記録
『高次変異』
オブジェクトクラス B
生物に不規則的に発生する突然変異的現象です。
この影響下にある生物には、人間と同等、もしくはそれ以上の知能を発現します。
現在、大型種、猿種、犬種、鳥種、昆虫種、その他諸々の生物での発現が観測されています。
発現する動物に規則性はありません。
これらの変異を発現したオブジェクトたちは皆、声帯的器官を持っていないにもかかわらず、人間の言葉を発します。
発声する言語は、それぞれのオブジェクト達が育った環境の言葉と同一です。
又、これらのオブジェクト達の知識は、それぞれの育った環境によって大きく異なります。
オブジェクトサンプル-1
■■家の■■犬
『ソラ』
ソラは、■歳の頃、衰弱しきった状態で■■県■■山の麓への道を彷徨っていた所を、登山を行っていた■■家の長男、■■に保護されました。
ソラは、■■家のメンバーから大事な家族の一員として扱われ、多分な愛情を受けながら成長しました。
長男に連れられて山を登ることもしばしばありました。
又、父、■■は、知識人であり、日常的に難関大学レベルの問題を解くことを趣味としていました。
追記:ソラが初めて人語を発声した際、■■家のメンバーは驚愕しましたが、ソラに対して恐怖を抱くことはありませんでした。
追記:我々が■■家に訪れた際、■■家のメンバーはソラを受け渡そうとはしませんでした。
一週間以内に必ず無傷で帰宅させるという旨の契約書を弁護士同伴で作成し、両者が保持するという条件で渋々了承を頂くことができました。
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諸事情により、実験は短縮されます。
実験-1
『体力テスト』
修正:この実験は、ソラの身体能力を簡易的に図るものでしたが、同種、同体重、同体長の生物の平均身体能力の■倍以上を超えていたため、これ以上の実験は無意味と考えられ、中止されました。
追記:武装していない一般人を優に■■人殺害可能な身体能力です。以降、ソラとの接触時は武装を義務付けることになります。
実験-2
『知識テスト』
ソラは、大学レベルの試験(理系分野のみ)を92%でパスしました。
この結果は■■家父の成績を平均15%超えています。
実験-3
『簡単な対話』
組織のメンバーの質問に対し、ソラは至って普通に返答をしました。
ソラは、■■家父に少し似たような口調と、似たような価値観で組織メンバーと会話を行いました。
推定知能は150以上です。
この実験は、ソラが■■家に帰りたいという意思を強く見せ始めたため、4日経過時点現在で強制的に終了されます。