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笑いは世界を救う  作者: たくえりすきぃむ


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キラキラネーム

A子 「ねぇねぇ。キラキラネームを考えよう!」

B男 「考えてどうするんだよ?」

A子 「地味に流行らせて、来年度の子供の名前ランキング第一位を狙います!」

B男 「まぁ、無理だろうけどね!」

A子 「大丈夫大丈夫。みんな流行りものに弱いから」

B男 「子供の名前は流行りに流されずに付けるもんだろう!?」

A子 「パンナコッタが流行った時は、子供の名前がみんなパンナコッタになってたでしょう!?」

B男 「なってねぇよ! 一人もいねぇよ!」

A子 「なんてこった!?」

B男 「それが言いたかっただけだろう、絶対!」

A子 「この世に絶対なんてものはない!」

B男 「まぁそりゃそうだけど」

A子 「ただ一つだけ言わせてもらうと、『正解!』」

B男 「当たってんじゃねぇか! 『なんてこった』が言いたかっただけなんじゃん!」

A子 「なんか、キラキラした名前思いつかない?」

B男 「キラキラって、『アクア』とか『スカイ』とかか?」

A子 「もっとキラキラしたヤツがいい」

B男 「例えばどんなのだよ?」

A子 「『エサを目の前にした買い犬の目』とか」

B男 「キラキラしてるけど! メッチャ嬉しそうな目をするけども! そんな名前があるか!」

A子 「そこは略して、『イヌ』でいいよ」

B男 「イジメか!? なんで子供の名前が『イヌ』だ!?」

A子 「赤井さんなら『赤いイヌ』」

B男 「見たことないけどね、そんなイヌ!?」

A子 「緑さんなら『緑のたぬき』」

B男 「イヌどこ行った!?」

A子 「政府野さんなら『政府のイヌ』」

B男 「政府野さんがいねぇよ、まず!」

A子 「薄汚井さんだと『薄汚いイヌめっ!』」

B男 「薄汚井さんはどんな名前でも気の毒な結果になっちゃうね! そして、名前になんか『めっ!』って付いてたけど!?」

A子 「細かいことを……細か井さんか!?」

B男 「違うけど!」

A子 「じゃあ、薄汚井さんところのお子さんっていう設定で名前を考えよう」

B男 「そこやめない!? 他のご家庭にしよう!」

A子 「トゥモローネバー野さん?」

B男 「いねぇよ! なんだ、トォモローネバーノウって!? 誰も知らねぇよ、明日がどんな日になるかなんてね!」

A子 「ポエマーか!?」

B男 「そんな冷めた目で見られる筋合いはねぇよ!」

A子 「じゃあ名字は適当でいいから、名前を決めよう」

B男 「キラキラネームって、とりあえず読めない感じのヤツだよな」

A子 「『鬱蒼』とか?」

B男 「漢字が読みにくいんじゃなくて、そんな読み方しないだろうって感じの漢字を使うの! あと、鬱蒼は頑張って読めるようになっとけ!」

A子 「『鬱蒼』と書いて『ジャングル』」

B男 「まぁ、読めないけれども、そういう感じかな」

A子 「ジャングルと書いてミツコのあだ名と読む」

B男 「ん? どういうこと?」

A子 「密林」

B男 「誰が謎かけしろっつったか!? キラキラネームを考えるの!」

A子 「『四月の石』と書いて『拳大』」

B男 「大きさは四月でも五月でも変わんねぇよ! 『四月の石』って書くならダイアだろう!?」

A子 「あ、いいんじゃない、ダイアちゃん」

B男 「すげぇキラキラした名前だな」

A子 「じゃあ、ドリアでもいいけど」

B男 「変えちゃダメだろう!?」

A子 「『四月の石』と書いて『ダイア』もしくは『ドリア』」

B男 「『もしくは』ってなんだ!?」

A子 「えっと、ロシアの……」

B男 「それモスクア!」

A子 「じゃあ『四月の石』と書いて『モスクア』!」

B男 「全然関係ないじゃん!?」

A子 「これできっとモスクアちゃんが、来年の一位になるよ!」

B男 「絶対なんねぇわ! もういいよ」


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