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笑いは世界を救う  作者: たくえりすきぃむ
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日記をつけよう

A子 「ねぇねぇ。日記をつけようかと思うんだけど」

B男 「あ、いいんじゃないの」

A子 「でも、何を書いていいのやら……?」

B男 「なんでもいいんじゃないかな。好きに書いてみたら?」

A子 「『むか~しむかし……』」

B男 「今日の出来事にしようか! その日にあったことを書き留めておけばいいんだよ!」

A子 「『昔々、今日の午後』」

B男 「全然昔じゃねぇじゃねぇか!」

A子 「過ぎた時間は過去でしょうが!」

B男 「昔っていうのはもっとずっと前の過去だよ!」

A子 「『一昨日……』」

B男 「近い! 一昨日の出来事なら一昨日のうちに書いとけ!」

A子 「『この前この前、あるところにお爺さんとお婆さんがいました』」

B男 「だからどうした! そこかしこにいるわい!」

A子 「『お爺さんはヨドバシヘ芝刈り機を買いに、お婆さんはビッグカメラへ洗濯機を買いに行きました』」

B男 「仲悪いのか!? 一緒に行けよ!」

A子 「『すると、ビッグカメラの中を大きな桃がドンブラコドンブラコと……』」

B男 「流れてこないから!」

A子 「あ、ヨドバシの方だっけ?」

B男 「ヨドバシにも流れてこんわ!」

A子 「ヤマダ電機……」

B男 「ヤマダも和光も石丸もタニヤマムセンにも流れてこない!」

A子 「『お婆さんは、買い物をすると貯まる点数を「ポイント」と名付けました』」

B男 「お婆さんが名付けんでも買い物して貯まるのはポイントだよ!」

A子 「『お爺さんはそのポイントに「桃太郎」と名付けました』」

B男 「おかしいだろう、お爺さん!」

A子 「『桃太郎は10ポイントと引き換えに犬、猿、キジを仲間にしました』」

B男 「金銭的契約を結ぶな! 御伽噺の生き物が!」

A子 「10年保障」

B男 「電気屋っぽいな!」

A子 「よし、今日の日記はこんなもんでいいでしょう」

B男 「お前一切出てきてないじゃん!?」

A子 「お婆さんが買いにいったドラム式の洗濯機、それが私」

B男 「ウソ吐け! なんで洗濯機と長々しゃべらにゃならんのだ!」

A子 「テレビに話しかける人はたくさんいるじゃない」

B男 「洗濯機に話しかける人は極稀だろうよ!」

A子 「じゃあ、芝刈り機でもいいけど」

B男 「芝刈り機に話しかける人はもっといない!」

A子 「文句ばっか言って、何が気に入らないのよ!?」

B男 「日記だろ!? だったら今日自分の身に起きた出来事を書くんだよ!」

A子 「『今日は朝から静脈がフル活動だった』」

B男 「当たり前だ!」

A子 「『動脈はお休み』」

B男 「お休みされたらエライ事になるわ! 血が体に行き渡らないだろう!」

A子 「『深呼吸すると、不思議な事に大量の酸素が流れ込んできた』」

B男 「普段は何が流れ込んでるんだよ、お前の肺には!?」

A子 「『大きな桃が……』」

B男 「器官詰まるわ!」

A子 「『お爺さんは、肺に流れ込んできた大量の酸素を「桃太郎」と……』」

B男 「名付けるな! 身の回りの物全部桃太郎か!?」

A子 「『う~ん……! やっぱり山はいいなぁ。桃太郎がおいし~!』」

B男 「空気ね!」

A子 「『本日は桃太郎使いますか? 貯めますか?』」

B男 「それはポイント! 見ろ! お爺さんのせいでややこしいことこの上ないじゃねぇか!」

A子 「日本が今、変わろうとしているのよ」

B男 「お断りだよ、そんな新時代! いいから今日あったことを日記に書けよ! なんかあったろう!?」

A子 「『日記を買った』」

B男 「分かっとるわ! 買ったから今手元にあるんだろうが! そうじゃなくて、思ったこととか、考えた事とかあるだろう!?」

A子 「『今日から日記をつける事にした』」

B男 「あ、そうそう。そんな感じで今の自分の気持ちとかを書くんだよ」

A子 「『コレから毎日、欠かさずに書くつもりだ』」

B男 「うんうん」

A子 「『しかし、なんか飽きたので今日で終わりにしようと思う』」

B男 「辞めんのかい!? もういいよ!」


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