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告白したら違う子でした。いまさら憧れ女子が絡んでくるんですが。〜ショートカットのスポーツ少女ヒロインが勝つための物語  作者: 白井 緒望


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第26話 紫音と神楽坂さん。

 

 あっ。

 神楽坂さんだ。


 神楽坂さんは、本館の柱の陰から出てきた。

 もしかして、待っていてくれたのかな。


 「どうしたんですか? 忘れ物?」


 神楽坂さんは、視線を下げて申し訳なさそうな顔をした。


 「気になったことがあって」


 「なんです?」   


 なんだろう。

 全く想像がつかない。


 「ゴミ箱、見えちゃったんです」


 ゴミ箱って、コンドームが入ってるゴミ箱のことだよね?


 ガッデーーム!!!!


 ……椎名め!!

 

 今度あったらグリグリだな。   


 まだ誤魔化せるか?

 風船? ヨーヨー風船?


 あっ!!


 なんだか、あんこが入ったああいう風船があったよーな。あんこ玉……?


 た、たま?

 

 ダメだっ。

 固有名詞が分からん。


 ノーダメージは諦めて素直に謝ろう……。

 ワンチャン、勝手に他の物と間違えたり、固有名詞を知らなくて指摘できない可能性もある。


 「あ、お見苦しいものを見せました。部活、イヤになっちゃいましたよね」


 神楽坂さんは、口ごもっている。


 「あっ、いや。そうではなくて。あれって……こ、ここここ、こ」


 「?」


 神楽坂さんは胸に手を置いて、深呼吸した。


 「こ、こ、コンドームですよね?」


 あーあ。

 正解っ。


 いろんな意味で終わったわ。


 「まぁ、そういうことになりますね」


 「その。もしかして、山西くん、あの子とそういうの使ってるのかなって……」


 なんか、随分と見当違いな勘違いをしているらしい。


 「いや、あいつはただの後輩で。全然そんなのじゃないんです。ゴミ箱のは、部員のイタズラで。イヤな思いさせたなら、すみません」


 「よかった。山西くんが使ったんじゃないならいいんです」


 神楽坂さんは笑顔になった。


 はぁ。マジ可愛い。

 神楽坂さんマジ天使……。


 それにしても、神楽坂さん、天界の者なのに、コンドームって単語を知ってるんだ。


 神楽坂さんも帰るというので、校門に向かって僅かな距離を並んで歩く。


 途中、何人もの男が振り向いた。中には、俺の方を指さして、露骨に何か話してるヤツもいて、きっと「釣り合わない」とか言ってるに違いない。


 俺は誇らしいと言うよりも、ひどく情けない気持ちになった。


 すると、神楽坂さんが声をかけてくれた。


 「山西くん。可愛いし、かっこいいと……私は思いますよ。あの……今日、車の迎えが来てるんだけど、よければ……」


 神楽坂さん、内面までマジ天使。




 (ドガっ!!)


 その時だ。

 突然、背中を蹴られた。


 「ちょっ、誰だよ!!」


 「お前が、朝、わたしを電車から追い出した•か•ら•だろっ!!」


 可愛い声で、この粗暴な発言。

 顔を見るまでもない。該当者は1人しかいない。


 わが実妹、紫音だ。


 「ちょ、しお……」



 (ぶちゅー)


 次の瞬間、紫音は俺にダイビングキスをかました。


 大学3年生が、大学の校門で、女子高生(しかも高1)とキスをしているのだ。


 注目を浴びない訳がない。

 まわりの学生たちが、ざわついて足をとめる。



 まじで、こいつ。

 なんなのホント。


 せっかく、神楽坂さんといい感じだったのにいぃ!!


 神楽坂さんも目をまん丸にしてコチラを見ている。


 「山西くんっ。そ、その子は誰ですか? その。まだ16歳くらいに見えるのだけれど……」


 「いやっ、これは」


 俺は釈明しようとして気付いた。


 既にキスをかまされている。

 つまり、妹と答えれば、近親相姦を疑われる。

 

 従兄弟は?

 親族なのだから、あまり状況は変わらない。


 女友達?

 おれってば、女友達(しかも女子高生)とキスすんの?


 幼馴染? 

 年齢離れすぎ。


 

 やられたっ。

 どう答えても詰む……。


 ヤツ(紫音)め、なんと狡猾で恐ろしいことを考えるのだ……俺は紫音の計略に身震いした。

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