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星神のアポロン  作者: 亜真 メト
第一章 学園入学編
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第七話【Who are you ?】


 ――気配がなかった。そいつは当たり前のような顔をして紛れ込んでいた。


「あなた、一体何者なの」


 エイナがそう問いただした時、少年は口角を上げた。まるでおもちゃに目を輝かせる子供のように。


「俺はキマイラ。よろしく、お姉さん」

「……とりあえず、その少年をこっちに渡してくれる?」

「ん、いいよー」


 肩に担がれている生徒は後ろ姿しか見えていなかったため、誰だかは分からなかったが、少年が抱き方を変えた時、その顔が見えた。

――リレール‼︎

 心臓が激しく鼓動する。ヴォルークは、今すぐにでもその少年からリレールを引き離したい衝動に駆られた。だが、それは遮られた手によって憚られた。

 エイナが、ヴォルークとスピネルにアイコンタクトをする。おそらくは、ここで待っていろと訴えているのだろう。エイナは小さく頷くと、少年の方へと向き直った。それと入れ違いになるように、スピネルが横たわるアルナの元へ駆け寄る。


「ほい」


 少年が気絶しているリレールを両手で渡す。同じ……いや、少年の方が幾らか小さいくらいの背格好だと言うのに、まるで本でも渡すかのように軽々とやってのけている。

 エイナは地面、空中、木々――あらゆるものを警戒した。両手がリレールによって塞がっているため、目に見えての攻撃はされないだろうと思いながらも少年に近づく。そして――。

 

 ――爆発。

 

 やはり何かを仕掛けていた。とてつもない轟音と共に、目の前には土埃が舞い、暴風が吹き荒れる。ヴォルークは咄嗟に視界を腕で覆った。しっかりと踏ん張っていないと吹き飛ばされてしまいそうだ。


「――くっ! リレール‼︎」


 爆発が起きたのは少年がいた位置。間違いなく彼女には直撃しただろうと思いながらも、リレールのことが気がかりだった。

――巻き込まれたか……⁉︎

 気絶している彼には防衛の術がない。とはいえ、例え起きていたとしてもあの爆発を無傷で防ぎきれるとは思えない。どちらにしろ、ヴォルークの不安は絶えなかった。


「――だから言ったのにさ! よろしくって。あーあ、せっかくの夜巡隊なのにこんなに弱いなんて思わなかった! ――ね、君たちもそう思わない?」


 口角を上げながら二人を見るその両手には、無傷のままのリレールが抱えられていた。ひとまずヴォルークは息を吐く。だが、状況は悪化の一途を辿っていた。

 ヴォルークは最小限の動きで背後を見る。すると、そこには地面に仰向けになって倒れているエイナの姿があった。


「……なっ⁉︎」


 思わず息が詰まる。いくら万全ではなかったとはいえ、警戒していた夜巡隊を一撃で気絶させるほどの威力。まず間違いなく、自身が一撃を喰らったら四肢が弾け飛ぶ。そう確信した。


「おい、スピネル!」


 ヴォルークはできるだけ小声で発する。幸いにも、少年との距離は十メートル程度離れている。この大きさなら聞こえないと踏んだのだ。


「お前はこのことを先生に伝えてこい! その間に、俺が足止めを……」

「――馬鹿なこと、言わないでくれる……?」


 背後から声がした。ヴォルークが慌てて振り返ると、片足を引きずるエイナの姿があった。顔は俯いていて、立っているのがやっとの状態に見える。


「それは私の役目……! ガウフさんに伝えるのは、あんたたち二人で行きなさい……‼︎」


 ヴォルークは唇を噛み締めた。そんなボロボロの体で何ができる、そう言いたい気持ちを押し殺した。


「私の役目はあんたたちの監督と、警護! どんな状況であれ、夜巡隊としての責務は全うする‼︎」


 その瞳には、自身が持ちえなかった覚悟が宿っていた。ヴォルークはその場をエイナに明け渡すように、ソルの元へ駆け寄った。


「おいスピネル、俺らは今のうちにこいつらを逃すぞ。ここにいると巻き込まれる可能性もあるし、見るからにヤバそうだしな」


 そう言うヴォルークの目線の先には、顔を赤く染めて息を荒げるアルナの姿があった。スピネルもその判断に異論はないようで、焦りを抱えた表情で頷く。

――本当なら、リレールも連れていければいいんだが……‼︎

 ソルを背中におぶさり、桃髪の少年の近くで横たわるリレールを見た。一向に目を覚ます気配はない。あの張り詰めた空間で、リレールを助けに行けると言えるほど、奢ってはいなかった。それ以前に、桃髪の少年がその隙を自分程度に与えてくれるかすら分からない。

――ここは、夜巡隊に任せるしか……!

 悔しさで奥歯を噛むと、エイナがヴォルークを一瞥した。その瞳は、任せておきなさいとでも言っているようだ。その瞳を見たヴォルークは、小さく頷いた。


「……行くぞ!」


 ヴォルークはスピネルに合図し、駆け出す。それと同時に、背後で地面を抉るような音がした。



 ヴォルークたちが駆け出すのと同時に、エイナは刀で地面を抉る。二人の背が見えないように、目眩しを撒いたのだ。気づけば、桃髪の少年は抱えていた白髪の少年を地面に降ろしている。そして満ち満ちた表情でエイナを見据えていた。


「やる気だね、お姉さん――って、ああーっ‼︎」


 目を細めて、挑発的に笑ったかと思えば、今度は気の緩んだ声で叫んだ。少年は目眩しの方向に人差し指を向けている。


「もう! 遠くに行かれると困るのにぃ‼︎」

「あら、困るってどういうことかしら!」


 エイナは刀を構え、少年に切り掛かる。だが、いつの間に持っていたのか、両手に所持したナイフで攻撃を防いでいた。キィイン――甲高く、刃物どうしが擦れ合う音が響く。

 軽率な発言に、一貫性のない態度。まるで子供のそれだ。見た目は13、14歳と言ったところだが、それよりも幾分か幼く思える。


「んんー、邪魔だなあ。夜巡隊は殺せって言われているけど、これじゃあ任務ができないよ」


 明らかに不服そうな表情をする。だがそんな態度よりも、少年が口にした言葉にエイナは思考を巡らせていた。

――狙いは、夜巡隊を殺すこと? けど、そしたら言葉の辻褄が合わない。任務ってのは、私たちを殺すこと以外にあるってことかしら。よし、このまま色々喋らせて情報を引き抜いた方が良さそうね。

 エイナは刀に一層力を込める。


「そんなにあの子たちが気になるのかしら! お生憎ね、あの子たちはさっき私に負けたばっかりで、あなたが期待するほどとは思えないけど?」

「別に実力なんてどーでもいいよ。それに、寝込んでた子の方が良さそうだったし」


 その言葉に、エイナは心臓が跳ねたような気がした。だが、すぐに深く息を吐く。

――落ち着きなさい。狙いがアルナ単体だった場合、私や他の子なんか気にせず、とっとと捕まえればよかったはず。それをしないってことは、他にも目的があるか、あの子以外にも目標がいるってこと。何にせよ、その任務とやらに生徒が関わってるのは間違いなさそうね。とりあえず、優先すべきは生徒の保護。そのためにも、こいつをなんとしてでも足止めする!

 エイナが刀を弾こうとした瞬間、そこにあったはずの硬さが突如として消え、エイナの体は前方へと傾く。


「よっと!」


 少年はまるで兎のように体を翻し、一メートルほど後方へ下がる。エイナは体勢を立て直すと、再び刀を向けた。その束の間、少年は両腕を広げた。

 何か来る。そう確信した瞬間だった。空中には、シャボン玉のような物体がフワフワと無数に浮いていた。


「どいつもこいつも、似たような技を使うわね」


 エイナは距離を取ろうと片足を一歩ずらす。しかし、足に触れるギリギリの位置でシャボン玉が漂っていた。焦燥感を抱くも、気づけば周囲にはそれらが漂っていた。


「さっきの爆発、すごい威力だったじゃない。もしかしてこれもそうなのかしら?」

「あったりー! さすが夜巡隊だねえ。経験則ってやつ?」

「難しい言葉を知ってるじゃない。ってことは、下手に触れたら爆発するわね……」


 そう言って身を縮めたとき、少年は笑った。


「大丈夫――」


 エイナが瞳を動かすのと同時に――。


「――勝手に爆発してくれるから‼︎」

 

 シャボンは、爆音を起こしながら起爆した。透明な爆風は、土煙を巻き上げながら茶色に染まっていく。

 

「――ぐあぁっ‼︎」


 幾度となく爆音が鳴り響く。その音に紛れ、呻き声が響く。まるで爆発の檻に入れられたかのように、エイナの体は四方八方へと飛ばされる。


「……っ、ハッ、ゲホッ――‼︎」


 絶え間ない爆発が止んだ頃、土煙の中から人影がゆらゆらと揺れていた。


「すごいね、お姉さん。あれ受けて五体満足なんて」

「……っ‼︎」


 だがしかし、刀を支えにかろうじて立つエイナはフラフラとしている。終いには、咳き込む勢いと共に吐血する。

――ふざけんじゃないわよ! こっちは、肋が折れて重症だって言うのに……!

 ぼやける視界で睨みつけたその姿は、土埃すら付いていない。口内の至る所から唾液とは違った感触を感じながら、歯を食いしばる。もはや慣れてしまった血の味には、何も感じない。


「もうちょっと楽しみたいけど、お姉さんそろそろ限界だよね?」


 いつも、理不尽は突如として現れる。その不合理さに、どれだけの命が奪われてきたことか。エイナはその憤慨を抱えたまま、少年に切り掛かる。


「おっと! お姉さん、動きが大雑把だよ。それじゃあぜんぜん――!」


 その時――少年の頬に一筋の血が滲む。攻撃を躱し、少年が見据えた先には――刀を双剣に変えたエイナの姿があった。


「いつ持ち替えたんだろ。全然見えなかったや」


 頬の血を親指で拭う少年の瞳は高揚感に溢れ、自然と顔が綻んだ。


「……ふぅ」


 エイナは構えを変え、少年を見据える。

――今度は、あんなヘマはしない。この一年、どれだけ血反吐を吐いてきたか。この程度の怪我で足を止められるほど、ぬるい場所で生きてきたつもりはない!

 少年は至極楽しそうに、再び両手を広げた。まるで、期待に応えようと張り切る子供のそれだ。


「今度は捌ききれるかなあ⁉︎ この――透明な爆弾を‼︎」


 目を見開いた。確かに、そこには先ほど存在していたシャボンは存在しなかった。

 瞼を閉じる。微小な振動すら感じ取れるように、感覚を研ぎ澄ませる。布が肌に触れた瞬間、空気が揺れた瞬間――そのコンマを感じ取るために。

 

 ――エイナは星神力が少ないためか、星神力を使った技術を苦手としていた。星神術を持たない者も多い夜巡隊でも、それは異端なことだった。しかし、彼女が入隊一年余りで隊長、副隊長と肩を並べられているのは、その余りある体術センスにあった。彼女は苦手の克服には目もくれず、体術を伸ばすことだけを行った。結果――体術のみならず、その知覚機能すら人間の域を越えた。


――吐息すらも遅く感じる。探知はできなくとも、空気が揺れたその一瞬を感じ取ればいい。そして、その瞬間――その場所を斬る。空気が揺れた瞬間、その場所だけ歪んで見えた。

 水のようなものが弾け飛び、一気に広範囲へ広がる。それが連鎖した結果、あの高密度の爆発の檻が出来上がる。

――なるほど、水蒸気爆発か。すごいわね。たった十数歳の子供が、こんないくつもの属性を掛け合わせた術を使えるなんて。さしずめ、水蒸気爆弾かしら。

 感嘆しながらも、エイナは空気中で水分が集まっている場所を斬る。右、後、左奥、手前――まるでそこに吸い寄せられているかのように、空間を切り裂く。その動作は流れる水のように、優雅だった。


 

「――無我専心(むがせんしん) “流水”」


 

 一瞬にして、全ての水蒸気が弾け飛んだ。少年は、何が起こったのか理解できず、その場で立ち尽くす。


「……は?」

「観念しなさい」


 双剣を刀に戻したエイナは、その切先を少年に向ける。刀身が、少年の首のすぐ真横で止まる。死命を制するのは自分であると、少年に分からせるために。


「――はは、あはははは‼︎」


 自暴自棄にでもなったかのように、少年は高笑いをした。クツクツと喉を鳴らし、腹を抱える。再び何かしでかす気なのかと、エイナはその一挙一動を凝視した。


「さすが、さすがだよ! こうでなくっちゃ面白くない‼︎ ……でもさあ、お姉さん」


 天を見上げた顔を両手で覆い、背後を振り返った少年の指の隙間から見えた瞳は――あの時と同じく、黒く澱んで光っていた。


「――向こうと分断して、よかったの?」


 その笑みに、静まりかけていた鼓動が急速に音を立てた。



✤✤



 木々の中を駆ける。背後から爆発音が聞こえるたびに、振り返りたくなる衝動を堪えて前を見る。しばらく走っていると、唐突にスピネルが声を潜めて言った。


「……ちょっと待って」


 ヴォルークは思わず足を止める。何か起きたのかと後ろを振り返るが、彼女は息を潜めたまま前方を注視していた。


「あそこに、誰か……いる」


 ヴォルークが再び前方を見るのとほぼ同時に、スピネルが呟いた。ヴォルークも、彼女が指を示す木々の隙間を凝視する。

 するとそこには彼女の言う通り、ざっと二、三十メートル程度先に人影があった。その正確な姿形は分からないが、どうやらしゃがみ込んで地面に何かをしていると言うことだけは分かった。


「夜巡隊の人……じゃ、ないよな」


 白いジャケットを着ている夜巡隊とは裏腹に、その人影は黒いコートのようなものを着ている風に見えた。


「もしかしたら、さっきの奴の仲間かもしれない……」

「確かに。先生でもなさそうだ」


 ヴォルークとスピネルは互いに同じ結論に至る。二人は互いに一瞥し合った後、その場から離れようと再び足を動かす。だが。


「――ちょっと待ってくれるかい?」


 木々の隙間から、聞き覚えのない錆のような太い男の声がした。二人は息を呑む。嫌な汗が全身から吹き出し、背筋に何かが走ったような感覚を覚えた。ヴォルークは浅く小刻みに呼吸を繰り返す。だが心臓が鳴り止むことはない。


「先を急いでるところ悪いね。ちょっと協力して欲しいんだけど」


 体を動かすことすら躊躇われる。その口調とは真逆に、周囲からは殺気にも似た何かが立ち込めていた。その緊張感にくらりと眩暈がする。まるで酸素が薄くなったかのように、呼吸が浅くなる。心なしか、周囲の木々が地面と同系色になってぼやけていく。

――違う‼︎ 土煙が撒かれてやがる!

 ヴォルークは慌てて前方に星神力を放つ。すると、霧が晴れていくかのように周囲の景色が鮮明になった。


「おっと、気づかれちまったか」

「ハッ、ハァ……‼︎ おいスピネル! 息してるか⁉︎」

「なんとか……それより、アルナの方がまずい」


 スピネルは背中にかかる吐息が、咳に変わったことに焦燥感を強くした。こうして背負われているだけでも、体力を消耗してしまうのだろう。


「ああ、そうだな。……くそっ、なんでこんな時に」


 悪態を吐きながらも、ヴォルークは再び周囲を警戒する。先ほどのように気づけば意識を失いかけていた、なんてことにならないためにも。

 先ほど見えた木々の隙間を見ると、そこに人影などはなかった。

――どこ行った⁉︎

 敵が見えない時ほど恐ろしいものはない。近くにそびえる木々の一本一本を流し見る。だが、どこにも人影らしきものは見えない。


「――そっちじゃないよ」

「っ……⁉︎」


 ヴォルークは勢いよく振り返る。今度は背後からだ。まるで耳元で囁かれたかのような不快感だ。


「い、ない……?」


――どういうことだ。確かに、後ろから声がしたはず……

 ヴォルークは一層恐怖心を募らせる。


「おい、スピネル。お前は何か……」


 自身の後ろにいた彼女なら何か見えたかもしれないと思い、背後を振り返る。だがその先にいたのは地面に伏すスピネルの姿だった。


「――なっ‼︎ お、おい!」


 ヴォルークは慌てて駆け寄る。ソルを一旦地面に降ろし、倒れたままアルナを背中に抱えるスピネルの肩を揺らすが、応答はない。完全に気絶していた。

――いつやられた⁉︎ 倒れる音も聞こえなかった……! くそっ、一体どうなってる!

 見えず、感じ取ることもできない敵。気がつけば背後を取られている恐怖。ヴォルークは地面を見つめ、項垂れる。

――死ぬのか、俺は。こんなところで。何もできないまま、何も知らないまま……‼︎

 ヴォルークは拳を握り締める。深く息を吐いて、立ち上がった。

――なんのために、ここに来たんだ。この程度の死線、いくらでも潜り抜けることになるんだ。死ぬ覚悟なら、してきたはずだ‼︎

 地面に伏す三人を、近くの木にもたれ掛からせる。ひときわ息を荒げるアルナに、自身のローブをかける。

 ザッ――土埃をたて、ヴォルークは目の前を見据えた。


「――こいつらに、手は出させねぇ……! 俺が相手してやる‼︎」


 その瞳には、明らかに覚悟が宿っていた。

――まず状況を分析しねぇと。

 ヴォルークはこの数分間に見聞きした情報を整理する。

――木の隙間から見えたのは、おそらくダミー。それか土埃に俺たちの視界を奪わせている間に逃げたか、だ。どんな奴かは知らないが、おそらく【土】の属性をメインに使うタイプか。くそっ、完全に向こうが有利だ。とりあえず、本体を見つけ出さねぇと……!

 やはりと言うべきか、見えるところにそれらしい痕跡はない。ヴォルークは三人を一瞥すると、その場から駆け出した。何かが起きてもカバーできるギリギリの範囲まで下がる。


「どこにいる! 隠れて高みの見物か⁉︎」


 一帯にヴォルークの声が響く。それは次第に木々の隙間や地面へと霧散していく。だが、男からの反応はない。

――さすがに挑発には乗らねえか。仕方ねえ。

 ヴォルークは地面に手を置き、星神力を流す。範囲としては、ヴォルークを中心に半径三メートルといったところだ。

――俺はあいつほど星神力が多いわけじゃない。だが、少なくともこの一帯の土は使えなくなったはずだ!

 ヴォルークが自身の星神力量の約四割を地面に放出したのは、先ほどの土煙を出させないためだった。


「……まったく、最近の子供は賢いね」


 やっと声がした。だがその声は木々の間を拡散していて、居場所は掴めない。とはいえ、その言葉から先ほどの行動は効果があったことは分かった。

 ヴォルークは深く息を吐いて目を閉じた。ファインティングポーズにも似た姿勢で、感覚を研ぎ澄ませる。



 妙な体勢で立ち尽くしたヴォルークを、男が見ていた。

――すごい集中力だ。こりゃ将来有望だね。とはいえ、だったら尚更こっちの任務に協力してもらおうか。

 ヴォルークの背後から数メートル離れた位置の土が、音も立てず盛り上がっていく。それは次第に円柱を二つ形成し、伸びていく。その先端同士が一定の場所で繋ぎ合わさると、ヴォルークのうなじを見下ろせる高さにまで盛り上がった。――そこには、顎に薄く無精髭を生やし、口元に古傷を負った金髪の男が立っていた。

――仕事は効率よくってね。

 男は一太刀、手刀をヴォルークの首筋に向けて放つ。だがその時。青い瞳と視線が合致した。


「――!」


 そして男が放った手刀は――ヴォルークの片手によって遮られた。



「――これでもう、逃さねぇ‼︎」


 男の片手を掴んだヴォルークは、そのまま自身の方へと引っ張る。ガラ空きの鳩尾に、構えたもう片方の拳を向かわせる。


「おっと」


 だが期待していた手応えは感じず、代わりにヴォルークの拳が握り返される。


「――ッチ!」


 半回転をかける勢いで拘束を抜け、飛び退けるように数歩後ろに下がる。その際、掴んでいた男の片手を離してしまった。とはいえ、あのままの体勢が続けば、男がヴォルークの拳を離すことはなかっただろう。

 ゴウゴウと炎の燃え上がる音が響く。ヴォルークの体は燃えるように熱くなっていた。


「へえ、君――狼人族だったんだ」


 男の目の前には、頭部に生える獣耳から炎を巻き上げ、拳を握る狼人族の少年の姿があった。瞳孔は開き、まるで獣が標的を見定めたような威圧感だ。先ほどまでの少年とは、まるで違う――男は目を細めた。


「――ハァッ‼︎」


 次の瞬間、目の前に迫る。男はわずかに反応が遅れ、ヴォルークの拳が男の頬に掠った。チリッ――という焼けるような痛みに顔を顰めると、本来なら殴られた跡ができるはずの場所には、小さく焼け跡があった。


「こりゃ、煙草を咥えとくんだった」


 土埃を立てながら背後に飛び退いた男は、頬をひと撫でする。焼け跡を残したヴォルークの五指の爪には、赤い炎が宿っていた。


「……君のその力、狼人族のみが使えるとされる“焔狼(ブレイズ・ロウ)”だろう? その歳で使えるとはね」

「よく分かったな」

「似たような能力を使う仲間がいるんでね」


 その言葉に、ヴォルークは一瞬口を開いた。だがすぐにその可能性を打ち消し、再び前方に向かって地面を蹴る。拳を握った瞬間、爪先にのみ宿っていた炎が拳を包み込む。


「うおぉお‼︎」


 先ほどとは比べ物にもならない速度で、連撃を繰り出す。その拳が伸ばされる度に、その軌道には炎の残像が残る。男はその炎の中心が、赤から青に変わりつつある事を見逃さなかった。

――攻撃をするたびに炎の火力が上がっている……やはり体内の星神力に【火】の属性を付与して、エネルギー代謝を無理矢理上げているのか。だとすると。

 男はヴォルークの攻撃を交わしながら、微かに指先を動かす。それに合わせるように、地面の土が二人の周囲を囲むように舞う。


「また目眩しか⁉︎ 悪いが今の俺には通じない!」

「それはちょっと違うかな」


 男が口を閉じた瞬間――周囲に舞っていた大量の土が、ヴォルークの腕や足を拘束する。それらは大量の土は地面から連なっていて、ヴォルークは足を宙に浮かせた。


「――これは⁉︎ くそっ、外れねえ!」

「悪いけどおとなしくしてもらうよ」


 いくら腕や足を動かしても土の拘束が外れることはなかった。とはいえ、それだけで捕まるほど、ヴォルークも柔ではなかった。


「――ふっ‼︎」


 男がヴォルークに腕を伸ばそうとした瞬間、土の拘束はヴォルークが腕を振り払うのと同時に破壊される。残像を残した炎は、拳の倍ほどの大きさになっていた。そしてその中心は青い炎に変わろうとしていた。


「――はあぁあ‼︎」


 その勢いのまま、ヴォルークの拳は――男の腹を貫いた。


「……ほんと、最近の子供はすごい」


 人の腹を貫いた感触にヴォルークは顔を顰める。だが、その体から血が出ることはなく――砂のようにハラハラと地面へ崩れていった。


「――なっ⁉︎」

「これ以上時間はかけられない。悪いが、本気を出させてもらう――」


 目の前の光景に目を見開いていると、背後から男の声がした。

――いつの間に……⁉︎ っ、まずい。避けられない――‼︎

 男の手刀がヴォルークの首筋めがけて放たれる。ヴォルークが奥歯を噛み締めた――その時。


 ――男の胴体が、真っ二つに抉られた。上半身と下半身が両断されたが、そこから血は一滴も出ず。代わりに、砂のように男の体がサラサラと地面に崩れ去った。


「……土人形、だったのか」


 いや、それよりも。ヴォルークは、男の胴体が貫かれる直前、一瞬何かが見えた気がした。――光だった。一筋の光が、突如として右側から放たれたのだ。

土人形が倒されたことにより、拘束が解ける。宙に放り出され着地したヴォルークは、一直線に抉れている地面の先を見た。そこには。



「――ソル……?」



 片手を伸ばし、ぼうっと立っているソルがいた。意識が戻ったのか、そう言おうとしたがヴォルークは口を閉じた。

――すげえ。でも、何か。

 同じ服装に赤髪、赤眼――だが、そこに光が宿っていないような気がした。まるで夢遊病だ。

 ソルに気を取られていると、自身に大きな影がかかっていることに気づく。


「またか‼︎」


 ヴォルークが臨戦体勢をとろうとした束の間――再び一筋の光が男の胴体を貫いた。


「――なっ⁉︎」


 だが、やはりそれも土人形。ボロボロと土の色となり崩れ去る。崩れたそばから生成される土人形を、ソルがすぐさま破壊していく。何体も、何体も。

――おかしい。何かが、違う……ほんとに、こいつはソル自身なのか?

 目の前の光景に圧巻されつつも、作業のように行われる淡々とした動作に、ヴォルークは違和感を覚える。

――分かってる。これは土人形で、痛覚はない。血も出なければ意識もない。分かってるんだ、そんなこと。

 矛盾した気持ちを抱え、ヴォルークは拳を握る。なおも生成される土人形を、淡々と処理するソルの姿を見ながら。

――星神術者として、それを目指す身としてなら、きっとこの行動は正しいはずだ。けど……‼︎

 気づけば、ヴォルークは駆け出していた。形容し難い感情に、己の正気を疑った。だが、それでもこれは自分がやらなければならないと思ったのだ。


「――ソル! 聞こえてんのか⁉︎ もういい! あとは俺がどうにかするから‼︎」


 片腕を伸ばし、星神力を放ち続けるソルの背後でヴォルークは必死に訴える。しかし、まるでそれが聞こえていないかのように、ソルは無反応。


「この、分からずやが‼︎」


 痺れを切らしたヴォルークは、背後からソルを羽交い締めにする。その勢いのまま、二人は地面に倒れ込む。


「おい! もういい! やめてくれ‼︎」


 腕を抑えられてもなお、星神力の操作をやめなかった。固定されていない手首から指先を使い、操作していた。今度は星神力を光の玉のように空中で凝縮させ、生成される土人形めがけて放った。再び、土人形の胴に風穴が空く。

――何やってんだ、俺。敵を倒すことを止めるなんて、頭でも打っちまったかな。

 心の中で嘲笑する。だが、その拘束を緩めることはなかった。

――分かってる。これは俺が嫌だから止めてるんだ。こいつが簡単に人を殺す光景を、見たくなくて。きっと、このままこれを続けたら、いつかこいつは踏み越えちゃいけない一線を見失う。それだけは、ダメなんだ。

これは俺のエゴで、自己満足だ。分かってるさ、そんなこと。それでも、俺は――ソルには清廉潔白な道を歩いてほしい、と思ってる。きっと、俺には無理だろうから。


「――正気に戻れ‼︎ ばかやろう‼︎」


 ヴォルークは首を大きく仰け反らせ、勢いのままソルの後頭部に頭突きをした。



❂ ❂



――目を覚ますんだ。


 だれ?


――今起きなければ、もう間に合わない。


 どういうこと? 君は……一体。

 フワフワとした感覚の中で、頭に響く一つの声。聞いたことのない声だ。優しくて、でもどこか威厳のある男性の声。僕はぼんやりとする意識の中、目を開けた。目の前は真っ白な空間で、上も下も右も左もわからない。自分がどこに立っているのか、何をしているのかすら。

 そうだ、確か今……課外授業中で。


「アルナさんとスピネルさんは⁉︎ あの後どうなったの⁉︎」


 ハッとして、思わず大声を出す。だがその声は反響するどころか、何もない空間の遠くで霧散していった。


――今、君の仲間や友達が敵に襲われてる。


「敵⁉︎ 敵ってどういうこと⁉︎」


――言葉の通りだ。詳しく説明をしている暇はないんだよ。


 訳がわからなかった。ここはどこ、君はだれ? 聞きたいことが山ほどあった。けど、そんなことよりも。


「さっき、間に合わないって言ってたけど……どういうこと?」


 僕は息を呑んだ。答えを聞く前から、嫌な感覚がお腹と脳みそを行ったり来たりしてグルグルしていたから。


――襲ってきた敵の一人と、狼人族のお友達が戦っているんだ。けれどきっと、彼は負ける。君たちが戦うには敵が強すぎるんだ。


 狼人族の友達――ヴォルのことだ。グルグルとした気持ち悪い感覚が一層強まった。


「……間に合わないって、まさか」


――分からない。殺されるにしても、殺されないにしても、きっと最悪の結末になるだろう。


 僕の言葉を遮って言われた言葉に、やっぱり僕は、気持ち悪い感覚を覚えた。それだけじゃない、心臓の音もバクバクとしていて、体に悪寒がした。

 ヴォルが殺される――例えその可能性がなくても、彼の言う『最悪の可能性』が何なのか分からなくても、それは僕を心を抉るには十分だった。


「どうすれば、止められるの? それを……僕は止められるの?」


 この空間がどういったものなのか、彼が何者なのか、僕は知らない。けど、ここに来た意味は何となく分かった。


「教えて! 僕にできることがあるなら‼︎」


 前方を見た。声がどこから聞こえてくるのかは分からなかったけど、何となくそんな気がしたから。


――いいだろう。今から君に、この力の使い方を少し教えてあげる。


 その声の後、僕の意識は再び暗闇の中に入っていった。



 次に目を覚ますと、まるでレンズを挟んでいるかのように目に映る光景に違和感があった。そして納得のいかないまま目の前を見ると、そこには知らない金髪の男に捕まっているヴォルの姿があった。声を発する間もなく、男の手刀がヴォルの首筋めがけて放たれる。


――ヴォル、逃げて‼︎


 声は出なかった。けどその代わり、咄嗟に伸ばした手のひらから――一筋の光が放たれた。


――え……?


 僕は唖然とした。放たれた光は、瞬きの間に男の胴体を貫いたからだ。ヒヤリと体の中が冷えた気がした。さっきとはまた違った、嫌な、気持ち悪い感覚に襲われた。


――どうして。僕は、そんなつもりじゃ……‼︎


 恐怖した。エイナさんとの戦闘で決めたはずの覚悟が揺らいだ。殺しちゃいけない、そう決めたばっかりなのに。その時、再び声がした。


――落ち着いて。あれは人じゃない、ただの土人形だ。


 土、人形……? 体の震えが少し収まったような気がした。

 再び目の前を見た時、今度はヴォルの後ろに土人形が現れた。ヴォルは気づいていない、まずい――! そう思った時にはすでに光が放たれていた。

また、あの感覚。手に残る不快感に、僕はたじろいだ。


――いいかい。さっきの攻撃も今の攻撃も、君の意思でやった訳じゃない。君の体を使って、この力の使い方について教えるためにやっているんだ。嫌な思いをさせてしまってすまないが、今はこうするしかない。それに、君がもう二度とこの感触を味合わないようにするためにも、この力を使いこなすしかないんだ。


 力を、使いこなす……


――そう。この力は唯一無二のものだ。それ故に強大な力でもある。


 ねえ、この力って一体何なの? 他の人の星神力には濃淡の差はあるけど、確かに色があった。でも僕の星神力は真っ白だ。それに他の属性を僕は使えない。どうして?


――すまない。君にはまだ、それを教えられない。けれど、これだけは覚えておくんだ。この力は唯一、人を救える力だ。もし君が心の底から誰かを救いたいと思った時、この力を使いなさい。きっと、この力は応えてくれるから。


 ()()教えられない? それはどういうことなのか、僕が口を開こうとした瞬間、後頭部に衝撃が走った。クラクラと脳が揺れ、そのまま僕は何も考えられなくなった。



❂ ❂



「……いってえ!」


 頭突きの衝撃で、ヴォルークの額もジンジンと痛む。衝撃に目を回しそうになりながらも、前方を見る。そこには――吐息を立てて眠っているソルの姿があった。

先ほどまで放てれていた光の玉も消え、周囲には土埃が舞っているだけだった。


「止まった……のか」


 肩の力が抜ける。途端に、自身の覆い被さっている重みと温もりを感じた。


「良かった……」


 その重さと温もりに、ヴォルークは息を吐く。気づくと、耳や拳に宿っていた炎が消えていた。

――もう、星神力が切れたか……

 いくら夜巡隊との戦闘に参加していなかったとはいえ、“焔狼(ブレイズ・ロウ)”で常に炎を具現化し続けていたのだ。星神力だけではない、先の戦闘での疲労がヴォルークの体を襲う。


「そうだ。あいつらを連れて行かねえと……」


 離れた位置で横たわっているスピネルとアルナを見る。彼女の体調が悪化の一途を辿っていたことを思い出し、ヴォルークは体を動かす。


「……よっ、と」


 自身の上に乗って倒れているソルを退かし、背中に背負う。その際左に体が傾く。だが何とか踏ん張りを効かせ、前屈みになりながら歩を進める。


「まずいな。やっぱり悪化してる……早く連れてかねえと」


 アルナ達の目の前に戻ると、その顔色の悪さにヴォルークは焦燥感を覚える。顔をりんごのように赤くし、息を荒く吐いている。額に乗せてあるハンカチも、もうすっかりぬるくなっている。


「つっても、この人数を運ぶのは……」


 ヴォルークは頬を掻く。例え万全な状態だとしても、運べて二人が限界だろう。お世辞にも今のヴォルークが全般とは言い難い。一人運ぶのにどれだけかかることか。その間、敵がどこにいるかも分からない場所に意識のない友人を置いていくのは憚られる。と、その時。


「――おい! 無事か⁉︎」


 右手側から声がした。木々の間から、誰かが走ってくるのが見える。


「……あんたは」


 ヴォルークたちの元へやって来たのは、夜巡隊の隊長――バイギスだった。


「悪い、遅くなっちまって……って、お前」


 バイギスの視線がヴォルークの頭部に向けられる。その視線に気づいたヴォルークは身が強張った。

――まずい、見られた! “焔狼(ブレイズ・ロウ)”を使うと術が消えちまうんだった……‼︎ 

 ヴォルークの心に再び恐怖が募る。そしてバイギスの持つ武器が視界に入る。

 殺される――直感で感じた恐怖に手が震えた。


「――安心しろ!」


 刃先が向けられると思ったその時――ヴォルークの頭には重さが乗った。何をされたのか理解できなかったヴォルークは、唖然とする。


「お前も、お前の仲間も俺たちが守る。ここから右手にずっと進むと、俺の仲間がいる。そこに他の生徒はいないから、お前はそこでしばらく身を隠せ」

「な、なんで……」


 男の手が自身の頭部から離れていくのを見て、ようやく自身は頭を撫でられたのだと気づいた。

 ヴォルークが呆然とする中、バイギスは青い瞳に光を宿らせ、笑った。


「俺らの使命はお前らを守ること。どんな状況でも、それは変わらねえ。それが俺の――夜巡隊としての誇りだ!」


 思い出した。自分を、自分たちを逃してくれたエイナも同じことを言っていた。気づけば肩の力が抜けていた。


「よっと……」


 バイギスはアルナとスピネルを前方に抱える。


「まずいな、だいぶ発熱してる。この子って確か、エイナの妹だよな?」

「知ってたのか」

「そりゃあな。隊員の身内くらい把握してるさ。それより、そっちの子運べるか? 安全なところまで運ぶぞ」


 言われるままに、ヴォルークはソルを背負った。それを確認したバイギスは、森の中を歩き出す。

 枝や木の葉を踏み分けながら、二人は木々の間を歩いていく。バイギスは二人を抱えながらも、木々の隙間や地面、さらには上空にまで注意を向ける。そんな中、恐る恐ると言った風にヴォルークが口を開いた。


「なあ、一ついいか」

「なんだ?」

「他のみんなはどうなった? 向こうにいたリレールも、あの人も」


 右側だけ伸びた前髪を揺らして俯きながらも、横目にヴォルークは左側を見る。木々が幾重にもそびえ立つその先は、今はもうしない爆発音が響いていた場所だ。

――仕方なかったとはいえ、俺はあいつを置いて来ちまった。いつも、あいつは俺のことを助けてくれてたってのに……肝心な時に、俺は。

 ヴォルークは自責の念に駆られる。答えを求めるように見上げたバイギスは、眩しいほどに笑っていた。


「大丈夫だ。エイナは新人だが、きちんと責務を果たす奴だ。それに何より――心強い助っ人が来てくれた」



【登場人物】

・ソル:赤髪の少年。アースの民。星神力の属性を変えることができない。

・ヴォルーク:黒髪の少年。マーズの民の狼人族。【火】の属性を主に扱う。

・エイナ:夜巡隊第四部隊の隊員。アルナの姉。【金】の属性を得意とし、武器を主体にして戦う。

・バイギス・ダイモス:夜巡隊第四部隊の隊長。マーズの民のダイモス家。左頬から額にかけて縫い目がある。


・キマイラ:桃髪の少年。

・デルピュネー:あごに無精髭を生やした金髪の男性。

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