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侵入者
城の屋上で大きな鳥は周りを見渡した。黒い、カラスにしては大きすぎた。
翼を広げ、身体に巻き付けた。黒い竜巻が回転してるよう。
「ふぅ、こっちのが動きやすくていいぜ」
人間に翼が生えた姿。翼が黒く、悪魔のようにも見えた。
「狙いのもんがこの真下ってらしいし、ぶっこわしゃあいいんだが……」
腕を組み、目を閉じて考えた。
「ツヴァイとドライはまだだしのんびり行くか」
黒い翼を持った悪魔が城内に侵入した。
「何だお前!」
「死ねよ」
兵士の心臓を右腕で一突き。引き抜き、腕についた血を舐めた。明らかに異常だ。
「ショータイムだ」
城の中で不吉な笑い声が響いた。