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笑いは世界を救う  作者: たくえりすきぃむ


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赤い頭巾の女の子

A子 「ねぇねぇ。『赤ずきんちゃん』って知ってる?」

B男 「あぁ。赤い頭巾をかぶった女の子の話だろ?」

A子 「そうそう。全米が泣いたヤツ」

B男 「いつ泣いた!?」

A子 「『全米ナンバーワンヒット!』」

B男 「ハリウッド映画か!?」

A子 「『AKAZUKIN・赤ずきん!』」

B男 「いいよ、っぽく言わなくて!」

A子 「『誰も、赤ずきんからは逃げられない……キャーッ!』」

B男 「どんな映画だよ!? 赤ずきん、何してくるんだよ!? そんな話じゃねぇよ!」

A子 「どんな話だっけ?」

B男 「赤ずきんが森に住むお婆さんのお見舞いに行くんだよ」

A子 「『鬱蒼と生い茂る草木をかきわけて、赤ずきん探検隊が見たものは!?』」

B男 「未確認生物を探しにジャングルの秘境へ探検しに行くヤツか!?」

A子 「『赤ずきん隊長の身に最大の危機が!?』」

B男 「そういう展開ないから! CMとかまたがないから!」

A子 「『この後、大物演歌歌手が登場!』」

B男 「なんでジャングルの奥地から大物演歌手が出てくるんだよ!?」

A子 「『全米が泣いた!』」

B男 「だとしたらアメリカ人全員の涙線を精密検査しなきゃな! 絶対どこかおかしくなってるから!」

A子 「手に汗握る話だよね、赤ずきん!」

B男 「そんな話じゃねぇよ!」

A子 「じゃあどんな話なのか、狼を登場させないで説明して!」

B男 「無茶言うな! メインキャストだよ、狼は!」

A子 「大物演歌歌手とどっちが?」

B男 「大物演歌歌手出てこないから!」

A子 「小物演歌歌手は?」

B男 「大物も小物もでてこねぇよ!」

A子 「あ、ガールズバンド?」

B男 「音楽系の人出てこない! 出てくるのは赤ずきんとお婆さんと狼と猟師さん!」

A子 「そのキャストからすると、猟師さんを中心としたハーレムもの?」

B男 「小さな女の子とお婆さんと狼って、守備範囲広過ぎるだろ、その猟師さん!? そうじゃなくて、赤ずきんが森に住むお婆さんの家にお見舞いに行くんだよ」

A子 「『その時、探検隊が見たものは!?』」

B男 「何も見るな、探検隊!」

A子 「ざっとあらすじを教えて」

B男 「だから、赤ずきんがお婆さんの家にお見舞いに行くんだけど、狼が先回りしてお婆さんを食べちゃうんだよ」

A子 「『あー! 私が食べようと思ってたのに!』」

B男 「赤ずきんはそんなこと思わない! で、狼はお婆さんに変装して赤ずきんを待ってるんだよ」

A子 「あぁ、そこであの有名なセリフだね」

B男 「そうそう」

A子 「『ふっふっふっ、よくぞ見破ったな』」

B男 「顔の特殊メイクベリベリ破ったりしないからね!」

A子 「なんだっけ?」

B男 「『お婆さんの口はどうしてそんなに大きいの?』だよ!」

A子 「『それはね、遺伝だよ』」

B男 「違います! いや、実際はそうなんだろうけど!」

A子 「『それはね、狼だからだよ』」

B男 「自らバラしちゃダメ!」

A子 「『これくらいが普通だよ。むしろお前が小さ過ぎるくらい』」

B男 「自分を中心に物事考えないで!」

A子 「『ちょっと赤ずきんちゃん、空気読んで』」

B男 「お前がな!」

A子 「何が気に入らないの!?」

B男 「セリフが違うんだよ!」

A子 「じゃあなんて言うの?」

B男 「『お前を食べるためだよ!』」

A子 「ナイフとフォークくらい使え!」

B男 「そうじゃなくて! 赤ずきんは狼に丸飲みにされるの!」

A子 「ちゃんと噛んで食べなさい!」

B男 「だから何にキレてんだって!? それを見ていた猟師が、狼のお腹から赤ずきんとお婆さんを助け出してくれるんだよ!」

A子 「『そして、狼のお腹から出てきた赤ずきんが見たものは!? この後、衝撃の結末が!』」

B男 「だからそういう特番じゃないから! もういいよ」


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