表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
笑いは世界を救う  作者: たくえりすきぃむ
19/365

シンデレラっす

A子 「ねぇねぇ。あんまり有名じゃないんだけど、『シンデレラ』って知ってる?」

B男 「知ってるよ! ほぼ全ての人が知り尽くしてるほど有名だよ!」

A子 「シンデレラを知らない人のために、ちょっとやってみよう」

B男 「いないと思うけど。じゃあ、魔法使いが出てくるシーンね」

A子 「あぁ、私もお城の舞踏会に行ってみたかった」

B男 「その願い、私が叶えてあげよう」

A子 「誰!?」

B男 「こんばんは、シンデレラ。私は魔法使い」

A子 「すみませんすみません! 明後日にはお支払いしますから!」

B男 「何をだ!? 何も取り立ててないだろう!?」

A子 「あ、つい。私を訪ねてくる人は、みんな借金の取り立て屋さんかと……」

B男 「どんな苦労を背負い込んでるんだ?」

A子 「ご覧の通り貧乏なんです」

B男 「シンデレラには貧乏なんて設定なかったと思うけど?」

A子 「どっからどう見ても貧乏なんです!」

B男 「わかったよ! でも安心しなさい。私の魔法でお城の舞踏会へ連れて行ってあげましょう」

A子 「とか言いながら、ついて行った先で高い羽毛布団セットを買わせる気ね!?」

B男 「キャッチセールスじゃないから! 舞踏会行きたいんでしょ!?」

A子 「だって、こんな格好じゃお城に行けないし」

B男 「私の魔法で綺麗なドレスを出してあげよう」

A子 「そしてその後、法外な請求書が送りつけられてくるのね!?」

B男 「もう少し人を信じようか! どんな酷い目に遭ってきたんだよ!?」

A子 「もう、誰も信用できない……」

B男 「私はいい魔法使いだから、私のことは信用しなさい」

A子 「自分を信用しろって言う人を一番信用しちゃいけないって、家なき子で言ってたわよ!」

B男 「情報源が古い!」

A子 「同じ貧乏人同士、気持ちがよく分かるのよ!」

B男 「心配しないで。頑張って生きてきた君に対するご褒美だから!」

A子 「じゃあ、タダでくれるの?」

B男 「もちろん」

A子 「タダより怖いものはない!」

B男 「じゃあ1円でいいよ!」

A子 「安い! 買った!」

B男 「そりゃよかった。じゃあ、今ドレスを出すからね」

A子 「『チャララチャッチャチャ~♪』」

B男 「誰がドラえもんだ!?」

A子 「え、違うの!?」

B男 「『ド~レ~ス~!』とか言わないから! 魔法で出すの! じゃあ行くよ、えい!」

A子 「お、ドレスだ。どうも」

B男 「感動が薄い! 『まぁ素敵なドレス』とか言えんのか!?」

A子 「まぁまぁ素敵なドレス」

B男 「まぁまぁかよ!? 贅沢言うな!」

A子 「コレで舞踏会に行けるのね。タクシー!」

B男 「タクシーを止めるな!」

A子 「すいません、名古屋まで」

B男 「名古屋にあるお城じゃ舞踏会はやんねぇよ! カボチャの馬車を出してあげるから」

A子 「『チャララチャッチャチャ~♪』」」

B男 「違ぁう! 魔法で出すの! えい! ほら、カボチャの馬車だよ」

A子 「まぁ、大きなカボチャ。コレだけあれば一月は……」

B男 「食うな!」

A子 「お金がないんですよぉ!」

B男 「お城行って見初められりゃ、嫌っちゅうほどお金もらえるわ!」

A子 「でも、カボチャだけでは動かないよ?」

B男 「そこらへんにいるネズミを、魔法で馬に変えるんだよ」

A子 「ネズミ!? 大丈夫なの!? 気絶しない!?」

B男 「だから俺ドラえもんじゃないから! ネズミ全然平気なの! じゃあ行くよ、えい!」

A子 「まぁ、立派なお馬さん。コレだけの毛並みならいい値が付きそう」

B男 「貧乏人根性を出すな!」

A子 「お金がないと、人間の心はドンドン荒んでいくのよ!」

B男 「だから、お城の舞踏会で頑張ろうね! じゃあ最後にガラスの靴ね」

A子 「出来ればニューバランスかナイキのスニーカーがいいんだけど」

B男 「スニーカーで舞踏会に行けるか!」

A子 「だって、スニーカーの方が丈夫で長く履けるじゃない!」

B男 「悲しくなるほど貧乏根性が染み付いてるな! 可哀想過ぎて涙が出るわ!」

A子 「同情するなら金をくれ!」

B男 「だから家なき子かって! もういいよ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ