浮遊層へ
自分探しをした瞬間
この世に君はいなくなる。
唯一無二の存在の証明を棄却して
四季を感じることは不可能。
モノクロの閉鎖空間で無味無臭のディナーは
もしかしたら五つ星かもね、
なんて心にもないことを言ってみる。
一体いつまで虫眼鏡と格闘するつもりだろうか。
どこかにあるはずの個性なんて化学調味料じゃないか。
ナンバーワンだとかオンリーワンだとかくだらないことはいいから、
世界はここにあるのだと叫べばいい。
時がめぐって血がめぐる。
もうきっと着陸準備は整っている。