2/4
第二章 塔の書庫
塔の扉は開いていた。中は涼しく、埃の匂いがする。螺旋階段を上ると、広い書庫に出た。天井まで届く本棚が円形に並び、中央には古い机が置かれている。
机の上に、一冊の分厚い本があった。表紙には読めない文字。だが、触れた瞬間、文字が溶け、意味が頭に流れ込んできた。
《契約の書》。
それは、この世界で生きるための規約であり、力の選択でもあった。私は理解した。この世界では、意思が力になる。選択すれば、能力が与えられる。
だが、代償がある。
私は迷った。強さか、安全か。目立たずに生きるか、世界を変えるか。
ページをめくると、一行だけが光った。
《編集者の眼》。
それは、世界の出来事を「物語」として読み取り、修正点を見抜く力。派手ではないが、致命的な破綻を防ぐ。私はそれを選んだ。




