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ゆび編みで作ってみよう!

 公民館を窓のサッシまで含めて断熱設計に作り替えた私はやり切った感でぐでーっとしてました。だって朝に換気して涼しい空気を入れたんですもん。暑い日が続く時はぐでーっとしていたいです。

「あっ! ちーちゃん今日もいたーー!!」

 どうやら村の小さい子たちが来たみたいです。ぐでーっとしていると物凄い勢いで私に体当たりしてくるので、直ぐに姿勢を正してお澄まししてご挨拶します。

「おはようございます。みなさん。今日も元気そうで何よりです」

 このところ暑い日が続いていたので心配していましたが皆さん大丈夫そうですね。麦わら帽子を被って竹で作った水筒を身につけていてホッとします。子供たちは間違えないように名札の付いたロッカーに帽子と水筒を置いて、私のところに来てくれました。

「ねぇ、ねぇ、ちーちゃん、きょうはなにしてあそぶ?」

「今日もすっごーく暑かったから、遊ぶ前に爪で熱中症のチェックしましょうか?」

「はーい!」

 私は一斉に皆んなに爪で熱中のチェックをして貰いました。爪の色が元に戻ったら手を挙げて貰います。3秒以上の深刻な子はいませんでしたが、1.5秒以上の子はいたので、重症度に応じて濃くした経口補水液をゆっくりとコップ1杯飲んで貰います。その後、皆んなに小さな団扇うちわを渡して輪になって隣の人を扇ぎました。

「もう私はダメですーー」と皆んなに言ってコテンと横になりました。そんな私の姿を見て皆んながひとしきり笑った後、体を動かす組と部屋でまったりする組に分かれました。当然、私はまったりする組です。

 まだ本格的に紙を作っていないので絵本は高価ですが、モウソウチクという竹を偶然にも見つけたので、タケノコが竹になってまもないものを使って紙を作りました。インクには大豆ダイズ油を利用して作っています。

 まだ十分に文字を習っていない子は面白い顔をした動物の絵本がお気に入りみたいです。石板を使ったお絵描きの時間に簡単な文字も漫画の要領で覚えて貰うようにしていっているので、そのうち簡単なお話なら読めるようになるでしょう。

 子供のための本が作れるのはなんと幸せなことでしょうか。子供が楽しめる文学の登場は18世紀中盤と比較的遅いものだったので感慨深いです。絵本を見ている子供たちを微笑ましく見ていたとき、一人の女の子が私に話しかけて来ました。

「あのね、ちーちゃん。わたしもあのおねいさんのようなピンクのリボンがほしいです」

 あー、えーっと、前に剪定した梅の枝でピンク色に染めた絹のリボンのことですね。絹のリボンは意匠も凝って貴重な品なのでどうしようかと思いましたがいいことを思いつきました。

「そうですね。ピンクのリボンを持っていたお姉さんの年齢になったらお渡しするというのはどうでしょう」

 あっ、少しションボリしちゃった。ですよねーー。なので次の手も考えてあります。

「似たような物をピンクの毛糸で自分で作ってみるのはどうでしょうか?」

「わたしがつくるの?」

 私は「はい」と頷くとピンクの色の極太以上の毛糸を使った編み物を異空間収納から取り出してみせました。

「ハートやマフラーもつくれるの?」

「はい。やってみますか?」

 物凄い勢いで頷いたその子に私は自分の指でやって見せながらゆび編みで細長いマフラーの編み方を教えていきました。疲れたときには、途中で中断できるように手の大きさの厚紙に指の幅で切り込みを入れたカードの使い方も覚えて貰いました。厚紙のカードは私のお古ですが、高級品に見える絵柄なので気に入ってくれているみたいです。

 今回の細長いマフラーの作成は通常1時間程度かかりますが、初めてでゆったりとした時間のなかで楽しみながら少しずつ作っていったので数日かかりました。このペースで5本の細長いマフラーを作って、さらに幅の広い大きなマフラーにするのも寒くなるまでには十分間に合うのでゆっくりと見守ることにしました。

 そうこうして細長いマフラーの2本目が出来上がる頃には室内でゆったりする組ではゆび編みが大流行りしたのでした。ゆび編みが流行ってくれたのは嬉しい反面、毛糸をどうやって提供しようか私が頭を悩ませたのは言うまでもありません。


後日談

 ゆび編みをしていた子たちが成長して大きくなると、その経験を活かし、かぎ編みが流行ることになるのですが、その話はまたいつか。

参考文献

[1] カーボンブラック協会

 https://carbonblack.biz/safety03.html

[2] 第1章 初期の児童文学

 https://www.kodomo.go.jp/ingram/section1/index.html


インクについては没食子インクと墨はネット上でも情報があるが、大豆インクについてはそれらに比較して情報量が少ない。単に顔料と樹脂と書かれていたり、逆に複雑すぎて煤と油だけではダメなのかもよくわからない。今後、調査を進めて新たな情報が得られた場合には「インクには大豆ダイズ油を利用して作っています。」の部分はより詳しく書き換えることも検討しています。

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