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01.人生
人生は名瀑としていた。単に大きな苦悩はない。だからこその生きずらさと言うものを私は感じていた。暗澹とした人生の中、日々のちょっとした苦悩を寿命の上にバターのように乱雑に塗りたくって胃の中へと破棄するような日々が、私の内蔵をじっくりと、コンクリートを蝕むカタツムリのように私の胃や食道を溶かしては這い上がってきていた。
いつかはこれが、脳に来てしまうのだろうか、なんて思える分には私はまだ常人でいることができるようではある。
天井で小さな夕焼けが灯っていた。薄暗く、頼りなく。だけども、私の目には十分に赫赫と。燃えていた。でも、その光には、その色にすら。私には遠くて尊い。
__プツッ。
電灯を私は殺した。
この電灯を二度とつけることは無かった。