表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
告白したら違う子でした。いまさら憧れ女子が絡んでくるんですが。〜ショートカットのスポーツ少女ヒロインが勝つための物語  作者: 白井 緒望


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/83

第42話 バイトの後輩。


 バイトに行くと、後輩の葉月がご機嫌だった。


 「どうした?」


 「山西さん。なんかね。バイトに新人の子が入るみたいですよ。しかも、かなり可愛いらしく、先輩たちが大騒ぎでした」


 「へぇ」   


 俺はチケットをもぎりながら答えた。


 ウチは仕事内容の割には時給が高く、人気がある。そのため、人員は常に余り気味なのだ。先日も店長は、人件費削減のため、しばらく新人は募集しないと言っていたんだがな……。   


 葉月は俺を覗き込んだ。


 「あれれー。山西さんは、わたし以外の女の子に興味あるんですか? とんだ浮気者ですね」


 「は? それ以前に、葉月に全く興味がないんだけど……」


 葉月は大袈裟に口を開けた。


 「え。だって、山西さん、前に付き合ってくれるって言ったじゃないですか」


 「言ってねーし」


 こいつ、異星人に誘拐(アブダクション)でもされたんじゃねーか?


 「ひどい。半年前に、バイト仲間で旅行に行った時に、わたしが体育座りしたら、浴衣の隙間からアソコ見られちゃって……」


 思い出した。

 思いっきり心当たりがある。


 葉月が目の前で体育座りした時に、見てはいけないものを見てしまったのだ。


 葉月は、やや演技がかって目を擦りながら続ける。


 「わたし、男の子に見られるのは初めてだったんですよ?」


 それで、本気で泣かれて責任とれって言われて、その場しのぎで、半年バイト辞めなかったら付き合ってもいい、って言ったような。


 「あれは、酒の席だったし。お前があんまり泣くから……」


 あの時は、きらりにまだ出会ってなかったし、女っ気もなかったから、(見た目だけは)可愛い彼女ができたらラッキー、くらいの軽い気持ちで答えてしまった。


 俺は抗議した。

 自分に落ち度があるっぽくても、とりあえず文句は言ってみる。


 「それに、あんなんで見えるとは普通は思わないだろ」


 葉月は片目でチラ見しながら言った。


 「それで、感想は?……汚かったとか言ったら本気で泣きます」  


 エピソードは忘れていたが、そこだけは鮮明に覚えたので、自信を持って答えた。


 「いや、つるんとして、きれいだった」


 葉月は舌を出した。


 「はい! 有罪!!」


 「マジでごめん。いまは付き合ったりとかは……」


 「ふぅーん。じゃあ、わたしのお願いを一つ聞いてください」


 「……内容にもよる」


 葉月は、目を少しだけ釣り上げ、いたずらっ子のような顔をして笑った。


 「買い物につきあってください」


 「そんなん女友達か取り巻きに頼めよ」


 「いやです♡ 気になってる男の子がいて、山西さんに雰囲気が似てるから、アドバイス欲しいんです」


 その人とうまくいけば、俺は開放されるだろうし。それくらいならいいか。


 「……、もとはと言えば見ちゃった俺が原因だしな。わかった。いいよ」


 「先輩♡ ありがとう♡」


 そういって笑う彼女の名前は 葉月 陽菜ひな。バイトの後輩だ。


 身長は156の普通体型。年は俺より2つ下の専門学校生。彼女は声優になりたいらしく、その系のコースに通っている。目がパッチリしていて、顔も可愛いが、とにかく声が可愛い。


 甘えてるような誘っているような声。

 それでいて、ハスキーなのに粒が揃ってる。


 耳元でずっと聞いていたくなる声だ。



 ここのバイトには、3つのタブーがある。


 その中の一つが、葉月 陽菜と電話で話すべからず、なのだ。


 実際、バイトの中には、彼女の声で落ちた男が多数存在する。ある意味、魅了魔法チートに近いと思う。


 ちなみに、俺は葉月の教育係で本性を知っていることにより、難を逃れている。


 その本性は……。


 男を落とすことで承認欲求を満たす魔性の女(自称処女)なのだ。あと女の子も好きらしい。この好きは、性の対象としてだ。


 コイツに落とされるくらいなら、俺は一生、童貞をを選ぶ。  


 そんなコイツに俺と出かけたいと言われても、恐怖しか感じないのだが。  



 おれは、ふとあることに気づいた。


 「おまえさ……」


 「なんです? だーりん?」


 「処女だって話、盛られてるのかと思ったんだけど、つるんとしてたし、閉じてたし、本当なのかもな。……信じなくてゴメンっ!!」


 葉月は赤くなった。

 だが、怒りのオーラを感じる。


 恥じらい怒り? 

 新ジャンル開拓だ。


 「せ•ん•ぱ•いっ。そんなこと言ってると、お願いごと2つに増やし……」



 俺は時計を見た。

 やばい。上映が終わる。


 「葉月、そろそろ清掃はいるぞ」


 「はい。先輩っ」



 ……。



 午前の回の上映がひと段落した頃、店長がバイトを集めた。


 「あー、すまんな。みんな。すぐ済むから、ちょっと聞いてくれ。新人の紹介だ」


 すると、店長の陰から、女の子がピョコッと顔を出した。


 バイトの男共がザワつく。  

 「あの子、ヤバくない? めっちゃ可愛い」などと言う声が、そこかしこから聞こえる。


 その子はお辞儀をした。


 「わ、わたし。今日から皆様と働くことになった、神楽坂 櫻子と申します……」


 その時、俺は見てしまった。

 葉月が櫻子をみて、舌なめずりしたのだ。


 ……、俺は決心した。

 櫻子の貞操は俺がまもるっ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ