2ランクアップ
A子 「ねぇねぇ。先週から見事2ランクアップしたんだ」
B男 「なんのランキングで!?」
A子 「えっと、たしか。『寒い夜に食べたくなるお鍋ランキング』?」
B男 「じゃあお前入るわけないだろう!?」
A子 「あ、違った。『隣の席の人に「え、この人何者?」って思われるランキング』だった」
B男 「全然違うじゃねぇか! で、なに、そのランキング!?」
A子 「学校、会社、電車や食堂で、隣の席に座った人に『え、この人何者!?』って、どれくらい思われているかのランキング」
B男 「そんなの、どうやって調べるんだよ!?」
A子 「24時間じっくりと観察して、だよ」
B男 「怖いな!? エントリーすると監視されるのか?」
A子 「いやいや、日本国民全員が対象」
B男 「じゃあ俺も今監視されてんの!?」
A子 「今朝、電車であなたの隣に座った人が監視員」
B男 「お前の方こそが『え、この人何者!?』だよ!」
A子 「そんな厳正なる審査の結果、見事2ランクアップ!」
B男 「嬉しいかな、それ!?」
A子 「只者じゃないんだよ? すごくない?」
B男 「で、お前は何をして只者じゃないと判断されたんだよ?」
A子 「血液が微炭酸」
B男 「え、この人、何者!?」
A子 「献血の時、隣に座ってた人が驚いてたね」
B男 「そりゃ驚くわ! 血抜いたら『シュワー』ってしてんだろ!?」
A子 「担当してくれた看護婦さんがゲップ止まらなくなっちゃって」
B男 「なんで!? 飲んでるわけじゃないだろう!?」
A子 「条件反射」
B男 「その看護婦さんも『何者っ!?』って感じするけどな!?」
A子 「あなたはいいよねぇ」
B男 「何が?」
A子 「いるだけで『何者っ!?』って思われるから」
B男 「思われてたまるか!」
A子 「え、まさかの3D!?」
B男 「なんで俺が平面である可能性が浮上してんだよ!? 3Dですよ!」
A子 「うわ、しゃべった!」
B男 「そりゃしゃべるわ!」
A子 「こっち見た!」
B男 「そりゃ見るわ!」
A子 「頭からブナシメジ生えてきた!」
B男 「生えるかっ!」
A子 「『そりゃ生えるわ!』でしょ!?」
B男 「『でしょ!?』ってなんだ!? こっちの返答をお前が決めるな!」
A子 「もう何を言っているのか、皆目見当が付かない」
B男 「こっちのセリフだけどね!」
A子 「なんか血液もシュワシュワ言ってるし!」
B男 「それお前だ! 血液微炭酸!」
A子 「爽やかでいいでしょ、この季節!?」
B男 「飲料水だけだよ、夏場に『シュワ~』で爽やかなのは!」
A子 「え、飲料水を血管に?」
B男 「入れた瞬間、俺の人生そこで終っちゃう!」
A子 「『コンティニュー? 9、8、7……』」
B男 「格ゲーか!?」
A子 「ねぇ、頭の上に黄色いバー浮かんでるけど、それなに?」
B男 「ヒットポイントかな!? 三分の一くらいになると超必殺技とか使えちゃうのかな!?」
A子 「え、あなた何者っ!?」
B男 「やかましいわ! ヒットポイントのバーもなければ炭酸飲料も流れてねぇよ!」
A子 「あるのは、頭から生えたブナシメジだけ」
B男 「それもない!」
A子 「私も頑張ってランクアップしていかないと!」
B男 「そこ頑張るところじゃないと思うんだけどな!」
A子 「1位の人が強過ぎるんだもん」
B男 「どんなヤツだよ、1位の人?」
A子 「ヘイ、ユー」
B男 「ランクインしててたまるか、そんなもん! もういいよ」




