凡人な先輩と美少女な後輩は異世界で
まず第一話は、言葉のみです。
これで周囲の状況やそのほかをどこまで表現できるか試してみたくて作ってみました。
奇数話は言葉のみとさせていただきます。
偶数話はいつもどおりの千文字クオリティとさせていただきます。
「先輩、ここはどこでしょうか?」
「後輩、ここは異世界というところじゃないのだろうか」
「じゃあ、そこにいる人はなんなのでしょうか」
「多分召喚者なんだろうな」
「なんであんなにおどろいているのでしょうか?」
「多分、彼女は学生で下級の何かを召喚しようとしていたんだろうが人型なんていう上位の存在が出てきて混乱の極みに達しているんだろう」
「先輩、誰か入ってきました」
「あの服装と格好からするに多分教師だな」
「生徒を下げながら、私たちを睨んでいるのですが」
「こっちは何もする気がないけど、よくわからない言葉でしゃべていたらこわくないか?」
「つまり私たちの会話は、彼らにとって未知の言語だと?」
「そうなるな、まあ異世界もので意思疎通ができるのかできないのか、一番初めに分かれる最初の分岐点なんだが俺たちは後者らしい」
「それとですね先輩、先程から気にしないようにはしていたんですが、私たちの周りをふよふよ漂っている。この光の玉は何なんでしょうか?」
「さあ?現状では、推測する材料が少なくて分からないけど。教師っぽい人の反応を見る限り、何か悪いもんではなく逆に神聖なもんとか、尊いもんなんじゃねえのか?」
「先輩光の玉が丸を描いてるように集まってきてるんですが」
「少なくとも、こっちの会話は聞こえているようだ。…なら少し質問だ。あんたたちは呼ばれたのか?」
「×違うみたいです」
「じゃあ見えるようになったのか?その力の持ち主は?」
「まるかいて、私に矢印が出てます」
「んまぁ、そうじゃないかとは思っていた。後輩、足元見てみろ」
「あ、足元の魔法陣、私が中心ですね」
「『済まないが、この言葉が聞こえるだろうか』」
「日本語でしょうか?」
「いや口調から察するに、この光の玉に話しかけるときに使われる言葉なんだと思う」
「丸、正解みたいです」
「『どうやら君達は精霊語で喋っているようだがこちらの言葉は知らないのか?』」
「さすがに頭のいい方の私でも、異世界の言葉は無理です」
「いやそれはおかしいぞ後輩、お前より上なんて指で数える程しかいないだろ」
「先輩、そういう意味で言ってるわけじゃないんです。私の言う頭の良さから言えば、やっぱり先輩は私の飼い主にふさわしい人なのです」
「今時、忠犬なんてはやらんだろ」
「そーゆーセリフは、これを私がつけてしまう前にゆうべきですよ」
「俺がいない時につけたくせに、詐欺師め」
「確信犯と呼んでください」
「『あ~、すまん今から翻訳魔法をかける。生徒たちには変なことを教えんでくれよ』」
「すみません、努力はします…先輩が」
「俺か、まあそうなるよな」
「『では行きます。精霊に願います。かの者達と対話を』」
「精霊さんわかったーって言いながら魔法陣描いてるんですけど」
「すまん。言葉まではわからん」
「これで通じるようになった。この度は異世界から無理やり呼んでしまい申し訳ありません。返したいのは山々なんですが」
「返すための送還陣がわからない、ですか?」
「そうです。召喚のための陣は数多くまた様々な目的や用途で使われます。ですが」
「送還する意味はないということで考えられていない…と?」
「そうです」
「どうしましょう先輩、私たち日本に帰れないみたいですよ」
「後輩、そんな笑顔で言ったら悲壮感なんて出ないぞ。檻から出られたんだからここで暮らしていこうってしか考えてないだろ」
「ばれましたか」
「もう少し演技が上手かったか、俺と後輩の暮らしてた時間が短かったなら、騙されてたかもな」
「そうですか、とゆうわけですので詳しい事情は話せませんがここで暮らすことに何ら問題はありません」
「「ありがとうございます」」
「先生はともかく、なにゆえ生徒さんまで?」
「私がここに来たのは、先生以外には話してないんです。諸般の事情から私がここに来てはいけないことになっていますから」
「じゃあ、むしろ人で助かったのかもしれませんね」
「?」
「あなたがなにか連れてきていたらその出自を探るものがいるかもしれません、その点人ならば、あなたが召喚したという明確な証拠を突きつけられない限り、いくらでもごまかしようがあります。そのためには、先生ちょっとお願いいいですか?」
「なぜだろうね。とてもやな予感がするよ」
「簡単なことです。ちょっとこの学び舎の学生が増えるだけですよ」