男 「売ってないって!」
A子 「なんで電気うなぎが電気屋に売ってないのよ!?」
B男 「また最初からやる気かよ!? 電気うなぎはどこにも売ってないの!」
A子 「そんなことだから、最近蛍の姿を見かけなくなったのよ!」
B男 「ほう、ということは、蛍は電気うなぎを使って充電して、で、光ってると、そういうわけか?」
A子 「もちろん! 常識でしょ?」
B男 「常識じゃねぇよ! 大間違いだよ!」
A子 「じゃあどうやって光ってるのよ!? はっ! まさか電気!?」
B男 「違うっての! もういいよ」




