表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
笑いは世界を救う  作者: たくえりすきぃむ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

130/365

肝試しの夏

A子 「ねぇねぇ。夏じみたことをしたい!」

B男 「例えばなんだ?」

A子 「肝試しとか?」

B男 「夏の定番だな。廃屋とかに行って、何か出そうだなぁとか言ってな」

A子 「いやいや、私は出る方だよ」

B男 「幽霊になっちゃってるじゃん!?」

A子 「夏だねぇ」

B男 「夏気分を味わうのは幽霊じゃない方だからね!」

A子 「肝試ししたことある?」

B男 「町内の児童会とかでならあるな」

A子 「お地蔵さまの集まり?」

B男 「地蔵会じゃねぇよ! 児童会! 小学生くらいの児童の集まりだよ!」

A子 「どんな肝試しだった?」

B男 「子供のやることだからな、危険のないように簡単なものだったよ」

A子 「お墓を、荒らしたり?」

B男 「引率者、こっぴどく叱られるな、それ!?」

A子 「住職に、なったり?」

B男 「修行しなきゃなれないからね!? そんなお手軽なもんじゃないんだよ!?」

A子 「木魚を、作ったり」

B男 「職人さんか!?」

A子 「肝試しの定番!」

B男 「どれもこれも定番からかけ離れ過ぎてるよ!」

A子 「どんなことするの?」

B男 「墓地の中を歩いて、本堂に目印を置いてくるんだよ」

A子 「目印?」

B男 「ちゃんとここまで来たよっていうあかしだな」

A子 「お地蔵さん的な?」

B男 「重いよね、持ち運ぶの!?」

A子 「最後の方はお地蔵さんがズラリ」

B男 「メッチャ怖くなってんじゃん!?」

A子 「ドキ! 地蔵だらけの肝試し大会!」

B男 「ドキ、の種類が違うな、それは!?」

A子 「ポロリもあるよ」

B男 「何がポロリするんだ、その状況で!?」

A子 「首?」

B男 「メッチャ怖い! きっと泣いちゃう!」

A子 「ズラリといるよ」

B男 「確かにズラリと並んじゃってるけども!」

A子 「にやりとするよ」

B男 「ほくそ笑むなよ!」

A子 「怖そうだね、肝試し」

B男 「怖くしてんのは子供達自身だけどな!?」

A子 「でも、墓地を歩くだけじゃ怖さもいまひとつだよね。明るいし」

B男 「なんで朝なんだよ!? 夜にやるの!」

A子 「半分寝ぼけつつ?」

B男 「そこは頑張って起きてて!」

A子 「夜でもたいしたことないよ、墓地くらい」

B男 「だから、最初に怖い話とかを聞かせておくんだよ」

A子 「このまま少子化が進むと、年金がもらえなくなる可能性が……」

B男 「そういう怖さじゃない! 怪談話!」

A子 「なんか、墓地的なとこ歩いてたら、なんかドローってしたのが、なんかバーンと出てきて、なんか、超怖かった」

B男 「怖くねぇわ! 話しベタか!? あと、『なんか』が多いわ!」

A子 「子供達ガクブル」

B男 「純粋な子供達でよかったな!」

A子 「生まれてこなければよかったと思うほどの恐怖」

B男 「そこまで怖くはないからね! 目印のろうそくを本堂に立てて、戻ってきたらお菓子もらえるから!」

A子 「けど、少子化の影響でリターンがもらえない子も出てくるんでしょ?」

B男 「年金の話を引きずってるのかな!? 大丈夫、ちゃんともらえるから!」

A子 「なんでこんな目に……」

B男 「どこまで悲観的になってんだ!? 夏の風物詩だから、軽いノリでやればいいんだよ!」

A子 「そうだね。じゃあ、ちょっと化けて出てくるよ」

B男 「だからそっちは風物詩じゃねぇってのに! もういいよ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ