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笑いは世界を救う  作者: たくえりすきぃむ


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サバゲー

A子 「ねぇねぇ。サバゲーって知ってる?」

B男 「あぁ。サバイバルゲームだろ」

A子 「いや、サバっぽい一発芸」

B男 「どんなんだ、それ!?」

A子 「今年の忘年会はこれで決まり!」

B男 「忘年会で一発芸って、なかなかやらないだろう!?」

A子 「新年会でもいいよ?」

B男 「だからやんないってのに!」

A子 「誰にでも出来て、メッチャ盛り上がるよ?」

B男 「だいたい、どんなのか分かんないもん、サバっぽい一発芸って!」

A子 「じゃあやり方を教えてあげよう」

B男 「教えてもらおうか」

A子 「まず準備する物が二つ」

B男 「道具が必要なんだな」

A子 「トランプと、もし万が一命に危険が迫った時のために生命保険」

B男 「そんな危険なの!?」

A子 「サバ、だからね」

B男 「いや、まったく納得出来ないけれど!?」

A子 「まず手始めに、顔をサバっぽくします」

B男 「それが分かんない!」

A子 「なんか、青くて銀色っぽい感じにキラキラさせるだけでいいよ」

B男 「だからそれが出来ねぇってのに!」

A子 「難しいなら、若干イワシっぽくてもいいよ?」

B男 「俺の顔は青魚みたいな感じにはならないんだよ!」

A子 「じゃあ無理だね。いたずらに命を危険にさらすだけになっちゃう」

B男 「本気で命がけなんだな、サバ!?」

A子 「あなたにはハードルが高かったか」

B男 「俺以外の人も出来ないと思うけどね!」

A子 「じゃあ、仮に顔がサバっぽくなったとしよう」

B男 「そうだな、そこから先も気になるし」

A子 「サバっぽくなったらトランプを使ってマジックをします」

B男 「じゃあマジックでいいじゃん!?」

A子 「それじゃサバゲーにならないでしょ!?」

B男 「無理にならなくていいんだよ!」

A子 「トランプの山から好きなカードを引いてもらって、マークと数字をよく覚えてもらいます」

B男 「それを当てるのか?」

A子 「いや、それをサバに変えます」

B男 「物凄いこと起きたな!? 魔術か!? っていうか、なんでわざわざ覚えさせた!?」

A子 「『あぁ、これ。サバになる前はハートの4だったなぁ』って思い出に浸るためよ!」

B男 「ついさっき引いたカードに思い入れもないだろう!?」

A子 「絶対盛り上がるよ」

B男 「そりゃトランプがサバになったら、みんなビックリするだろうな!?」

A子 「その後目の前で解体ショー」

B男 「お刺身一品追加だね!?」

A子 「お刺身になったところで、トランプに戻ります!」

B男 「何してくれてんだ!?」

A子 「メッチャ盛り下がるよ」

B男 「だろうね! 新鮮な捌きたてのお刺身食べたかったのに!」

A子 「流行るかと思うんだけど」

B男 「流行んないから!」

A子 「じゃあどうしよう、忘年会」

B男 「手品でもしたらどうだ? わざわざサバを絡めないで」

A子 「え、サバ無しで手品って出来るの!?」

B男 「出来るよ!? 世のマジシャンみんなサバ無しでやってるから!」

A子 「でもそれはサバゲーじゃないよね?」

B男 「うん、違うね! っていうか、サバゲーはサバイバルゲームの略だから!」

A子 「サバイバルゲームって何?」

B男 「森とか廃屋に行ってエアガンで撃ち合う遊びだよ」

A子 「あぁ、見たことある」

B男 「だろ?」

A子 「サバっぽい顔でエアガンを撃つヤツだよね?」

B男 「だからサバっぽい顔は出来ないから! もういいよ」


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