プロローグ
「ここだな」
今俺は、とてつもなくでかい建物の前に立っている。建物の名は、「聖クロスティア学園」
入り口にある門を見上げ、溜め息をつく。
入試の時に1度来たが改めてデカさを感じるな、
世界一の学園ってのも納得出来るな。
昔は、もっとでかい都市があったのだが、2年くらい前に魔物の襲撃を受け消失。
今じゃ、この聖クロスティア学園を含む都市「ヴァルナハルト」が世界で一番デカい。
「あの?なにかご用意ですか?」
門前でボッーとしてる俺を見かねたのか、学園側から一人の女性が声をかけてきた。
この女性、たしか入試の時に学生達を会場まで誘導していた人だったな。
俺は無表情から笑顔を作り
「すいません。私今度こちらに入学する
イオ・フェルストと申します。
入学前に学園長さんにご挨拶したいと思いやってまいりました」
そう、俺は今年からこの、聖クロスティア学園に入学する新入生だったりする。
入学する学園の学園長に挨拶なんて普通はしないのだろうが、俺には別の理由もある。
「えっーと、イオ・フェルストくんですね。
ちょっと待ってください」
女性は、何もない所から何枚かの紙を出して一枚ずつ確認している、たぶん今年の入学者のリストかなにかだろうな。
おっ、次はペンを取り出してリストを上から順にチェックしてるぞ。どこまで見たか忘れたのだろうか?
それにしてもこうして客観的に見ると「聖法」って便利だな。自分で作った空間に物を入れて出したいときに出せるんだから。
もうカバンとか時代遅れって感じだ。