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笑いは世界を救う  作者: たくえりすきぃむ


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踊る盆踊り大会

A子 「ねぇねぇ。盆踊りってしたことある?」

B男 「俺、ないんだよね」

A子 「つまり、義務教育が終わってないと?」

B男 「必修科目にはなかったと思うけど、盆踊り!?」

A子 「小学校で習わなかった?」

B男 「習ってねぇな!」

A子 「算数の時間に」

B男 「絶対習わねぇよ!」

A子 「『太郎君はリンゴを2個、ミカンを4個持って盆踊りに参加しました』」

B男 「置いてから参加しろよ!」

A子 「『さて、リンゴの値段はいくらでしょう?』」

B男 「盆踊り関係ないじゃん!? あと、ミカンも!」

A子 「『正解は、夏の思い出、プライスレス』」

B男 「それが正解なら、担当教師を訴えるな!」

A子 「なんで参加しなかったの、盆踊り」

B男 「近所でやってなかったんだよ」

A子 「酸素が無いから?」

B男 「あります! 豊富にね! 結構な田舎に住んでたし、酸素の量なら負けないかな!」

A子 「田舎のクセに盆踊りもしなかったのか!」

B男 「人が少なくて、そういうイベントはうまくいかなかったんだよ」

A子 「人じゃない生き物はわんさかいるのに!」

B男 「人じゃない生き物に盆踊りを強要したところでうまくいくわけないだろう!? って、人じゃない生き物ってなんだ!?」

A子 「土星人?」

B男 「地球の人なんだ、俺! 最初にそこの説明をするべきだったかな!? 酸素がどうこうの時点で!」

A子 「近所でやってないなら、やってるところに行けばいい」

B男 「あぁいうのは地域でやるもんだろ? 練習とかしないと踊れないし」

A子 「ウチのとこは参加自由だったよ」

B男 「参加は自由かもしれないけど、よそ者は入って行きにくいもんなんだよ」

A子 「大丈夫だよ。ナサの人もいないし」

B男 「よそ者っていうのは地球外を指して言ってるわけじゃないから! 他の県とか地域とか!」

A子 「楽しいよ、盆踊り」

B男 「俺も出来るなら参加したかったさ。そういうの好きだし」

A子 「みんなで小倉を囲んで踊るんだよね」

B男 「やぐらね! 小倉を囲んで踊ったら、かごめかごめみたいになるから!」

A子 「やぐらを囲むボンオドラー」

B男 「ボンオドラーってのは盆踊りをする人のことか!?」

A子 「そのボンオドラーを取り囲むやぐら」

B男 「やぐら多いな!?」

A子 「そのやぐらを取り囲むボンオドラー!」

B男 「人がどんどん増えていくな!?」

A子 「それを取り囲む小倉!」

B男 「小倉さんいっぱいだね!? 世界中の小倉さんの過半数がそこにいるくらいの勢いだね!」

A子 「それが正しい盆踊り」

B男 「絶対違う! 参加したことない俺でも分かる!」

A子 「そんな難しいもんじゃないから、見よう見まねで参加すればいいのに」

B男 「そうだな。まずはやってみることが大事かもな」

A子 「Bメロのロボットダンスがちょっと難しいけどね」

B男 「盆踊りにそんなもん入ってねぇよ!」

A子 「ブレイクダンスとかふんだんに盛り込んでますが?」

B男 「盛り込むな! もっとゆったりとした情緒ある踊りだろう!?」

A子 「ちょっと踊ってるから、入ってきてみてよ」

B男 「分かった。やってみるよ」

A子 「『YO! YO!』」

B男 「ヨーヨー言うな!」

A子 「DJ‐Bによるファンキーな振り付けが人気」

B男 「誰だ、DJ‐B!?」

A子 「DJ‐BのBは盆踊りのBだよ」

B男 「知らんわ!」

A子 「本名は太郎っていって、その昔リンゴとミカンを持って盆踊りに参加した経験があるの」

B男 「あいつか! 算数の問題になってたヤツか!」

A子 「それ以降、リンゴとミカンを持って盆踊りをするのが主流になったんだよ」

B男 「なってないから! もういいよ」


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